頭痛:医師が考える原因と対処法|症状辞典

頭痛

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 強い打撲などきっかけがはっきりしており、強い痛みがある
  • 今まで経験したことのない激しい痛みがある
  • 手足のまひ、しゃべりにくいなどの症状がある
  • 意識がもうろうとしている
  • 目の充血、吐き気、視力が落ちているなどの症状がある

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 痛みが続いている
  • 額や頰が痛く、鼻づまり・鼻水がある
  • 顔の皮膚や頭皮に発疹(ほっしん)ができており、強い痛みがある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • もともと片頭痛や月経周期に伴う頭痛があり、なじみのある痛みである
  • 短時間でよくなり、その後繰り返さない

かもい脳神経クリニック 院長

小菊 実 先生【監修】

頭痛は風邪や疲れを通して経験する方が非常に多く、比較的身近な症状のうちのひとつです。しかし、頭痛で日常生活に支障が出たり、原因によっては命の危険にさらされたりすることもあるため、正しい知識を身につけて適切な対処をすることが大切です。

  • 経験したことのないくらい激しい頭痛が突然起こった
  • 数週間~1か月かけて徐々に頭痛が悪化した
  • 頭痛と一緒に吐き気もあってつらい
  • 転んで頭をぶつけた後、頭痛がひどくなった

このような症状が見られた場合、原因として考えられることにはどのようなものがあるでしょうか。

頭痛には、“一次性頭痛”と“二次性頭痛”があります。

“一次性頭痛”は、いわゆる片頭痛や緊張型頭痛など、つらい症状は起こるもののそれだけではすぐに命に関わるような病気はない頭痛のことです。

“二次性頭痛”は、何らかの病気が原因にあり、その症状のひとつとして現れている頭痛のことです。原因になる病気の中には、脳出血くも膜下出血などの脳血管障害や、髄膜炎・脳炎などの重大な病気も含まれているため注意が必要です。

吐き気や嘔吐、けいれん、めまい、様子がおかしい、しびれ、麻痺などの症状が激しい頭痛とともに現れている場合には一刻も早い受診が必要です。

頭痛の原因となる病気には、主に以下のようなものがあります。

二次性頭痛の中でも特に緊急度の高い病気には、以下のようなものがあります。

くも膜下出血

くも膜下出血とは脳の表面のくも膜という膜の下に出血が起こる病気です。多くは脳の血管にこぶ(動脈瘤)ができ、それが破裂することによって起こります。

くも膜下出血の痛みは強烈で、“バットで殴られた”、“これまでに経験したことない痛み”などと表現されることがあります。意識障害をきたすなど非常に重篤な病気ですので、突然“経験したことのないような頭痛”が生じた場合は、すぐに病院を受診するようにしましょう。

くも膜下出血
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脳出血

脳出血とは脳の中に出血が起こる病気です。高血圧動脈硬化がリスクといわれています。吐き気や片方の手足が動かないなど、ほかの症状を伴うことがあります。くも膜下出血ほど強くない頭痛のときも多く、頭痛に加えて、普段と様子がおかしいことがあれば、早期に受診を検討しましょう。

脳出血
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脳炎・髄膜炎

脳などの中枢神経に感染を起こす病気です。原因はウイルスや細菌が一般的です。

突然起こるというよりは数日など時間をかけて重症化しやすい病気で、首が痛いという方もいます。頭痛に加えて発熱や、普段と様子がおかしいなど意識障害を伴う場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

髄膜炎
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慢性硬膜下血腫(まんせいこうまくかけっしゅ)

慢性硬膜下血腫は、脳と硬膜とよばれる脳を包んでいる膜の間に血がたまり、頭痛や吐き気を引き起こす病気です。血がたまっている場所によっては麻痺やしびれ、けいれんなどの症状を伴うことがあります。

1〜3か月など、長い時間をかけてじわじわと血がたまっていくのが特徴で、きっかけはほんの軽い打撲などであることも多いといわれています。頭部打撲直後は無症状ですが、約1週間かけて症状が悪化するのが特徴です。血液をサラサラにする薬を飲んでいる、血管が脆くなっている高齢者などに特に多く、頭痛などの症状にも気付きにくいこともあるため、注意が必要な病気です。

脳腫瘍

脳腫瘍は頭蓋の内側に悪性、または良性の腫瘍ができる病気です。腫瘍が大きくなると周囲の正常脳を圧迫して頭痛や吐き気、嘔吐のほか、視力障害の症状が現れることがあります。

初期には症状が乏しいことも多く、また頭痛が現れたとしても比較的よくある症状のため見過ごされがちともいわれています。徐々に悪化する頭痛には注意が必要です。

脳腫瘍
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二次性頭痛のうち、上で述べた特に危ない病気以外には主に以下のようなものがあります。

発熱などに伴うもの

細菌やウイルスに感染したことによって発症する、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかると、発熱とともに急な頭痛が生じることがあります。

