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インタビュー

公開日 : 2015 年 11 月 27 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

骨粗しょう症を予防するためには検診を受けることが大切です。50代女性でも骨粗しょう症の検診を受けたことがない方は半数近くに上るといいます。また、適切な治療を受けるためには病院での検査・診断が欠かせません。骨粗しょう症検診や、診断のために病院で行なう検査について、山王メディカルセンター・女性医療センター長の太田博明先生にお話をうかがいました。

骨粗しょう症検診

骨粗しょう症検診の主な内容は以下のふたつです。

  • 生活習慣や食事内容を書き込む問診表の提出 
  • 測定機器による骨量検査

検査の結果によっては栄養・運動指導を行い、より詳しい検査が必要な方には医療機関の受診をおすすめすることがあります。

図:骨粗しょう症検診における判定基準と危険因子(「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015版」より引用)

  • 検診はいつ受けたらいいか

女性では45歳くらいから骨量が低下し始めますので、閉経後は年に1回測定するとよいでしょう。1年間に3%以上の減少があるときには、医師の診察を受け、半年に1回ずつ測定をします。このとき治療を受けることもあります。骨量は20代から40代前半まであまり変化をしませんから、できればその間に一度測定をして若いときの骨量を知っておくと、骨量の貯えがわかり老年期になってから役に立ちます。

検診はどこで受けられる?

現在国が行っている公的な骨粗しょう症検診は、40歳〜70歳まで5年ごとの節目の年齢にあたる方を対象に実施しています。これらはいずれも保健センターや保健所、指定医療機関で受けることができます。お住まいの自治体で広報誌やインターネットを通じて実施のお知らせをしていることが多いので、チェックしてみましょう。また、健康関連のイベントなどで簡易な骨密度測定を実施することがありますので、利用してみることもよいでしょう。

どんな人が検診を受けるべきか

以下の条件に当てはまる方は骨折のリスクが高いといえます。年齢や男女の別を問わず、骨粗しょう症検診を受けておくとよいでしょう。

  1. 家族(血縁者)に太ももの骨を折ったことのある人がいる
  2. お酒を飲みすぎる
  3. タバコを吸う

骨粗しょう症の診断の流れ

図:原発性骨粗しょう症の診断手順(「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015版」より引用)

骨粗しょう症検診で精密検査が必要と判断された人は、上図のような流れで診察・検査を受けます。骨評価や骨密度測定の検査にはDXA(デキサ)法を中心にMD法やQUS法も用いられています。

DXA(dual-energy X-ray absorptiometry)法

DXA(デキサ)法とは、エネルギーの低い2種類のX線を使って測定する検査法で、骨量測定の標準方法として広く用いられています。骨粗しょう症の診断では、背骨の腰に近い部分(腰椎)と脚のつけ根(大腿骨近位部)の2つの部位を測定することが望ましいとされています。これらの部位で測定できない場合は、前腕部の手首に近いところの骨で測定しますが、腰椎や大腿骨近位部に比べると正確度が落ちます。

MD(microdensitometry)法

MD法はX線撮影撮影画像の濃淡などから骨密度を評価する方法で、第2中手骨(手の中指)を使います。手指のような末梢の骨で骨密度の低下が分かるには、発症から10〜15年ほどかかるため、診断を確定して治療を始めるのが遅れるという課題があります。

QUS(Quantitative Ultrasound)法

QUSは定量的超音波測定法といい、超音波が骨の中を通過する超音波伝播速度(speed of sound:SOS)と超音波が減衰する程度を示す超音波減衰率(broadband ultrasound attenuation:BUA)を測定して骨評価を行う方法です。QUSは骨折リスクを評価することはできても、骨密度との相関という点では、この検査のみで骨粗しょう症の診断をすることはできません。しかし人間ドックや検診の場では広く普及していることから、骨粗しょう症のスクリーニング(予備検査、代替検査)に用いられています。

X線(レントゲン)検査

胸椎や腰椎など主に背骨のX線撮影で骨折や変形の有無、骨粗しょう化の有無を確認します。ただし、骨折直後はX線では診断できず、CTやMRI検査を要します。骨粗しょう症と他の病気とを区別するためにも必要な検査です。

身長測定

40歳以上で身長が2cm以上縮んでいたら、脊椎圧迫骨折による脊柱後弯症の疑いが約50%あります。

血液検査、尿検査(骨代謝マーカー)

尿や血液を検査することで、骨の現在から将来の健康状態を調べることができます。これらの検査を骨代謝マーカーと言います。骨代謝マーカーには、骨を壊す破骨細胞の働きを調べる「骨吸収マーカー」と、新しく骨を作る骨芽細胞の働きを調べる「骨形成マーカー」があります。骨代謝マーカーの検査は、治療に使う薬を選ぶとき、そして薬剤の効果を確認するときに用います。

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