爪が白い:医師が考える原因と対処法|症状辞典
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
爪は健康状態に影響されやすいことから、健康のバロメーターといわれることもあります。
冷えによって指先の血流が悪くなるなど、日常生活上の原因で爪が白くなることはよくありますが、病気が原因となっている場合もあります。
こういった場合には何が原因で、どのようなときに病院に行くべきなのでしょうか。
病気だけでなく、指先の冷えが原因となって爪が白くなることもあります。
爪の下の皮膚には血液が流れていて、この血液によって皮膚はピンク色に見えます。
爪も皮膚の色を反映していることから、通常はピンク色をしていますが、寒い場所に長時間いるなどして指先が冷えると血液の流れが悪くなってしまい、血流が悪くなることで皮膚が白色っぽく変化し、これに伴い爪の色も白色っぽく変化するようになります。
指先の冷えを感じたら、積極的に冷え対策を行いましょう。冷え対策としては、温かいものを飲む、体を温める食品を摂る、手袋をはめる・厚手の靴下を着用することなどがあります。
また、生活習慣によって体や指先が冷えやすくなる場合もあります。無理なダイエットをしない、たばこを控える、十分な睡眠をとる、定期的に運動する、体を締めつけない衣類・靴にするなど、体や指先を冷やさない生活習慣を心がけましょう。
冷えを感じたときに体や指先を温めても爪が白いままであれば、何かしらの病気が原因になっているかもしれません。一度病院で診てもらうようにしましょう。
爪が白くなる病気は、爪そのものの病気と体の病気に大別されます。
考えられる病気のうち、爪そのものの病気には主に以下が挙げられます。
爪甲白斑とは、爪が白くなる病状を指します。爪全体が白くなる、爪の一部が点状に白くなる、爪の一部が線上に白くなるなど、さまざまな種類があります。
白癬とは、一般的に水虫と呼ばれているもので、白癬菌というカビが原因で起こる感染症です。皮膚に感染することが多いですが、爪に感染することもあります。
爪に感染すると、爪が分厚くなって白く見えるようになるほか、先端がボロボロになります。
爪白癬ではかゆみは伴いませんが、爪に加えて指と指の間に感染することもあり、この場合には指の間がジュクジュクして強いかゆみを伴うことがあります。
爪甲剥離症とは、爪が先端から剥がれて浮き上がってしまう状態のことをいい、二枚爪とも呼ばれています。爪への慢性的な外力(ピアノを弾くなど)で起こるほか、感染症や皮膚の病気、内科の病気などでも発症することがあります。
爪が剥がれた場所は白色や黄色っぽく変色しますが、細菌感染が原因であれば緑色に変色する場合もあります。また、原因によってはその病気に応じた症状が伴います。
爪が白くなる体の病気には、主に以下のようなものがあります。
貧血とは、血液に含まれる赤血球やヘモグロビンが不足して起こる病気の総称です。
爪は血液の健康状態に影響されやすく、赤血球やヘモグロビンが不足することによって、爪が白くなることがあるほか、爪が反り返りやすく割れやすくなります。
爪以外の貧血の症状としては、めまいや頭痛、息切れ、体のだるさ、疲れやすい、顔色が悪くなる、胸の痛みなどが代表的です。
腎不全は腎臓の機能が著しく低下した状態、肝不全は肝臓の機能が著しく低下した状態を指し、いずれも症状のひとつとして爪が白くなることがあります。
ほかの症状としては、腎不全では息苦しさや体のだるさ、むくみ、吐き気や食欲低下、尿量の低下など、肝不全では体のだるさやむくみ、黄疸(皮膚の色が黄色くなる)、腹水(お腹に水が溜まる)などが代表的です。
爪が白くなる状態に他の皮膚症状や全身症状が伴う場合、爪が剥がれそうになっている場合には、病院への受診を検討しましょう。
適した診療科は原因によって異なる場合がありますが、まずは皮膚科への受診でよいでしょう。
診察時には、爪が白くなり始めた時期、きっかけ(銭湯やプールに行ったなど)、同じ症状をもつ人が周りにいるか、普段どのように指先を使っているか(仕事・趣味・楽器演奏など)、ほかの症状などを医師に詳しく伝えましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。