
全身性エリテマトーデス(SLE)の治療において、最も定番とされるのは副腎皮質ステロイドの服用です。この薬が登場したことによって全身性エリテマトーデス(SLE)の予後(経過)は飛躍的に改善し、患者さんを救う特効薬として長年使用されてきました。一方で、2015年より新たな全身性エリテマトーデス(SLE)の治療薬・ヒドロキシクロロキンも認可され、全身性エリテマトーデス(SLE)だけでなく膠原病治療全般の領域において注目を集めています。全身性エリテマトーデス(SLE)の治療について、ヒドロキシクロロキンの内容を中心に、和歌山県立医科大学皮膚科教授の古川福実先生にお話をお聞きしました。
副腎皮質ステロイドは、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療にとって欠かせない抗炎症薬です。副腎皮質ステロイドとは、腎臓上部に位置する副腎皮質から出ているホルモンを人工的につくったものをいいます。ステロイドは副作用の問題などもあり、敬遠されがちな薬のひとつですが、全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんにとってはなくてはならない薬といえます。患者さんの重症度によって服用量が異なるため、医師と相談して投薬量を決定します。
目安として、重症患者さんの場合は体重あたり1mgを使います。
ステロイドパルス療法とは、副腎皮質ステロイドを点滴で大量投入する治療法のことです。即効性があり、一度に大量のステロイドを注入できるため、重症度が非常に高い患者さんに対して適用されます。一般的には、3日間集中的にステロイドを点滴投与し、その後は経口服用に切り替えます。集中管理が必要となるため、ステロイドパルス療法を行うには入院が必要になります。
上記の副腎皮質ステロイドの効果が不十分である場合、もしくは副腎皮質ステロイドの副作用が強すぎて患者さんに苦痛をもたらしている場合は、免疫抑制薬を用います。具体的には以下の免疫抑制薬が代表的です。
世界的に使用されているヒドロキシクロロキンが、2015年より日本でも承認され、免疫あるいは炎症調節薬としてその効果が期待されています。
ヒドロキシクロロキンは、もとはマラリアの治療薬でした。しかし、全身性エリテマトーデス(SLE)や関節リウマチなどの膠原病にも効果があることが分かり、膠原病の治療領域においても用いられはじめています。ヒドロキシクロロキンは、多彩な皮膚症状や全身倦怠感など、全身症状の軽減に特に有効だといわれます。その他、疾患活動性増悪の防止(病状悪化の防止)、臓器障害軽減、血清脂質改善、血栓症の予防、生命予後の改善など、非常に多彩な効果が認められています。
なお、ヒドロキシクロロキンの副作用は非常に少ないことでも知られています。飲み始めに吐き気や下痢を訴える患者さんもいますが、ほとんどがすぐに消失します。
かつてヒドロキシクロロキンは高用量で使用されていたため、重大な副作用として視覚障害が問題となり、製造中止にまで至った過去を持ちます。しかし、低用量であればそのような副作用が生じる可能性が低いことが判明し、全身性エリテマトーデス(SLE)の治療薬として再び脚光を浴びるようになりました。
ただし副作用が少ないとはいえゼロになったわけではないため、定期的な眼症状のチェックが必要です。服用の際は、適宜主治医に相談してください。
抗リン脂質抗体症候群を合併しているときは、抗血小板薬などを使い、血栓を予防します。
高槻赤十字病院 名誉院長、同顧問/皮膚・形成外科センター長
周辺で全身性エリテマトーデスの実績がある医師
日本医科大学 大学院医学研究科アレルギー膠原病内科学分野 大学院教授 、日本医科大学付属病院 リウマチ・膠原病内科 部長、強皮症・筋炎先進医療センター センター長
内科、血液内科、リウマチ科、外科、東洋医学科、脳神経外科、呼吸器外科、消化器外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、整形外科、形成外科、美容外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、麻酔科、ペインクリニック科、乳腺外科、呼吸器内科、循環器内科、緩和ケア内科、消化器内科、肝臓内科、糖尿病内科、内分泌内科、代謝内科、膠原病内科、脳神経内科、老年内科、内分泌外科、放射線治療科、頭頸部外科、精神神経科、総合診療科、病理診断科
東京都文京区千駄木1丁目1-5
東京メトロ南北線「東大前」2番出口 徒歩5分、東京メトロ千代田線「千駄木」1番出口 徒歩7分、都営三田線「白山」A2、A3出口 徒歩10分、JR山手線「日暮里」東口より病院送迎車運行 バス
国立成育医療研究センター 腎臓・リウマチ・膠原病科 医員
内科、アレルギー科、血液内科、リウマチ科、外科、心療内科、精神科、神経内科、脳神経外科、腎臓内科、心臓血管外科、小児科、小児外科、整形外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、放射線科、歯科、矯正歯科、小児歯科、麻酔科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、免疫科
東京都世田谷区大蔵2丁目10-1
小田急線「成城学園前」南口 バスの利用も可能(所要時間約10分 小田急バス/東急バス 国立成育医療センター前下車 徒歩1分) 車5分、東急田園都市線「用賀」成城学園前駅行 国立成育医療センター前下車 徒歩1分 バス15分
明陽リウマチ膠原病クリニック 院長
内科、リウマチ科、腎臓内科
東京都杉並区西荻北2丁目2-17 西荻北エイフラッツビル2階
JR中央・総武線「西荻窪」 徒歩3分
関連の医療相談が10件あります
頬骨辺りの赤み
一昨日から両頬骨辺りに赤みが出ています。何かの病気では無いか心配です。
毎日夕方にドキドキします
ここ1、2ヶ月くらい、毎日夕方17時くらいになると、ドキドキして息切れします。動いていても、安静にしていても、決まってそのくらいの時間になるとなります。平日も休みの日も関係なく毎日なります。自宅にある血圧計で測ってみると、血圧はだいたい100/60くらいですが、脈拍が100〜120くらいです。 1時間ほどすると落ち着きますし、以前はたまにだったのですが、最近は毎日なので心配です。 どんな病気の可能性がありますでしょうか?
舌の出来物
2日ほどまえから舌の中央部にニキビのような小さな出来物があります。 痛みはなく、見た目は分かりません。 診察する場合は何かを受診すれば良いですか? また、診察の目安はどの程度の症状ですか?
時々、呼吸が止まります。
最近なのですが、気づくと呼吸が浅い、あるいは呼吸できてないということが頻発しています。 そして心拍数があがり、とても息苦しいのです。 睡眠時ならわかるのですが、起きている時にこんなことってあるのでしょうか? ちなみに私は既往症として全身性エリテマトーデス、全身性強皮症を患っております。 お手数ですがご回答お待ちしております。
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