院長インタビュー

循環器疾患を軸に地域医療に貢献する北関東循環器病院

循環器疾患を軸に地域医療に貢献する北関東循環器病院
市川 秀一 先生

医療法人北関東循環器病院 理事長/院長

市川 秀一 先生

目次
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医療法人 北関東循環器病院は1989年の開設以来、「循環器疾患を中心とした全人的医療、医学」を理念のひとつに掲げ、群馬県中央部の渋川市で北毛地区の地域医療を担ってきました。

北関東循環器病院の英語表記は「Cardiovascular Hospital of Central Japan」です。これは、所在地である渋川市が、かねてより「日本の真ん中、日本のへそ」と言われていることに由来し、「日本の循環器の中心拠点として、大きく成長していこう」という強い思いを込めて付けられた名称であります。

開設から30年以上、同院の医療や経営を牽引してきた理事長・病院長である市川秀一先生に、診療体制の特徴や地域医療への貢献について話を伺いました。

北関東循環器病院の外観
北関東循環器病院の外観

当院は循環器疾患の専門病院でありながら、整形外科や泌尿器科をはじめとした、循環器分野以外の診療科もそろえています。その背景には、循環器疾患に適切に対処するためには循環器だけを診るのではなく、患者さんの全身を診ることが必要だ、という思いがあります。

そうした思いから、当院では「循環器疾患を中心とした全人的医療」を理念のひとつに掲げています。

手術中の様子
手術中の様子

心筋梗塞狭心症を代表とする虚血性心疾患心不全不整脈心臓弁膜症、閉塞性動脈硬化症、大動脈瘤大動脈解離、また下肢静脈瘤など、循環器に関わるさまざまな全身疾患に対応しています。

2019年7月からは、日本心血管インターベンション治療学会の研修施設に新規認定され、さらに同じく日本心血管インターベンション治療学会認定の専門医による指導のもと専門的治療を行っております。

また、365日24時間体制で急患の患者さんの受け入れを随時行っております。

循環器科では血管に対するカテーテル治療のほかに、2019年5月より新たに不整脈に対するカテーテル治療も開始し、幅広い疾患をもつ患者さんに対応できる充実した診療体制の整備に尽力しています。

心臓血管外科では、人工透析を受ける患者さんのシャント造設手術も心臓血管外科で対応しています。

カテーテル手術室
カテーテル手術室

胸部や腹部の大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症など全身の血管の病気に対応するため、血管病センターを設けています。

日本心臓血管外科学会認定の心臓血管外科専門医を含めた所属医師が外来診察にあたるほか、超音波検査など、患者さんの体への負担が少ない検査機器を用いて血管病変の診断を行う「バスキューララボ」を備えています。

一般的な眼科疾患の診察のほか、白内障手術や硝子体手術などの手術を行っています。

硝子体手術は、一般的に黄斑前膜や網膜剥離糖尿病網膜症などの治療で行われる手術です。眼の中には硝子体という透明なゼリー状の組織があり、病変した硝子体を手術で切除した後、それぞれの疾患に応じた対処を行います。

このように循環器疾患の専門病院として、高血圧糖尿病などに併発する眼の病気にも内科の医師と連携して積極的に対応しています。

2019年4月から、より多くの人工透析が必要な患者さんに対応するため、泌尿器科を開設しました。これにより、以前より血液透析内科で実施していた血液透析に加えて、腹膜透析も可能な設備・体制を整えることができました。

また、人工透析を受けている患者さんは、合併症として心臓に酸素や栄養を送る冠動脈が詰まる虚血性心疾患を起こしやすくなります。このような合併症に関しても、循環器疾患の専門病院として各診療科と連携しながら対応し、人工透析を受ける患者さんの全身ケアの実践に努めています。

循環器疾患である下肢閉塞性動脈硬化症が疑われて来院される患者さんが、脊柱管狭窄症のような整形外科領域の疾患である場合があります。

当院の整形外科では、一般的な外科診療や救急搬送された患者さんを受け入れる傍ら、こうした循環器疾患が疑われたものの、診断の結果、脊柱や神経に関わる整形外科疾患であることが分かった患者さんの治療にも対応しています。

また、2015年からは骨粗鬆症外来を開設して、高齢者に多い骨折の要因のひとつである骨粗鬆症の治療や予防のための指導に力を入れています。

高齢化に伴って地域医療においては、循環器疾患の消化器疾患合併例、消化器疾患の循環器疾患合併例が多くみられます。そのため、たとえば心臓の病気を持つ患者さんが、消化器疾患を発症し手術を受けることになった場合、心臓病の管理と並行した治療方針を決める必要があります。

当院では、そうした患者さんの治療に関しても、消化器内科・外科の医師と循環器科・心臓血管外科の医師が連携して対応します。

2017年8月には障害者病棟を開設しました。この病棟では、人工呼吸器を装着している患者さんや自力で座っていられないなど体が不自由な患者さん、さらに意識障害のある患者さんや神経難病の患者さんの入院治療に対応しています。

そうした患者さんは、通常より長期間の入院治療が必要になることも多く、より手厚いケアが必要です。当院の障害者病棟では、寝たままの体制で入浴できる機械浴を導入するなど、設備の充実を図りながら、診療体制を整えています。

カンファレンスの様子
カンファレンスの様子

開院から30年余り、これまで一貫して循環器疾患の診療を行ってきましたが、2019年からは人工透析医療を充実させるために、泌尿器科を開設しました。今後は、地域医療の充実という側面からも、消化器分野の医療の充実化を図りたいと思っています。

開院当時からの施設も老朽化してきていることから、2016年12月には外来棟を新築し、今後は病棟も新築しようと考えています。循環器分野の診療体制もさらに強化させたいと考えています。

当院は、ようやく循環器分野を中心とした全人的医療を実現するための体制が整ってきたところだと思っています。今後も北毛地区をはじめ、群馬県全域の地域医療に貢献できるよう施設と設備の充実に努めます。

市川秀一先生

医師として専門性を追求することはもちろん大切ですが、基礎的な疾患を軽視してはいけません。まずは、患者さんの全身を総合的に診られる医師になってください。専門性を究めるのは、それからでも遅くはありません。

そして、患者さんを第一に考えた医療を提供する医師になってほしいと思います。

病気を治すためには、まずは正確な診断が大切です。なにか困ったことや不安に感じることがあれば、ぜひお気軽に受診してください。

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    市川 秀一 先生

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