症状
帯状疱疹の主な症状は皮膚症状と神経痛の2つですが、時に合併症もみられます。以下に皮膚症状と神経痛の代表的な合併症についてご紹介します。
皮膚症状
帯状疱疹では通常、体の左右どちらかに紅斑が帯状に広がり、その上に小さな水ぶくれが生じてきます(図1)。“帯状疱疹”という病名は、このような皮膚症状の特徴に由来しています。症状がよく現れる部位として肋間神経のある胸や背中が挙げられますが、顔、下腹部、腕、脚、お尻など体のどこにでも出現します。重症の場合には局所の皮疹に加え、全身に水痘のような発疹が生じることもあります。
帯状疱疹による発疹はピリピリ、チクチクするような痛みを伴います。そのため、発疹だけでは虫刺されやかぶれと鑑別が難しいケースでも、痛みの症状によって見分けがつくこともあります。水ぶくれには膿や血を含むことがあり、治癒とともにかさぶたになります。
図1帯状疱疹の臨床像(画像提供:浅田 秀夫先生)
神経痛
神経痛は急性期の痛みと帯状疱疹後神経痛に分けられます。急性期の痛みはしばしば発疹の出現よりも前から現れ、体の左右いずれかの皮膚にピリピリ、チクチクとした痛みを感じます。
帯状疱疹後神経痛は皮疹が治った後も数か月から数年にわたって続く頑固な痛みです。「焼けつくような」「電気が走るような」と表現される特徴的な痛みで、衣類がこすれたり、冷風が当たったりするだけでも強い痛みが引き起こされることがあります。症状には個人差があり、人によっては夜も眠れないほどの痛みが生じることもあります。帯状疱疹後神経痛は年齢が高くなるほどリスクが高くなります。
ハント症候群
耳周囲の帯状疱疹では、ハント症候群と呼ばれる合併症を引き起こすことがあります(図2)。ハント症候群では顔面神経麻痺(口をうまく閉じられず食べ物が口からこぼれる、目を閉じられないなど)のほか,難聴、めまい、味覚障害などの症状がみられます。
図2ハント症候群(画像提供:浅田 秀夫先生)
目の合併症
ひたいからまぶたや鼻にかけての帯状疱疹では結膜炎、角膜炎などの目の症状を引き起こすことがあります(図3)。重症化すると視力が低下するほか、ごくまれに失明に至ることもあります。
図3眼合併症(画像提供:浅田 秀夫先生)
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