検査・診断
大腸がんが疑われる際には、以下のような検査が行われます。
便潜血検査
便の中に血液が含まれているか調べる検査です。
大腸がんでは便に血液が混ざることがあります。この検査で大腸がんを簡易的に診断することができます。この検査は、検診などで広く行われていますが、痔など大腸がん以外の病気でも便に血液が混ざることがあり、早期の大腸がんでは陽性にならないことも多くあります。
大腸内視鏡検査
大腸内視鏡検査は、便潜血検査で陽性がみられ大腸がんが疑われる場合などに行う確定診断に必須の検査です。肛門から内視鏡を挿入し、大腸を詳しく観察します。病変がみつかれば、内視鏡を用いて組織を採取し、病理検査を行います。
ポリープなど小さな病変は、その場で切除して治療を行うことができます。ポリープの切除を行った場合は、治療の翌年に取り残しがないかを確認し、その後は2~3年に1回のペースで内視鏡検査を受けることが勧められます。
注腸X線検査
造影剤を肛門から大腸に注入して、大腸の形態を調べる検査です。
大腸の変形、狭窄、隆起、潰瘍などの病変の有無を確認します。この検査は造影剤によって描出される画像評価なので大腸がんの確定診断はできません。
注腸X線検査は、手術前に腸の形状やがんの広がりを見るために行うことがあります。狭窄が強く内視鏡が通りにくい場合に、狭窄部より口側を調べるために注腸X線検査を行うこともあります。
CT・MRI検査
大腸内の病変の広がり、リンパ節や他臓器への転移の有無を調べるためにCTやMRI検査を行います。特にMRIは、直腸がんの広がりや骨盤内リンパ節転移の状況を把握することが可能です。
腫瘍マーカー
大腸がんでは、がんから産生される“CEA”や“CA19-9”などの腫瘍マーカーが上昇することがあります。特に再発の診断では腫瘍マーカーの測定が重要です。
ただし、腫瘍マーカーは肝機能の異常や糖尿病などによっても高くなることがあるため注意が必要です。
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