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骨粗しょう症の薬の種類と注意点
骨粗しょう症でいったんもろくなってしまった骨は元に戻らないのでしょうか。もちろん、若い時のような最大骨量(骨量のピーク)に戻ることはありませんが、骨密度を改善し、骨折のリスクを減らすためにさまざ...
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骨粗しょう症の薬の種類と注意点

公開日 2015 年 11 月 25 日 | 更新日 2018 年 04 月 12 日

骨粗しょう症の薬の種類と注意点
太田 博明 先生

山王メディカルセンター女性医療センター長、国際医療福祉大学教授

太田 博明 先生

骨粗しょう症でいったんもろくなってしまった骨は元に戻らないのでしょうか。もちろん、若い時のような最大骨量(骨量のピーク)に戻ることはありませんが、骨密度を改善し、骨折のリスクを減らすためにさまざまな薬が開発されています。山王メディカルセンター・女性医療センター長の太田博明先生に骨粗しょう症の治療薬についてお話をうかがいました。

骨粗しょう症の薬剤治療について

骨粗しょう症の治療に用いられる薬剤は、その働きによって以下の3種類に大きく分かれます

  • 骨吸収を少なくする薬(骨吸収抑制薬)
  • 骨形成を助ける薬(骨形成促進薬)
  • カルシウムの吸収量を増やす薬(骨・カルシウム代謝調整薬)

骨粗しょう症治療の主な薬剤

骨吸収を少なくする薬

  • カルシトニン薬
  • ビスホスホネート薬
  • 女性ホルモン薬
  • 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM:サーム)
  • デノスマブ(ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤)

骨形成を助ける薬

  • 副甲状腺ホルモン薬
  • ビタミンK2薬

カルシウムの吸収量を増やす薬

  • カルシウム薬
  • 活性型ビタミンD3薬

骨粗しょう症治療薬の使用上の注意点

カルシトニン薬

副作用として頬の紅潮、悪心などがあります。また、この薬は骨粗しょう症自体の治療効果ではなく、骨粗しょう症にともなう疼痛(痛み)を改善する目的で用います。

ビスホスホネート薬

副作用として食道潰瘍など胃腸障害がありますが、連日服用するタイプのものよりも週1回服用の方が頻度は少なくなります。また、一定の条件が重なるとまれに顎骨壊死(がっこつえし)が起こるとされますが、必ずしも抜歯治療の際にこの薬を休薬しなければ、ならないわけではありません。そのほか、長期間服用すると非定型大腿骨骨折のリスクが高くなるため、休薬も検討しながら使用します。

女性ホルモン薬

主な副作用は性器出血、乳房痛そして動静脈の血栓症です。女性ホルモンと関連が深い乳がんや子宮体がんにかかったことがある人は、この薬を使えない場合があります。

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM:サーム)

副作用として更年期症状のようなほてり感(ホットフラッシュ)、脚のけいれん(こむらがえり)があります。深部静脈血栓症、肺塞栓症(エコノミークラス症候群)、視力障害に注意します。

デノスマブ(ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤)

副作用としては低カルシウム血症、まれに顎骨壊死があります。

副甲状腺ホルモン薬

骨粗しょう症が進行して症状が重い場合に使用します。椎体骨折には非常に高い効果があります。副作用として悪心・嘔吐・頭痛・倦怠感などがあります。また、動物実験では長期服用で骨肉腫のリスクがあるため、服用期間は最大18ヵ月ないし24ヵ月までと定められています。

ビタミンK2薬

心血管系疾患などでワルファリンを服用している場合には、その効果がなくなるため使用できません。

カルシウム薬

副作用として便秘・胸焼けなど胃腸障害があります。高用量のサプリメントでは心血管系疾患のリスク増加、活性型ビタミンD3薬との併用に注意します。

活性型ビタミンD3薬

副作用として、高カルシウム血症による食欲不振、全身倦怠感。カルシウム薬との併用に注意します。

患者さん自身による薬の服薬中止の危険性

継続的に骨粗しょう症の治療を受けている方は少なく、途中でやめてしまう方が多数おられます。高齢の方の場合、古い骨が新しい骨に置き換わるのに長いサイクルが必要です。このため、骨粗しょう症治療薬はある程度長期間使い続けなければ骨密度向上の効果が十分に得られません。薬物治療は将来の骨折を予防するためにも必要であることをご理解いただくことが大切です。骨粗しょう症治療薬はその服薬の目的である骨折の防止効果が50%認められますが、最近の薬剤では70%以上の骨折防止効果が認められ、服薬していれば高い骨折防止効果が得られます。すでに骨折がある骨粗しょう症の方でも次の骨折防止が必要ですので、あきらめることはありません。薬の特性に合わせて休薬をする場合にも、必ず医師の判断に基づいて行なうことが必要です。

女性の一生を通したヘルスケアの充実と健康長寿をめざす女性医療全般を専門とする。その中でも閉経後やその一つの変化としての骨粗鬆症では日本の第一人者であり、日本骨粗鬆症学会前理事長で、骨粗鬆症にならないための指導や、病気にかかる前から検診を受ける、などの予防医療の重要性を説き、女性の生涯にわたる健康支援をモットーとしている。

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