新型コロナウイルス感染症特設サイトはこちら

足の爪が割れる:医師が考える原因と対処法|症状辞典

足の爪が割れる

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 痛み、出血がある
  • 爪と肉が接している部分まで割れている
  • 爪が薄くなっている、少しの刺激で割れることを繰り返している

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • ケガなどによるもので、カットできる部分のみの割れで他の症状がない

聖マリアンナ医科大学皮膚科 教授

門野 岳史 先生【監修】

爪の主成分はたんぱく質の一種であるケラチンであり、皮膚(ひふ)や粘膜よりもはるかに固く強度のある形状となっています。足の指には歩行や立位などの日常動作によって非常に多くの外力がかかり、足の指の腹側から加わった外力を押し戻して吸収しているのが足の爪です。つまり、足の爪があることで、日常動作が円滑に行えるようになっているのです。

一方で、足の爪にはさまざまな外力がかかりやすいため、思わぬトラブルを生じることがあります。

  • 思い当たる外傷がないのに、足の爪が縦に割れた
  • 些細な外力で足の爪が割れやすくなった
  • 爪が肥厚(ひこう)し、先端がボロボロと割れる

このような、足の爪が割れる症状が見られる場合、原因としてどのようなものが考えられるでしょうか。

足の爪には日常的に多くの外力がかかっているため、健康な人であっても転倒や足の指の打撲などによって物理的に割れてしまうことがあります。しかし、以下のような病気が原因で足の爪が割れやすくなることがあるので注意が必要です。

足の爪は、以下のような足の爪や爪の周囲に生じる病気によって割れることがあります。

爪甲縦裂症(そうこうじゅうれつしょう)

爪が先端から根元に向かって縦に割れる病気です。原因はさまざまで、栄養不足や乾癬(かんせん)などの皮膚(ひふ)疾患、有機溶剤やアルコール消毒の多用などが挙げられます。

また、爪が割れるだけでなく、割れた部位から細菌感染を生じて痛みや発赤、腫れなどの症状が引き起こされることも少なくありません。

爪白癬(つめはくせん)

爪にカビの一種である白癬菌(はくせんきん)が感染することによって生じる病気です。爪の主成分であるケラチンが白癬菌によって分解されるため、爪が(もろ)くなって些細な刺激で割れやすくなります。また、爪は肥厚(ひこう)したように変形して先端部分からボロボロと崩れるようになり、最終的に爪が脱落してしまうこともあります。

皮膚がん

皮膚に発生するがんですが、爪の下の結合組織(爪床(そうしょう))や爪の付け根にがんが発生すると、爪の変形や割れ、脱落などを引き起こすことがあります。爪にできる代表的ながん悪性黒色腫ですが、これらの症状以外にも爪の黒い変色が見られ、進行すると変色部位が爪の外側の皮膚にまで拡大したり、しこりを形成したりするのが特徴です。

皮膚がん
関連記事数: 0記事

足の爪は、以下のような爪やその周辺以外の部位に生じる病気によって脆弱(ぜいじゃく)化し、割れやすくなることがあります。

低栄養

爪の主成分はたんぱく質であり、正常な形成のためにはカルシウムやビタミンなどの栄養素も必要になります。このため、爪の生成に必要な栄養素が不足すると、正常な形成が行われず、爪が(もろ)くなって先端部位から割れやすくなることがあります。

通常の生活を送っていれば栄養不足になることはほとんどありません。しかし、うつ病神経性食思不振症(しんけいせいしょくしふしんしょう)などの精神的な病気による摂食量の減少や、がん腸炎など栄養の吸収が低下しやすい病気を発症すると低栄養に陥ることがあります。

栄養失調
関連記事数: 0記事

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血の代表的な身体症状として「スプーン爪」が挙げられます。スプーン爪とは、鉄分の不足によって爪が正常に形成されなくなって脆弱化し、歩行時などの慢性的な外力によって反り返った状態となった爪のことです。

スプーン爪では、爪が脆弱化している上に変形によってダメージが加わりやすい状態になっており、些細な刺激で爪が割れることがあります。

鉄欠乏性貧血
関連記事数: 6記事

足の爪はさまざまな外力によってダメージを受けやすい部位ですが、割れやすい場合は何らかの病気が潜んでいる可能性があります。早急に治療を開始しなければならない場合もあるため、軽く考えずになるべく早めに病院を受診するようにしましょう。

特に、強い痛みや出血を伴う場合、爪や周囲にできたしこりが徐々に大きくなる場合、爪の変色や変形などの症状を伴う場合、めまい動悸(どうき)などの全身症状がある場合は注意が必要です。

受診に適した診療科は、整形外科や皮膚(ひふ)科です。何らかの皮膚症状がある場合には皮膚科、爪の変形を伴う場合や外傷が原因の場合には整形外科を受診するとよいでしょう。また、全身症状が見られる場合には、かかりつけの内科などで相談するのも一つの方法です。

受診の際には、いつから爪が割れやすくなったのか、思い当たる外傷や随伴症状の有無などを詳しく医師に説明するようにしましょう。

足の爪は日常生活上の好ましくない習慣が原因で割れてしまうことがあります。主な原因となる習慣とそれぞれの対処法は以下の通りです。

足は蒸れやすい部位ですが、夏場などサンダルを履く機会が多くなると爪が乾燥しやすくなることがあります。爪には適度な水分が保持されていますが、乾燥することで脆弱(ぜいじゃく)化し、先端部位が割れやすくなることがあります。

爪に潤いを保つには

爪の水分量を保持するには、入浴後などに保湿効果のあるハンドクリームなどを爪に塗り込むのがおすすめです。爪の表面の構造は皮膚(ひふ)と似ているため、手や足の保湿用製品を爪に使用するのが有用とされています。

先端が尖っている靴やヒールの高い靴は、母趾(ぼし)をはじめ、多くの部位の爪に過度な負担を与えます。その結果、爪が物理的に割れてしまうことがあるのです。

サイズの合う靴を選ぶには

靴を選ぶ際には、足の大きさだけでなく幅も合ったものを選ぶようにしましょう。特に足の指が過度に押し付けられるようなものは避け、先端もゆったりしたものを選ぶとよいです。また、ヒールの高い靴は長時間の歩行・立位時には避けた方が無難です。

日常生活上の対処法を講じても、足の爪が割れやすい場合は思わぬ病気が原因になっていることがあります。それぞれの症状にあった診療科を早めに受診し、適切な治療を受けるようにしましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。