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子どもの目やに:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

子どもの目やに

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • あまり目を動かさないなどの様子がある
  • ものが見えにくい

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 一日中目やにが続く
  • 目を気にして触る、こするなどのしぐさがある
  • 泣いていないのに涙が出ている
  • 目の充血、発熱がある
  • 周囲で同じような症状が流行している
  • 黄色、緑などのねばついた目やにが多量にでる

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 起床時など一時的なもので、その後繰り返さない

[医師監修] メディカルノート編集部【監修】

目やにとは、角膜や結膜から分泌される粘液にさまざまな老廃物や涙、ほこりなどが付着して形成される白~淡黄色の塊です。通常は、まばたきによって涙とともに目頭の涙嚢()に洗い流されていますが、睡眠中にはこの作用がないため、起床時には異常がなくても目頭や目尻に少量の乾いた目やにが付着していることがあります。しかし、目やにの量が多かったり、色調の変化が見られたりする場合は、何らかの原因がある場合も少なくありません。一般的に、子どもは成人よりも免疫力が未熟であり、目やにができやすい傾向にあります。

  • 目の充血とともに黄色く粘性の強い目やにが大量に出る
  • 目を擦る癖があり、目の充血や流涙、目やになどの症状を生じるときがある
  • 特定のものに触れたり、食べたりすると目の充血や目やになどが見られる

子どもにこれらの症状が見られる場合、原因としてどのようなものが考えられるでしょうか。

涙は上瞼()にある涙腺と呼ばれる組織で分泌されて眼球を潤し、古くなった涙は目頭の涙点から鼻涙管に流れ、鼻の奥へと排出されます。子どもはこれらの構造が未熟であり、免疫力も低いため以下のような病気によって目やにが多く分泌されることがあります。また、明らかな感染が無くても、鼻涙管の腫脹()などにより、涙の通り道が細くなることでも、排出が遅延して目やにとなることが子どもでは多くみられます。

子どもの目やにの原因として多いのは、目に感染を生じる病気です。原因となる主な病気には以下のようなものがあります。

感染性結膜炎

ウイルスや細菌に感染することで、結膜に炎症を生じる病気です。病原体が直接結膜に感染するだけでなく、風邪をひいたときに鼻汁などに含まれる病原体が付着した手で目を擦ることが原因となることもあります。目の充血や痛み、流涙などの症状があり、粘性の高い濃黄色の目やにが大量に出るのが特徴です。中には、目やにが多く分泌されることで目が開けられなくなることも多々あります。

症状の程度は原因となる病原体によって異なりますが、子どもに流行するアデノウイルスによる結膜炎は、発熱や咽頭痛、下痢などの全身症状を伴います。

眼瞼炎、涙のう炎

瞼や涙のうなど、目の構造の一部にウイルスや細菌感染が生じることで炎症を引き起こす病気です。目の充血や痛み、瞼の腫れ、流涙などの症状が現れ、目やにが多くなることがあります。

眼瞼炎
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涙嚢炎
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目やには、目に感染を引き起こす病気以外にも以下のような病気によって分泌量が増えることがあります。

アレルギー性結膜炎

特定のアレルゲンが体内に入ったり、触れたりすることでアレルギー反応を生じることがありますが、その症状のひとつとして結膜炎を発症することがあります。強い目のかゆみや流涙などを生じ、涙が多くなることで目やにの量も増加します。目やには白っぽいものが多く、粘り気がなくサラサラしているのが特徴です。また、同時にくしゃみや鼻水、吐き気、蕁麻疹(じんましん)などさまざまな症状を引き起こすことがあり、重症の場合には呼吸苦や血圧低下などのアナフィラキシー症状が見られることもあります。

アレルギー性結膜炎
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睫毛内反症(しょうもうないはんしょう)

いわゆる“逆さまつ毛”と呼ばれるもので、子どもに多く見られる病気です。睫毛が眼球に向かって生えているため、眼球が傷つけられ、目の痛みや充血、流涙、目やになどを引き起こします。また、目の違和感が気になって強く擦ることで結膜炎角膜炎を併発することも少なくありません。成長と共に自然と改善することが多いですが、よくならない場合や目の症状が強い場合は、手術を行ってまつ毛の生える向きを修正する必要があります。

先天性鼻涙管閉塞症(せんてんせいびるいかんへいそくしょう)

涙の排出路である鼻涙管が閉塞することで涙が眼球に溜まりやすくなり、流涙や目やにが見られる病気です。一般的には、新生児早期から目やにに気づかれ、3か月健診などで診断されて治療が行われますが、小児期まではっきりと診断されないケースも少なくありません。

子どもの目やには、日常的によく見られる症状であるため、特に強い症状でない限り病院を受診する人は少ないでしょう。しかし、中には早期からの治療が必要なケースもありますので注意が必要です。

特に、目やにとともに強い充血や眼痛などの症状がある場合、発熱や咽頭痛など目以外の症状を伴う場合、慢性的に目やにが出ている場合などはなるべく早めに病院を受診しましょう。さらに、急激に視力の低下が見られるような場合には、休日、夜間を問わず速やかに救急外来へ受診する必要があります。

受診に適した診療科は眼科ですが、発熱などの全身症状を伴う場合はかかりつけの小児科でもよいでしょう。受診の際には、いつから症状があるのか、目やに以外の症状、幼稚園や学校で流行っている病気などを詳しく医師に説明するようにしましょう。

子どもの目やには、日常生活上の好ましくない習慣が原因で引き起こされている場合があります。主な原因とそれぞれの対処法は以下の通りです。

結膜の乾燥は涙の過剰な分泌を促し、それに伴って目やにが増えることがあります。

目の乾燥を防ぐには

空気が乾燥しやすい冬場は加湿器などを使用して室内の湿度を最適に保つのはもちろんですが、ゲームやテレビなどの画面を長時間見ることも目の乾燥につながります。瞬きの回数が多くなるなど、目の乾燥を示すサインが見られた場合は画面から離れて目を休ませるようにしましょう。

子どもは何かに夢中になると、瞬きを忘れて見入ることがあります。また、目に異物が入るのを防ぐために瞬時に目を閉じる反射も遅いため、目にホコリやチリなどの異物が入りやすく、目にダメージを与えて目やにの原因となることがあります。

目への異物を防ぐには

室内はこまめに掃除してホコリやチリを排除するのはもちろんのこと、風が強い日には砂ぼこりの舞いやすい場所に行くのは控えるようにしましょう。

子どもは目に些細な違和感が生じると無意識に指や爪で擦ってしまうことがあります。目を擦ると、角膜や結膜にダメージを与えるだけでなく、手指や爪に付着したウイルスや細菌などに感染しやすくなります。その結果、目やにを誘発することも少なくありません。

手指や爪を清潔に保つには

外出後など手指や爪が汚れている可能性が高いときにはこまめに手洗いをしましょう。また、爪は汚れが溜まらないように伸ばさないことも大切です。

日常生活上の対処法を講じても目やにが改善しない場合には、思わぬ病気が潜んでいる可能性があります。それぞれの症状に合わせた診療科を早めに受診するようにしましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。