編集部記事

骨密度の検査でみる骨粗しょう症のリスク。食事や運動、薬など骨密度を上げる方法は?

骨密度の検査でみる骨粗しょう症のリスク。食事や運動、薬など骨密度を上げる方法は?
[医師監修] メディカルノート編集部

[医師監修] メディカルノート編集部

骨密度とはその人の骨の強さを示した値で、骨密度が低下すると骨粗しょう症のリスクが高まることがわかっています。骨密度検査は指定医療機関や保健所などで受けることができますが、何よりも大切なことは、骨密度が低下する前から食事や運動などに意識を向け、強い骨を保つ生活習慣を整えることにあります。

今回は、骨密度が下がると骨粗しょう症になる理由から具体的な骨密度検査の方法、そして日常的な骨密度低下の予防法についてご紹介します。

骨密度とは、骨粗しょう症との関係は?

骨密度とは、定められた体積当たりの骨量(骨の硬さ)を表した数値です。カルシウムやマグネシウムなど、骨を構成するミネラルがその単位当たりに含まれている量を計算し、数字としてあらわすことで、その人の「骨の強さ」を示しています

一方骨粗しょう症とは、骨密度が下がって骨が脆くなり、骨折しやすくなるだけでなく、全身の不調を招き、ひどい場合には生命の危機につながることもある病気です。骨密度は緩やかに減少するので、骨粗しょう症の発症初期には自覚症状がほとんどないことが特徴です。骨粗しょう症が進行すると、転倒やくしゃみなどのごくわずかな衝撃で骨折することもあります

関連記事:「女性に多い「骨粗しょう症」−原因と誤解(板橋区大山)」

骨密度の検査と測定法。どのような検査がある?

骨密度測定の種類

●DXA(デキサ)法

DXA法

DXA法は、低エネルギーの2種類のX線を使って骨密度を測定する方法です。通常、測定時には腰の骨(腰椎)や太もものつけ根(大腿骨近位部)の骨密度を計測しますが、その他全身くまなく、ほとんどの部位の骨でも測ることができます。また、数ある骨密度測定の中でも精度が高いことがメリットです。

 

●超音波法

超音波法

かかとやすねの骨に超音波をあてて骨密度を測定します。DXA法よりも容易に検査できて小規模なクリニックでも取り入れやすいですが、精度としてはやや劣ります。

 

●MD(エムディ)法

MD法

X線を用いて手の骨とアルミニウム板とを同時に撮影し、骨とアルミニウムの濃度を比較して骨密度を測定します。

関連記事:「腰痛と骨粗しょう症の関係。脊椎の圧迫骨折で腰痛が起こる」

骨密度の検査の精度

上記のように、検査の種類によって精度が異なります。現状最も正確な検査はDXA法ですが、この検査ではごくわずかに放射線を浴びなければなりません。放射線に抵抗のある方に対しては、通常超音波法が用いられます。DXA法に比べて精度はやや劣りますが、ご自分の骨密度の状態を理解する目的であれば十分信頼できる検査です。

また、測定部位によっても精度に変化が生じます。たとえば腰の骨や太もものつけ根は比較的誤差が起こりにくく、かかとでは起こりやすいといわれます。

骨密度検査はどこで受ける?骨粗しょう症検診との関係は?

指定医療機関の病院(整形外科や内科など)、保健所などで受けられる

現在日本で行われている骨密度検査は、骨粗しょう症の検診として取り扱われているものです。骨粗しょう症検診は、40歳〜70歳まで5年ごとに実施されています。検査はいずれも保健センターや保健所、指定医療機関で受けることができます

参考記事:「骨粗しょう症の検査と診断」

骨密度の検査費用は?

実際の費用負担は医療保険の負担割合や使用機器、医療機関、検査での撮影部位によって異なります。DXA法や超音波法などであれば原則的には保険適用となり、3割負担の方は表示金額の3割です。

骨密度の検査の見方、基準値となるtスコアやyamの意味とは?

YAMとは 

YAM(Young Adult Mean)とは、20~44歳の健康な女性の骨密度を100%としたとき、自分の骨密度が何%であるかを比較した数値です。骨密度若年成人平均値といわれ、70%未満の場合に骨粗しょう症が疑われます。

参考記事:「骨粗しょう症の検査と診断」

Tスコアとは?成人若年者の平均値と比較した骨密度の数値

Tスコアとは、ご自分の測定値がYAM(骨密度若年成人平均値)に比べてどの程度骨密度が低いか、あるいは高いかを示した値です。たとえば-1.2の場合、若年成人平均値に比べて1.2低いということができます。

骨量測定結果の見方は、公益財団法人骨粗鬆症財団のHPからリーフレットがダウンロードできます。

公益財団法人骨粗鬆症財団

食事や運動で骨密度を上げて改善させることはできる?

