札幌市白石区に病院を構える医療法人社団明珠会 札幌白石産科婦人科病院(以下、札幌白石産科婦人科病院)は、産科と婦人科を専門とする病院です。同院では、患者さんの体への負担が少ない治療の提供を目指し、日々診療にあたっています。
いかなるときも患者さんに寄り添う診療を心がける同院の診療について、院長を務める明石 祐史先生にお話を伺いました。
1980年10月に産科と婦人科を専門とする病院として、前身の白石産科婦人科医院を開設しました。以来、当院は地域に根差した医療の提供に努めてきました。その後、増床や医療法人の設立などを経て、2014年5月に病院を完全リニューアルしました。
妊娠や出産に関わることは、安全性の担保と信頼関係の構築が求められます。当院は開院以来、出産に携わってきたことで、多様な分娩スタイルに対応できます。また、不妊治療からお産、産後のケア、婦人科診療までを一貫して行うことができるため、患者さんを切れ目なくトータルでサポートすることが可能です。
婦人科疾患の治療は多岐にわたります。当院では、良性婦人科疾患(子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣腫瘍・卵管水腫や卵管閉塞などの不妊症原因疾患)の腹腔鏡手術と子宮内膜症の診療に力を入れています。
安全管理の徹底と職員の技術向上によって、地域の皆さんが安心していただけるような病院づくりに努めております。
地域の皆さんから「住み慣れた地域で出産したい」というお声をいただいたことが、当院を開設するきっかけのひとつとなりました。そのため、開院当初から現在に至るまで、お産には力を入れて取り組んでおり、3万以上の分娩に携わってまいりました(1980年度から2019年度までの分娩件数より)。
妊婦健診では、日本産科婦人科学会認定の産婦人科専門医が、4D超音波を用いて胎児の状態を確認するとともに、母親の健康状態にも気をつけてサポートしています。なお、当院でのお産を希望する方は、予約制を取っています。これは、お子さんと母親の状態をスタッフが正確に把握したうえで、安全に出産していただくためです。
また、当院では里帰りして、地元での出産を希望される妊婦さんにも対応していますので、ご希望の方は妊娠20週目を過ぎましたら、まずはお電話でご予約ください。
お産は、“アクティブバース”をコンセプトに、陣痛が起きてから分娩・回復までを同じ部屋で過ごせるLDR室を完備しています。一人ひとりの妊婦さんの希望に寄り添った出産プランを実現できるように心がけています。
初めての出産や育児は、心配や不安があると思います。そこで、出産前の準備などについて学ぶことができる、ひよこクラスを開催しています。また、当院で立ち合いでの出産を希望されるご夫婦に対しては、両親クラスに参加いただくことが可能です。
これら以外に、マタニティヨガのクラスも開催しております。全てのクラスは、予約制となっておりますので、興味のある方はご連絡ください。
婦人科では、2014年5月の完全リニューアルに伴い、より多くの手術に対応できるように手術室や人員の拡充を図りました。具体的には、婦人科の鏡視下手術(腹腔鏡・子宮鏡)に特化した手術室と、産科の手術を専門に行う手術室が独立した2室で同時に手術することが可能になりました。
婦人科では、子宮がん検診や女性のヘルスケアに関わる月経関連疾患などの一般婦人科診療のほかに、子宮内膜症の診断と治療、腹腔鏡手術のご相談を受ける専門外来を開設し、各分野を専門とする医師が診療を担当しております。子宮内膜症は、月経痛・性交痛・排便痛・排尿痛など日々の生活に支障となる痛みを起こすことで知られています。不妊やがんにも関連する病気であるため、診断と治療には力を入れています。
そのほか、更年期障害など年齢を重ねることで生活の質を損なうことがないように、婦人科診療の体制を整えています。
婦人科の手術では、良性婦人科疾患(子宮内膜症・子宮筋腫・卵巣腫瘍・卵管水腫や卵管閉塞などの不妊症原因疾患)などに対する腹腔鏡手術に特化しています。そのため、2015年から婦人科の腹腔鏡手術の件数が年々増加し、2019年度には327件実施しています。腹腔鏡手術は、開腹手術と比べて切開創が小さいことで痛みを軽減できるため、患者さんの体への負担が少ない手術であるとともに、視野の拡大によって安全面に配慮した手術を行うことが可能です。このため、整容性が高く、患者さんの早期回復につながる手術といえます。当院では悪性の婦人科腫瘍に対しては、地域の医療機関と連携体制を取って速やかに紹介しております。
当科では、スタッフ一人ひとりが技術や知識を磨き、さらに多くの腹腔鏡手術に対応できる体制を整えてまいります。
妊娠や出産を望みながらも、自然妊娠が難しいという方々もいます。当院では、そのような方々が希望した場合に、不妊治療を実施します。
当院では、タイミング療法や人工授精をはじめ、高度生殖医療とされる体外受精も行っています。不妊治療は、体や心の負担だけでなく、自費診療も含まれるため経済的な負担の大きな治療です。そこで、可能な限りさまざまな負担を軽減するために、医師が診察のなかでコミュニケーションを取りながら、適した治療を提案するように心がけています。
来院される方のニーズに可能な限り応えていくことが当院の使命です。そこで、要望が多い無痛分娩にも対応できる体制を整備していきたいと考えています。当院設立時からの柱である産科診療を充実させることで、よりいっそう地域の皆さんに貢献していきます。
一方、婦人科診療では、さまざまなライフステージでサポートできる診療体制を心がけてまいります。その一環として、子宮内膜症の治療と腹腔鏡手術に注力し、当院の経験をデータとして国内外に広く発信していきたいと思います。また、患者さんの体への負担が少ない腹腔鏡手術をできるだけ多くの方に速やかに提供できる体制を確立したいと考えています。
当院では、産科と婦人科の両科で、専門性の高い医療を提供し続ける覚悟を持って、知識や技術の研鑽に努めています。これらの努力は、妊娠や出産、そして婦人科疾患の治療のときに「札幌白石産科婦人科病院に行こう」と地域の皆さんに思っていただける病院でありたいという思いからです。これからも地域の皆さんに信頼していただける病院づくりに邁進いたします。
札幌白石産科婦人科病院 産婦人科 院長
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。