インタビュー

脳ドックの費用はどれくらい? 施設によって異なるため、自分に合ったコースを

脳ドックの費用はどれくらい? 施設によって異なるため、自分に合ったコースを
桂 研一郎 先生

国際医療福祉大学医学部 医学教育統括センター教授 国際医療福祉大学三田病院 予防医学センター長...

桂 研一郎 先生

「脳ドックや人間ドックはお金がかかりそう……」そう思って、関心はあってもなかなか脳ドックを受ける勇気が出ない方も多いのではないでしょうか。脳ドックの費用は一概にいうことはできませんが、検査項目やコースによってはそれほど高くない金額で受けることも可能です。今回は脳ドックの費用について、脳ドックで検査できる項目も交え、国際医療福祉大学三田病院予防医学センター長・神経内科教授の桂研一郎先生にお話をお伺いしました。

脳ドックは自由診療

脳ドックは自由診療、つまり保険適応外です。
脳ドックなどの予防的な検査は、まだその人が病気であると診断される以前に行うものであるため、現在の日本の制度においては公的健康保険の適応外となってしまいます。つまり、脳ドックの費用は、補助金交付がない限り全額自己負担です。

なお日本脳ドック学会のガイドラインでは、「脳ドックをより多くの受診者に実施し同時に医療機関の経営の負担にならないように設定すべきである.したがって原則的に一般診療における社会保険診療報酬と同じ程度に設定するのが妥当であろう」と述べられています。ただし、人件費などについては個々の実施医療機関独自の判断で設定されます。また、同ガイドラインでは、脳ドックの質を確保するために、あまりに大きく料金を引き下げることは推奨していません。(日本脳ドック学会ガイドライン2003より)

脳ドックの具体的な費用は?

脳ドックとひと口にいっても様々な検査コースや検査項目があるため、費用を一概に述べることはできません。目安として、日本脳ドック学会事務局が2002年に実施したアンケート調査によれば、脳ドック料金の平均値は47500円でした。

ただし、検査項目は実施機関によって異なり、簡略化されているものであれば比較的安価ですむものも存在します。その代わり、安価なものは必須項目の頸動脈超音波を入れていない可能性があるなど、重要な検査を行っていない場合があるかもしれません。一方、オプションで追加できる検査を網羅したコースや、一泊二日などの宿泊を含むコースなどは、当然ながら費用が高くなります。
このように、病院ごとに検査項目は異なり、それに伴って費用も変わってきます。そのためご自身の体調にあったプランを、よく考慮して選択する必要があります。

なお、国際医療福祉大学三田病院の脳ドックの費用は、人間ドックと併せたコースで108000円です。平均と比較するとやや高いものの、このコースですと通常の人間ドックで行う項目に、脳ドックの項目を追加しているため、体の隅々まで詳しくチェックすることができます。
国際医療福祉大学三田病院 人間ドック・健康診断のメニュー

脳ドックでできる検査の内容

脳ドックでは、MRI、MRA、ファンクショナルMRI(言葉などを聞いて、脳のどの部分が活性化されるか画像で判断できる機能)など脳の画像検査・頸動脈超音波・血液検査・心電図・そして認知症のチェックなどが受けられます。認知機能の評価とトレーニングができるiPad用の新しいシステム、CADiも現在研究を進めている最中です。脳ドックの検査項目も進歩を続けており、将来的にはPETを用いた脳機能の検査も、もしかすると行われるかもしれません。

主な検査の詳細は以下のとおりです。

  • MRI

MRI検査によって、小さな脳梗塞や虚血病巣を早期発見することができます。

  • MRA

MRAとは磁気を利用して血管を3D画像として再現する検査です。血管の検査ですので、動脈硬化の進行度を測定したり、未破裂脳動脈瘤などを発見したりすることが可能となります。

  • 頸動脈超音波検査

脳にはいる直前の血管である頸動脈の動脈硬化、血管の閉塞、血管の狭窄状態を判別します。

  • 心電図

心房細動などの不整脈がある方の場合、血栓がつくられやすく、それが脳に到達すると脳梗塞を起こす可能性があります。このような突然の発症の危険性がないかどうかをチェックするために行われる検査です。

  • 血液検査

糖尿病や脂質異常などの動脈硬化を進行させる病気を調べるために行います。

  • 簡易認知機能検査

物忘れなどが病的な状態であるかどうかをチェックする検査です。

記事1:脳ドックとは。脳ドックで何が分かるの?
記事2:脳ドックの費用はどれくらい? 施設によって異なるため、自分に合ったコースを
記事3:脳卒中の予防のために。脳ドックの重要性