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全身性エリテマトーデス(SLE)の代表的な症状「皮疹」について
全身性エリテマトーデス(SLE)を発症した際、代表的な症状として挙げられるのが「皮疹」です。特に蝶形紅斑という特徴的な皮疹はこの病気を発見するための重大なサインのひとつであり、皮疹をよく観察する...
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全身性エリテマトーデス(SLE)の代表的な症状「皮疹」について

公開日 2015 年 11 月 30 日 | 更新日 2018 年 10 月 22 日

全身性エリテマトーデス(SLE)の代表的な症状「皮疹」について
古川 福実 先生

高槻赤十字病院 病院長

古川 福実 先生

全身性エリテマトーデス(SLE)を発症した際、代表的な症状として挙げられるのが「皮疹」です。特に蝶形紅斑という特徴的な皮疹はこの病気を発見するための重大なサインのひとつであり、皮疹をよく観察することは患者さんにとっても医師にとっても非常に大切なことといえます。今回は、全身性エリテマトーデス(SLE)における皮疹について、和歌山県立医科大学皮膚科教授の古川福実先生にお話をお聞きしました。

全身性エリテマトーデス(SLE)にあらわれる皮疹の特徴とは?

皮疹は、発疹ともいい、皮膚に生じる疾患の総称をいいます。全身性エリテマトーデス(SLE)の場合、生じる皮疹のタイプも様々ですが、代表的なものは以下のとおりです。

  • 顔面紅斑(蝶形紅斑)
  • レイノー現象
  • 凍瘡性皮疹
  • 脱毛
  • 円板状疹
  • リベドー疹(網状皮斑)
  • 光線過敏症
  • 紫斑
  • 滲出性紅斑

※最も多く見られる「蝶形紅斑」とはどのような皮疹か

蝶形紅斑は、和歌山県立医大にいらっしゃる全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんのうち、約40%に見られます。鼻の根元から頬にかけて、蝶がその羽を広げるかのように皮疹が現れるためこの名がつけられました。なお、蝶形紅斑は全経過を通して70~80%の患者さんにみられますが、必ずしも初発症状(病気を発症して初めにあらわれる症状)というわけではありません。

※レイノー現象とは

突然冷たい刺激を受けることによって末梢の動脈が収縮し、血液の流れが妨げられてしまうことによって、手足の指の皮膚が蒼白状に変色してしまう現象のことをいいます。レイノー現象は全身性エリテマトーデス(SLE)に限った症状ではありませんが、和歌山県立医大では初診時におよそ10%の患者さんが訴えており、比較的頻度の高い症状だということができます。

全身性エリテマトーデス(SLE)の皮膚症状のひとつ・光線過敏症を少しでも和らげるためには

皮膚に紫外線を浴びると、TNF-αという物質が大量に遊離されてしまいます。このTNF-αは血液中を循環し、全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんに様々な症状を及ぼします。たとえば、TNF-αが関節に行けば関節痛がひどくなりますし、腎臓に回ってしまうと腎臓に障害が発生する可能性もあります。

このように、全身性エリテマトーデス(SLE)の患者さんは、紫外線をブロック(遮光)するのを忘れてしまうと症状が悪化してしまうことを心にとめておいてください。そのためにも、紫外線ブロック(遮光)を怠らないようにしましょう。

全身性エリテマトーデス(SLE)皮膚症状としての脱毛。全身性エリテマトーデス(SLE)の場合、再び毛髪は生えてくるのか

脱毛も全身性エリテマトーデス(SLE)における皮膚症状の大きな特徴です。全身性エリテマトーデス(SLE)で起こった脱毛の場合、治療に伴って毛髪も生えてくることが多いのですが、円板状エリテマトーデス(DLE)の患者さんで毛穴が破壊されてしまっている状態ですと、毛髪の復活は難しくなります。

『全身性エリテマトーデス(SLE)とは。全身の臓器に症状を及ぼす自己免疫疾患』で述べた通り、全身性エリテマトーデス(SLE)は20~40歳代の女性に多く発症するため、患者さんがパニックを起こさないよう、治療者はこの点を注意深く説明する必要があります。

全身性エリテマトーデス(SLE)の皮疹を細かく診ることで、その後の治療方針を明確にできる

これまで述べてきたように、全身性エリテマトーデス(SLE)では様々なタイプの皮疹が生じます。しかし、これらの皮疹を注意深く診察していくことが、その後の経過を予測することにつながっていきます。どのタイプの皮疹がその患者さんに出現しているかを判断することで、薬の投与の段階や量、減薬のタイミングなどを見極めることが可能になります。皮疹は全身性エリテマトーデス(SLE)の代表的な症状であり、治療方針を決定するためのサインでもあるのです。

皮疹のタイプと臓器の重症度は相関しない。少しでもおかしいと思ったら早期受診を

皮疹の症状とその他の全身症状は別物であり、皮疹がひどいからといって臓器障害がひどくなるということはできません。逆にいえば、皮疹があまり出ない患者さんでも臓器障害は重篤な場合があるということになります。

そのため、皮疹だけが症状として悪化しているのか、全身症状を伴っているのかを慎重に判断しなければなりません。ですから、皮疹が軽くなったからといって自己判断で治療を中断するようなことはやめましょう。医師の診断に従い、慎重に治療を行うことが大切です。

 

京都大学医学部を卒業後、同大学付属病院皮膚科・米国コロラド大学医学部皮膚科・浜松医科大学医学部皮膚科などを経て、1999年より和歌山県立医科大学皮膚科教授に就任。日本皮膚科学会の理事であり、特にアトピー性皮膚炎や全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとした膠原病の研究治療に関して著明な経歴を持つ。2011年より日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会理事長を務めるなど、学会活動も精力的に行っている。

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