足の爪が白い:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

足の爪が白い

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 爪が分厚くなったりでこぼこしている
  • 爪の周りの皮膚にかゆみ、皮むけなどがある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 爪の一部分だけが白くなっており、他の症状がない
門野 岳史 先生

[監修] 門野 岳史 先生

聖マリアンナ医科大学皮膚科 教授

爪はケラチンと呼ばれるタンパク質が主成分であり、皮膚(ひふ)の付属器の一種です。爪は皮膚()と比べて固く滑らかな構造をしていますが、特に足の爪は歩行時に足指にかかる衝撃を吸収するはたらきがあるため、硬く厚みがあります。

爪の直下の皮膚()には毛細血管が集中しているため、健康な状態の爪は淡紅色(たんこうしょく)を示します。しかし、爪の色はさまざまな原因によって変色することがあり、足の爪が白い症状は比較的よくみられる症状のひとつです。

  • 足の爪が分厚く白くなり、ボロボロと崩れるようになった
  • 足の爪の先端から徐々に白い部位が拡がり、ついにはがれ落ちた
  • めまいや息切れなどの全身症状があり、足の爪が白く見えるようになった

これらの症状がみられた場合、原因としてどのようなものが考えられるでしょうか。

健康な状態の足の爪はやや白みがかった透明色ですが、直下の皮膚(ひふ)の血管が透けて見えることで薄いピンク色を示しています。爪の色は健康状態を示すバロメーターとも考えられており、爪の色の変色が病気の発見につながることも少なくありません。

足の爪が白くなる症状は、以下のような病気によって引き起こされることがあります。

足の爪は、爪自体の病気や足の指に発生する病気によって引き起こされることがあります。原因となる主な病気は以下の通りです。

爪白癬(つめはくせん)

カビの一種である白癬(はくせんきん)が爪に感染することによって発症する病気です。いわゆる爪水虫と呼ばれるもので、白癬()が爪の主成分であるケラチンを分解することで、爪が(もろ)い状態となります。進行すると爪が白く分厚く変色・変形し、些細な刺激で崩れるようになり、靴が当たったときなどに痛みを引き起こしたりすることも少なくありません。同時に足の指と指の間にも白癬()が感染して、かゆみを伴う水疱(すいほう)を形成することもあります。

爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)

爪が先端から徐々に()がれて浮き上がることで、爪が白く見えるようになる病気です。指の爪に発症することが多いですが、足の爪に引き起こされることもあり、接触皮膚炎()やカンジダ感染症、乾癬(かんせん)などの病気が発症の引き金となります。痛みやかゆみなどの症状は伴いませんが、進行すると爪が脱落することもあります。

爪甲層状分裂症(そうこうそうじょうぶんれつしょう)

いわゆる二枚爪と呼ばれるもので、爪の表面が先端部分から徐々にはがれる病気のことです。サイズの合わない靴などによる慢性的な外力、長期間にわたるネイルなどが原因となることが多く、貧血や栄養不足などによって引き起こされることも少なくありません。

爪が先端から薄い層状に剥がれることで爪が濁って白く見えることがあります。通常は、痛みなどを伴わないことが特徴です。

爪甲縦条(そうこうじゅうじょう)

爪に縦の筋ができる病気です。筋ができた周囲の爪は白く濁るため、進行して筋が多くなると爪全体が白く見えるようになることがあります。主な原因は、空気の乾燥や加齢による爪の水分含有量の低下やタンパク質・亜鉛をはじめとした栄養素の不足で、痛みやかゆみなどの症状はありません。しかし、筋が入ったところを中心に爪が脆くなることもあるため、強い外力などは避けることが必要です。

爪床部(そうしょうぶ)腫瘍(しゅよう)

爪の直下の皮膚(ひふ)(爪床部)に発生する腫瘍()ですが、悪性・良性ともにさまざまなタイプがあります。中には、爪床部に形成されたしこりによって爪が浮き上がり、白く変色することがあります。

足の爪の白い変色は、爪や足指以外に生じる病気によって引き起こされることもあります。原因となる主な病気は以下の通りです。

貧血

血中のヘモグロビンが減少することによって発症する病気です。ヘモグロビンは赤い色素を有するため、貧血を発症すると爪床から透けて見える皮膚(ひふ)の色が薄くなり、爪が白っぽく見えることがあります。

また、貧血の中でも鉄分が不足することによって生じる鉄欠乏性貧血は、爪の中心部がくぼむスプーン爪を現すことがあり、くぼみが生じた部分を中心に爪が白く見えることがあります。

貧血
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栄養不良、脱水症

爪はタンパク質をはじめとしたさまざまな成分で形成されています。栄養不良や脱水状態が続くと、爪が脆くなって爪甲縦条や爪甲層状分裂症などを引き起こすことがあります。

通常の生活を送っていれば栄養不良に陥ることはまずありませんが、胃腸炎やがんなどによる栄養吸収障害、神経性食思不振症などによる栄養分の極端な摂取不足などによって栄養不良が引き起こされる可能性があります。

足の爪は目が行き届きにくい部位であり、強い痛みや際立った変形などの症状がある場合を除いて、白い変色がみられたからといって病院を受診する人は少ないでしょう。しかし、中には思わぬ病気が潜んでいることもあるため、注意すべき症状でもあります。

特に、爪の変形や脱落などがみられる場合、痛みやかゆみなどを伴う場合、めまい動悸(どうき)など全身症状がある場合は、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。

受診に適した診療科は皮膚(ひふ)科や整形外科ですが、何らかの全身症状がある場合はかかりつけの内科などで相談するのもよいでしょう。受診の際には、いつから爪が白くなったのか、白くなった誘因、随伴する症状、現在罹患(りかん)している病気などを詳しく医師に伝えることがポイントです。

足の爪が白くなる原因は、日常生活上の習慣のこともあります。原因となる主な習慣とそれぞれの対処法は以下の通りです。

爪には多くの成分が含まれており、乾燥して水分含有量が低下すると(もろ)くなって白く見えるようになることがあります。特に、夏場などサンダルで足の指が露出しやすい時期にみられやすい症状です。

足の爪の潤いを維持するには

サンダルやミュールを履く時期には、日焼け止めや保湿効果のあるクリームを足の爪にも塗り、紫外線や乾燥によるダメージを避けるようにしましょう。また、こまめに水分を補給して脱水気味にならないよう気をつけることも大切です。

サイズが合わない靴や先端が尖ったハイヒールなどを長時間着用すると、足の爪に負担がかかり、爪甲層状分裂症(そうこうそうじょうぶんれつしょう)などを引き起こすことがあります。

足に負担がない靴とは

普段から足の爪に負担がかからないよう、先端部に十分なゆとりがあり、ヒールが高すぎない靴を選ぶようにしましょう。また、長時間の歩行・立位が予想されるときには、ヒールがなくサイズが合った靴を着用しましょう。

足は靴や靴下などに密閉される時間が長いため、汗が蒸れやすく不潔になりやすい部位です。このため、白癬(はくせんきん)やカンジダなどが繁殖しやすく、爪を白くする原因になることがあります。

足を清潔に保つには

靴や靴下は通気性がよく、吸水性能があるものを選びましょう。また、こまめに靴を脱いで蒸れを防ぐなどの対策も効果が期待できます。

日常生活上の対処法を講じても症状がよくならない場合は、思わぬ病気が原因のこともあります。軽く考えず、早めにそれぞれの症状に合わせた診療科を受診するようにしましょう。