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インフルエンザB型の症状の特徴――A型との違いはあるのか

インフルエンザB型の症状の特徴――A型との違いはあるのか
大曲 貴夫 先生

国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター センター長、AMR臨床リファレンスセンター ...

大曲 貴夫 先生

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この記事の最終更新は2019年12月04日です。

日本では冬から春にかけてインフルエンザの流行シーズンとなります。流行するインフルエンザにはA型とB型の2つの型があります。型の違いによる特徴でよく聞くものとして、「インフルエンザA型は症状が重く、B型は軽い」といったものがありますが、これは本当なのでしょうか。また、自分のインフルエンザがA型かB型かは、どのようにしてわかるのでしょうか。

インフルエンザB型の主な症状は急な高熱、頭痛、全身のだるさ、筋肉痛・関節痛などです。咳や鼻水といったかぜに似た症状も現れますが、通常のかぜに比べると熱や筋肉痛などの全身症状が強いのが特徴です。まれに、子どもではインフルエンザ脳症、高齢者では肺炎といった重い合併症を引き起こすこともあります。

インフルエンザは、A型であってもB型であっても基本的に症状は同じで、B型に特徴的な症状はないといわれています。そのため、症状だけでどちらの型のインフルエンザにかかっているかを判断することは難しいといえるでしょう。

インフルエンザB型とA型で症状に違いはありません。また、どちらか一方が重症化しやすい、ということも基本的にはありません。

インフルエンザの症状は、その人の基礎体力や持病の有無、インフルエンザウイルスに対する抗体の有無によって異なるため、感染するインフルエンザウイルスの種類そのものが症状の違いに影響することはありません。

最近の国内でのインフルエンザの流行の特徴としては、A型の割合がB型に比べて多く、A型のピークの後にB型が流行する傾向があります。その理由のひとつが、同じ型の中のより細かい分類である「亜型」の数の違いです。その年に流行するウイルスに対する抗体を持っている人が少ないほどインフルエンザが流行しやすく、症状も重症化しやすくなる傾向がありますが、A型はB形型比べて亜型の種類が多く、全ての型に対応する抗体を持っている人が多くないため、この傾向に当てはまりやすいといわれています。

しかし、2017年冬~2018年春にかけてのシーズンでは、A型とB型で流行の時期に差はなく、患者数でもB型の割合が多くなりました。この年は、例年とは異なる亜型のB型が流行し、全世代を通して抗体の保有率が低かったといわれています。

このように、流行するインフルエンザウイルスと抗体の保有状況によって流行の規模や症状の重さが異なるため、” A型であれば重く、B型であれば軽い”と決めつけることはできないといえるでしょう。

自分がかかったインフルエンザがA型なのかB型なのかを知るためには、病院で検査を受ける必要があります。基本的に症状に差はないため、症状のみで判断することは難しいと考えられます。

病院で受ける検査には、インフルエンザ迅速検査があります。この検査では、鼻の奥やのどの粘膜を綿棒で拭ってインフルエンザウイルスの有無や型を調べます。注意すべき点として、感染してから検査を受けるまでの時間が短すぎると、ウイルスの量が不十分で正しい結果が出ないことがあります。いつから症状が出始めたのかを医師に伝えたうえで検査のタイミングを相談するようにしましょう。

インフルエンザB型であってもA型であっても症状に差はなく、症状の出方や重症化のしやすさは人によって異なります。インフルエンザのような症状が現れた場合は、自己判断することなく適切なタイミングで医療機関を受診し、検査や治療を受けるようにしましょう。

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