考えられる病気は多岐にわたりますが、高熱とともに頭痛が激しい場合や後頚部痛を伴うような場合には、早めに医療機関を受診したほうがよいでしょう。

急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)

急性副鼻腔炎は鼻の周りの骨で囲まれた空洞部分(副鼻腔)が細菌やウイルスに感染して炎症を起こす病気です。前頭部や頬を軽くトントンと叩くと痛みが増悪することがあります。発症すると粘り気のある黄色っぽい鼻水や痰が出たり、額や眉間に痛みを感じたりすることがあります。

急性緑内障発作(きゅうせいりょくないしょうほっさ)

急性緑内障発作は眼圧が急上昇し、急激な視力の低下や吐き気、頭痛や目の痛みなどを引き起こす状態を指します。

典型例では、発作時に結膜の充血や瞳孔(黒目の部分)が開いて見えることがあります。放っておくと視力障害を起こすため注意が必要です。今まで緑内障と言われたことのない方でも発症することがあります。

一次性頭痛の原因として分類される病気には、主に以下のようなものがあります。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、筋肉の緊張など心身のストレスが原因となって起こるといわれている慢性的な頭痛のことを指します。首から後頭部・側頭部にかけて広い範囲に締め付けられるような痛みが特徴で、頭痛のほか、めまいや目の疲れが出ることもあります。入浴により筋肉の緊張が和らぐと頭痛が軽減することが多いです。

緊張型頭痛
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片頭痛

片頭痛は脳の血管が急激に拡張して、頭が部分的に激しく痛む症状のことを指します。脈に合わせてズキンズキンと痛むのが特徴で、状況によっては吐き気などほかの症状をもよおすことがあります。また、視野が狭くなったり、目がチカチカしたりするなど発作を起こす前に前駆症状が見られることもあります。また、飲酒や入浴により頭痛が悪化することがあります。

ストレスや気圧などの気候条件が痛み発作の引き金として知られています。女性の場合には、生理前後に頭痛が起こることが多くみられます。

片頭痛
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激しい頭痛やしびれ・麻痺、けいれんなどが伴うような場合には、一刻も早く受診することはもちろんですが、それ以外でも“今まで感じたことがないような頭痛”を感じた場合にも必ず受診するようにしましょう。

また日頃から頭痛を感じることの多い人であっても、特に長引いていたり、普段と違って別の症状が伴なったりする場合にも一度受診を検討するようにしましょう。

原因によっては専門科目が異なる場合もありますが、頭痛を主な症状として受診する場合には脳神経外科がもっとも適しています。しかし、脳神経外科は総合病院などでなければ受診が難しいことも多いため、近くにない・すぐにかかることができないなどの場合には、まず近くの内科や、かかりつけの医療機関で相談してみるのもよいでしょう。

受診の際は突然発症の頭痛かどうか、頭痛の出始めた時期、痛む場所や頻度、痛み方、頭痛以外の症状、頭痛が出る前兆がある場合にはその点も併せて医師に伝えましょう。

頭痛は外部から見えない症状ですので、症状の伝え方が非常に重要になります。できる限り詳しく話せるよう、症状を記録しておくこともおすすめです。

頭痛は病気以外にも日常での行動・習慣が原因で引き起こされることがあります。

強いストレスで自律神経が乱れ、頭痛が起こることがあります。

ストレスの強いときには

適度な運動を取り入れたり、リラックスできる時間を過ごしたりすることでストレス解消に努めましょう。ストレスが強い場合は環境を変えることも有効です。

ストレスの解消方法は人によってさまざまですので、普段から自分なりの解消法を考えておくとよいでしょう。

長時間同じ姿勢で机に向かってパソコンを見つめ続けるなどしていると、筋肉に疲労がたまり、肩こりや眼精疲労を感じることがあります。

肩こりや目の疲労を感じたら

肩こりや眼精疲労は頭痛を引き起こす原因になることがあります。肩こりや眼精疲労が気になり始めたら、軽く肩や首の筋肉をのばすストレッチをするとよいでしょう。また、作業中に適宜休憩を入れることも大切です。

女性は月経前後のホルモンバランスの変化によって頭痛が起こることがあります。

ホルモンバランスの影響かなと思ったら

月経前後の期間は何事も無理をせず、ストレスをためないようにしましょう。月経前後の症状がつらく、日常生活に影響が出るようであれば婦人科で相談するのもひとつの方法です。

睡眠が不足すると自律神経が乱れ、頭痛を引き起こしやすくなります。

寝不足を感じたら

質のよい、十分な睡眠時間を確保できるよう、普段から夜更かしや長すぎる昼寝などはしないようにしましょう。寝る前のスマートフォンなどの使用もできれば控えたいものです。

また、寝過ぎることも頭痛を招く原因になりますので注意が必要です。

日常生活を見直しても症状に改善が見られない場合には、思いもよらぬ原因が潜んでいる場合も考えられます。症状が続く場合には無理をせずに医師に相談しましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。