骨密度を予防し、健康な骨を保つためにはカルシウム、ビタミンD、タンパク質が重要になります。また、これらの栄養素の吸収を助けるビタミンK、マグネシウム、亜鉛、カロテノイドなども積極的に取り入れましょう。

推奨される食品

  • カルシウムを多く含む食品:牛乳・乳製品・小魚・緑黄色野菜・大豆および大豆製品
  • ビタミンDを多く含む食品:魚類・きのこ類
  • ビタミンKを多く含む食品:納豆・緑黄色野菜
  • タンパク質を多く含む食品:肉・魚・卵・豆・牛乳・乳製品

骨密度は運動で改善できる?

散歩やスクワットが効果的

散歩は、体内の血液の循環を促進する効果があります。食事で骨密度の改善に効果的な栄養を十分に吸収するためにも、血流改善はぜひ意識しておきたいポイントです。散歩時間の目安は人によって異なりますが、例としては下記の目安が挙げられます。

100-自分の年齢=1日に最低限必要な歩く分数

例えば60歳の方であれば100-60=40で、1日に最低でも40分歩ければよいという計算です。

とはいえ時間よりも大切なのは、歩く機会を積極的に増やすことです。階段を使う、一駅ぶん歩くなど日常的な活動に一工夫加えるだけでも、かなり効果があります。日常生活動作の中に運動を取り入れてしまえば、自然に運動量を増やすことができます。

おすすめの筋肉トレーニング(筋トレ)は「スクワット」

筋肉は骨を支える重要な組織です。とはいえ、骨密度が下がってきたからといって今まで運動をあまりしていなかった方が突然負荷のかかる筋トレをしても逆効果になる可能性があります。

簡単で誰でもできて、なおかつ負荷がかかりすぎない筋トレとしてはスクワットが推奨されます。

スクワットのやり方

  • 足を肩幅に広げ、つま先を正面に向ける
  • ゆっくり腰を落とし、可能であれば太ももと床が平行の状態まで膝を曲げる
  • ゆっくりと姿勢を元に戻す(この際に膝は伸びきらない)

スクワットはゆっくり、反動をつけずに行いましょう。

また、膝を痛めている方や持病をお持ちの方は、スクワットで痛みが増すリスクが高いため、無理をせず医師に相談しましょう。

なお筋トレによって肉に付着した骨も刺激されるため、骨そのものを丈夫にする効果もあるといわれています。

関連記事:「歳をとる前に始める「骨粗しょう症」の予防と治療(板橋区大山)」

骨密度を上げる薬はある?

骨粗しょう症の治療目的で薬が用いられる場合がある

骨密度を上げる目的で薬が使われることはほとんどありませんが、骨粗しょう症と診断された場合には下記の薬剤を用いて薬物療法が行われることがあります。骨粗しょう症の薬は、骨吸収抑制薬、骨形成促進薬、骨・カルシウム代謝調整役の3種類があります。

1、骨吸収を少なくする薬(骨吸収抑制薬)

カルシトニン薬

ビスホスホネート薬

女性ホルモン薬

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM:サーム)

デノスマブ(ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤)

2、骨形成を助ける薬(骨形成促進薬)

副甲状腺ホルモン薬

ビタミンK2薬

3、カルシウムの吸収量を増やす薬(骨・カルシウム代謝調整薬)

カルシウム薬

活性型ビタミンD3薬

骨粗しょう症治療薬の使用上の注意点

カルシトニン薬

参考記事:「骨粗しょう症の薬の種類と注意点」

骨密度を健康に保つためには日々の生活での意識が重要!

骨密度はいったん低下すると元に戻りません。

骨密度を健康に保つためには、骨粗しょう症にならないうちから食事や運動に注意を心掛け、骨密度を落とさないための生活習慣を整えることが重要です。まだ若いから大丈夫だと思っている方も、偏った食事や運動不足の状態が続くと危険で、徐々に骨密度が低下していく可能性があります。日々の生活に意識を向けて、いつまでも健康な骨を保っていきましょう。