インタビュー

白内障の治療

白内障の治療
赤星 隆幸 先生

三井記念病院 元眼科部長、日本橋白内障クリニック・秋葉原アイクリニック 委託執刀医

赤星 隆幸 先生

この記事の最終更新は2016年04月06日です。

白内障は、その原因が加齢によるところが大きいのですが、いくつになっても治療が可能です。目からの情報が入らないと認知症も進みやすく、うつ病にもなりやすいといわれています。日常生活も快適に送ることが困難になってしまうため、視力の回復をあきらめないでください。

眼科で白内障と診断されて、目薬を処方されている方は少なくありません。しかし、目薬はあくまでも進行予防のためであり、見えにくくなった状態を改善する効果はありません。目薬による治療には限界があるため、日常生活であまりにも不自由を感じていらっしゃるという場合は、手術による治療も選択肢にあることを知っていただきたいと思います。白内障は、目の水晶体が濁る病気だと申し上げましたが、水晶体の濁りを改善し、視力を回復させるには残念ながら手術しか方法がないのです。

手術後「本当によく見えるようになった」「世界が変わった」と多くの患者さんが非常に満足されています。目の手術は「こわい」とお感じになる方も多いのですが、今は従来のように長い入院は必要ありませんし、もちろん痛みもありません。ほとんどの方が、手術をしたその日にご自分で歩いてお帰りになります。もっと家事をテキパキこなしたい、自分で車の運転をしてゴルフに行きたい、まだまだ現役でバリバリ働きたいなど、歳を重ねてもアクティブに日常生活を送りたい方は、ぜひ手術もご検討いただくとよいでしょう。

白内障は昔からある病気で、その治療法の歴史は紀元前にまで遡ります。しかし手術の方法、かかる時間、患者さんの負担など、あらゆる点において最近の治療法は飛躍的に進歩しています。白内障の手術で何をするのか簡単に申し上げますと、古くなって濁った水晶体を取り除き、水晶体の代わりになるレンズと入れ替えるだけです。数分で終わってしまいます。

白内障は両目がほぼ同時に発症して進行していきますので、進行の程度の差こそあれ、両目の手術を受けるケースがほとんどです。ごくまれに片方の目だけに発症することもあり、片方の目だけ手術を行う方がいらっしゃいますが、その場合左右のバランスが極端に悪くなってしまう場合には、たとえ他眼の白内障が軽くても両眼の手術を考慮しなければなりません。バランスが整っていないと左・右でメガネの像の大きさが違ってしまい、それぞれの目で見えても両眼同時に見ることができるメガネがつくれません。いろいろと度数を変えてたくさんのメガネをつくっても、思うような視力が得られずに、結局もう片方の目も手術をする、ということになります。そうなると、治療のための時間やコストが余計にかかってしまうことになります。ですから、白内障の手術を行う際には左・右のバランスを考慮し、最善の方法を主治医とよく相談されたらよいでしょう。

 

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