頭が回らない:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
頭が常にぼーっとする状態や、集中力や判断力が鈍っているような状態を頭が回らないと表現することがあります。年齢にしたがって、若い頃ほど頭が回らなくなったなと感じたことのある人は少なくないでしょう。しかし、場合によってはそのまま放置しておかないほうが良いこともあります。
このような症状があるとき、考えられる原因にはどのようなことがあるのでしょうか。
一時的な体調不良で頭が回らなくなるというのも確かにあることです。しかし、明らかな異常がないのに頭の回らなさが続く場合、次のような病気が原因となっている可能性もあります。
過度の心身へのストレスなどによって自律神経が乱れ、心と体に不調があらわれる状態です。頭が回らなくなるだけではなく、不安、緊張、気分の落ち込みなどが多くみられます。
体の症状として、吐き気、だるさ、肩こり、頭痛、手足のしびれ、動悸、不眠、めまいなどを伴うこともあります。ただし、人によってあらわれる症状が大きく違うのも特徴です。
気分が落ち込み、喜びや好奇心をなくした状態が長期間続く状態です。誰でも落ち込むことはあるものですが、うつ病は時間がたっても気分が晴れず、強い抑うつ感が続きます。
集中力が続かず、イライラしたり涙もろくなるほか、食欲低下、性欲減退などが現れることも多くあります。
幻覚、妄想などを特徴とする病気で、主に10〜30代での発症が多いといわれています。意味をなさないことを話したり、まとまりのない行動をとることがあります。
社会性が低下し、感情の起伏が少なくなることも特徴です。後をつけられている、見張られているような被害妄想や、自分の心が他人に読まれているというような妄想が出ることもあります。また、はっきりとした症状が出る前に睡眠障害、集中力低下、ひきこもりなどが起きることもあります。
日常生活に支障が出るほどの倦怠感と疲労感が長期間に続く状態です。頭が回らなくなるほか、全身の疲れ、筋肉痛、睡眠障害などを伴います。症状が似ているため、うつ病や更年期障害などと思い込んでしまうケースもあるといわれています。
何らかの原因によって物事を認知する機能が障害されていると、いつもと反応が違ったり、考えがまとまらなかったりすることがあります。障害が重たければ、傾眠(起こしてもすぐ寝る)や昏睡(痛みを加えても反応しない)状態になることがあります。
原因は数多くあり、過度の飲酒、低血糖、高血糖、低酸素状態や一酸化炭素中毒、脳炎、肝不全や腎不全による脳症などがあります。
日時、場所、人が分からない、簡単な引き算ができなくなった、いつもと様子が違うようなときには、病院を受診しましょう。
頭が回らない状態が続き、ほかに体の症状や気になる症状がある場合には、一度受診を検討してみましょう。
病気によっては心療内科・精神神経科などが適切な場合もありますが、自分で判断をすることは難しい場合もありますので、まずはかかりやすい近くの病院やかかりつけなどで相談してみるとよいでしょう。
医師にはいつから頭が回らないのか、その他の症状はいつからどんなものが出ているのか、できるだけ詳しく伝えることがポイントです。
日常生活の中にも頭を回らなくする原因が潜んでいることがあります。
疲れやストレスによって、頭が回らなくなることもあります。一時的なものでもあり、疲労やストレスから回復すれば元の状態に戻ることが一般的です。
疲労は「休め」のサインでもあります。ストレス解消のためには、休暇をとって旅行をするなど、日常生活を忘れる体験をするのも大事です。熱中できる趣味など、気分転換の方法を持つのもよいでしょう。
睡眠不足も頭を回らなくする原因のひとつです。夜更かしが続くとどうしても日中ぼんやりしてしまうことがあります。
短時間でも昼寝をするなどし、足りない睡眠時間を補うようにしましょう。オフィスで昼寝が難しい場合は、しばらく目を閉じるだけでも多少効果があるといわれています。
できれば規則正しい生活を心がけ、十分な睡眠時間を確保したいところです。生活リズムの崩れから慢性的な寝不足にならないようにしましょう。
日常生活でできる対処法を試しても症状がよくならない場合には、一度病院で相談してみましょう。