足の爪が痛い:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

足の爪が痛い

メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】

爪はケラチンと呼ばれるタンパク質が主成分であり、固く強度のある形状を保っています。このため、爪は日常的な動作による外力から足の指を守り、円滑な歩行・立位などを可能にしています。

足の爪は非常に外力がかかりやすい部位であるため、さまざまなトラブルが引き起こされる可能性があります。特に、痛みは発生頻度の高い症状であり、原因は多岐に渡ります。

  • 足の爪の周囲の皮膚()が赤く()れて痛みを生じる
  • 爪が分厚くなり、靴などに当たると痛みが生じる
  • 新調した靴を長時間履くと爪が痛くなり、靴下などに血が付くことがある

このような症状がみられた場合、原因としてどのようなものが考えられるのでしょうか。

爪の痛みは日常生活上の習慣によって引き起こされることがあります。主な原因となる習慣とそれぞれの対処法には以下のようなものが挙げられます。

先端が尖っていたり、ヒールが高かったりする靴などは、サイズが合っていないと足の指や爪に過度な負担がかかって痛みの原因になることがあります。また、痛みだけでなく、爪が隣の足の指の皮膚()を傷つけて出血などを伴うこともあります。

爪に負担がかからない靴を選ぶには

爪への負担を最小限に抑えるためには、正しく合ったサイズの靴を選ぶのはもちろんのこと、足先が広く、履いたときに足の指同士が密着しすぎないものを選ぶようにしましょう。また、長時間歩行するときにはヒールの高い靴を避けることも大切です。

足は汗をかきやすい部位であるうえに、靴下やストッキング、靴などによって蒸れやすいため、細菌が繁殖しやすい環境にあります。また、足の指は多くの外力がかかることで、小傷などができやすく、傷に細菌が感染すると炎症を引き起こして痛みの原因となることがあります。特に足が不衛生な人は、細菌感染を生じるリスクが高くなります。

足を清潔に保つには

足は汗や蒸れによって不潔になりやすい部位ですが、綿素材などの通気性のよい靴下を着用し、靴は通気性がよく足への過度な密着がないものを選ぶようにしましょう。また、汗をかきやすい時期には制汗剤を使用したり、こまめに靴を脱いだりして足の蒸れを予防することもおすすめです。

日常生活上の習慣を改善しても爪の痛みが改善しない場合は思わぬ病気が原因の可能性もあります。早めの治療が必要な病気もあるため、なるべく早めに病院を受診して治療を受けるようにしましょう。

足の爪は外力がかかりやすいため、痛みなどのトラブルが生じやすい部位です。しかし、足の爪の痛みは以下のような病気によって引き起こされていることもあるため、注意すべき症状でもあります。

足の爪の痛みは、爪自体に生じる以下のような病気が原因のことがあります。

爪白癬(つめはくせん)

白癬と呼ばれるカビの一種が爪に感染することで発症する病気です。一般的には爪水虫と呼ばれており、中高年以降の男性に起こりやすいです。無症状のこともありますが、進行すると爪が白く濁ったり、分厚く肥厚(ひこう)したりすることで痛みを生じるようになります。また、爪自体が脆弱(ぜいじゃく)化するため割れやすく、指先に傷ができて細菌感染などを引き起こすことも少なくありません。また、足の指と指の間にも白癬が同時に感染し、かゆみを伴う水疱(すいほう)の形成がみられることもあります。

爪甲(そうこう)縦裂症

爪が先端から根元に向けて割れる病気です。原因は、爪の成分の異常や爪の根元の腫瘍(しゅよう)などが考えられます。爪が割れることによって、歩行時などに爪床(そうしょう)(爪の下の皮膚)に過剰な外力が加わり、痛みを生じることがあります。

陥入爪(かんにゅうそう)

爪先端の外側が周辺皮膚に食い込むように成長し、炎症を引き起こす病気です。症状は陥入の程度によって異なりますが、痛みや腫れ、発赤などを引き起こし、細菌感染が生じると症状が増強して足全体の腫れや発熱の原因になることもあります。

陥入爪
関連記事数: 0記事

グロームス腫瘍

爪床や爪の付け根に発生する良性腫瘍の一種で、爪の変形や痛みを引き起こす病気です。痛みは寒い時期に増強することが特徴で、根本的な治療は手術による腫瘍の切除が必要になります。

爪部悪性腫瘍

爪にできるがんのことで、代表的なものでは悪性黒色腫有棘(ゆうきょく)細胞がんなどが挙げられます。いずれも早期の段階では爪の変色や軽度な変形などがみられるのみです。しかし、進行すると爪が浮き上がって脱落したり、痛みを引き起こしたりするようになります。特に悪性黒色腫では、爪の黒い変色部位が爪の外まで広がっていくことが特徴で、些細な刺激で出血や細菌感染を起こしやすくなります。

以下のような爪周囲の病気による痛みが爪に放散し、爪の痛みとして自覚されることがあります。

爪周囲炎

爪を取り囲む皮膚に細菌感染が生じて炎症を引き起こす病気です。ささくれや深爪などが原因になることが多く、炎症が生じた部位は赤く()れて痛みを伴い、内部に溜まった(うみ)が流出することもあります。また、悪化すると非常に強い痛みが生じて、ひょう()を引き起こすこともあります。

足の指への外傷

足の指は爪だけでなく、骨にも外力が加わりやすいため打撲骨折などを生じることがあります。特に、足の指の先端の末節骨は爪のほぼ真下に位置するため、末節骨に骨折や骨膜炎などが生じると、腫れや熱感などとともに爪の痛みとして自覚されることもあります。

外傷
関連記事数: 5記事

足の爪の痛みは日常的によく起こりうる症状であるため、軽く考えられがちです。しかし、中には腫瘍()や非常に重度な炎症など、早急に治療が必要な病気が潜んでいることもあります。

特に、爪の変形や変色を伴う痛みがある場合、爪の下や周囲に徐々に大きくなるしこりがある場合、非常に強い痛みで歩行が困難な場合や()の流出・出血を伴うような場合は、なるべく早めに病院を受診するようにしましょう。

受診に適した診療科は皮膚()科や整形外科です。爪周囲の皮膚に異常がみられる場合は皮膚科、外傷陥入爪()に伴う痛みの場合は整形外科がよいでしょう。受診の際には、いつから痛みがあるのか、痛みが生じたきっかけや痛み以外の随伴症状などを詳しく医師に説明することが大切です。

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 爪の剥がれ、割れ、変色がある
  • 足の指に腫れ、赤み、皮膚の異常がある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 短時間でよくなり、その後繰り返さない
原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。