本気で「命」と向き合ってきた

国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科
後藤 悌 先生

本気で「命」と向き合ってきた

患者さんのたくさんの「命」に立ちあってきた後藤悌先生のストーリー

公開日 : 2017 年 08 月 22 日
更新日 : 2017 年 08 月 24 日

組織に貢献するよりも「患者さんのために」働ける世界へ

「将来は、なにか大きなことを成し遂げたい」

私は幼い頃から、こんな想いを胸に秘めていました。両親が医師という環境に育ちはしましたが、医療という選択肢だけでなく、政治や海外の仕事などを含め、幅広く自分の将来を考えていました。

そして、高校2年生の秋、進路選択の時期が迫ります。当時は官僚・政治家・外交官に強い魅力を感じました。しかし、これらは日本を救うというより、属する組織へ貢献する側面が強いのでなないか、という思いもありました。一方、医師という仕事ならば「患者さんのため」という大義名分のもとに一生懸命働くことができる。そして、それは自分の人生における1本の揺るぎない軸になりうる予感を感じました。

「やっぱり私は医師になって、患者さんのために働きたい」

18歳の私は、そう心に決めたのです。

医学知識を患者さんに還元できる内科の魅了に惹かれて

もともと手先が器用ではなかったので、外科医になろうと考えたことはありません。最初から内科医を目指した私でしたが、内科学を学ぶうち、あらゆる医学知識を吸収し患者さんに還元するというプロセスに、探究心が湧き立ちました。

人が生まれる瞬間に立ち会える産婦人科に興味を抱いたこともあります。しかし、気づけば私は東京大学医学部で呼吸器内科を選び、やりがいを得て、現在では肺がんを中心とした悪性腫瘍(がん)を扱う国立がん研究センターで医員としての職を得ています。呼吸器内科への探究心、患者さんと接する医師としての働きがい、その両方を持ち続けられる今の状況を幸せに思います。

国立がん研究センター呼吸器内科のスタッフ

真剣に命と向き合う患者さんの心に寄り添うことが生き甲斐

悪性腫瘍(がん)は、人の生死にかかわる病気です。そのため、患者さんはがんの告知を受けてからは、心に葛藤を抱えながら残された時間を大切に過ごす必要に迫られます。もちろん私たちの仕事は第一に患者さんの病を治すことです。しかしそれと同じくらい、患者さんが心に抱く葛藤を分け合い、ともに歩むことも大切なのです。

生死の境目で命と真正面から向き合う患者さん。そんな患者さんと触れ合うたび、自分自身の人生についても深く考えさせられます。

「私はどう生きていくべきなのか」

「どんな医療を目指していくべきなのか」

患者さんの心に寄り添い、ともに歩むことのできる医師としての日々は、私の生き甲斐そのものだと感じます。

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国立がん研究センター中央病院 呼吸器内科

後藤 悌 先生

2003年に東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院内科、三井記念病院内科などにおいて臨床経験を積む。2010年には東京大学大学院医学系研究科を修了、東京大学医学部附属病院検査部にて特任臨床医、東京大学医学部呼吸器内科にて助教などを務め、2016年より現職。肺がんを中心とした呼吸器腫瘍に関する新薬の開発と実用化において、日本の第一線で活躍している。

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