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白内障とは 症状や治療方法について詳しく解説
白内障とは、目の一部である水晶体が濁り、徐々に視力が低下していく病気です。原因はさまざまですが、加齢によるものがもっとも多いといわれており、日本人の80歳以上の方の約70%から80%はある程度進...
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白内障とは 症状や治療方法について詳しく解説

公開日 2018 年 08 月 27 日 | 更新日 2018 年 10 月 01 日

白内障とは 症状や治療方法について詳しく解説
永原 幸 先生

国立国際医療研究センター病院 眼科診療科長

永原 幸 先生

目次

白内障とは、目の一部である水晶体が濁り、徐々に視力が低下していく病気です。原因はさまざまですが、加齢によるものがもっとも多いといわれており、日本人の80歳以上の方の約70%から80%はある程度進行した状態の白内障であることがわかっています。

今回は、白内障の症状や治療方法について、国立国際医療研究センター病院 眼科診療科長である永原幸先生にお話しを伺いました。

白内障とは

白内障とは、さまざまな原因で水晶体が濁る病気です。主に50歳代から80歳代までの幅広い年齢の方が発症し、男性よりも女性の方が白内障を発症する割合が高いといわれています。

眼球の構造
眼の構造

私たちは、角膜、水晶体を通った光が網膜面で結像することによって、物をみています。そのため、水晶体が濁ることによって光の通りが悪くなり物がかすんでみえるなどの症状が現れます。

白内障の原因

主な発症の原因は加齢によるものです。水晶体は主にたんぱく質と水でできています。しかし、加齢によって水晶体のたんぱく質が異常変質することで、白内障を発症します。加齢により発症する白内障は「加齢性白内障」といわれており、80歳以上の日本人のうち約70%から80%の方が日本白内障疫学研究班分類で程度2以上の白内障であることがわかっています。

白内障を発症するその他の原因は、先天的なもの、アトピー、薬剤、放射線、その他の目の病気と併発するといったものがあります。また、高血糖状態が原因で白内障を発症するケースもあり、糖尿病患者さんは通常の方と比較し約5倍、白内障を発症しやすいことがわかっています。

水晶体の構造と白内障の種類

水晶体は、次のような構造になっています。水晶体の周囲には前嚢(ぜんのう)後嚢(こうのう)という(のう)という薄い膜があり、一番中心の部分は水晶体のなかでもっとも密度の濃い核といわれる部分です。そして、嚢と水晶体の間の部分を皮質といいます。

白内障は水晶体のどの部分が濁っているかによって、いくつかの種類に分類することができます。大きく分けると

  • 前嚢下白内障
  • 皮質白内障
  • 核白内障
  • 後嚢下白内障

の4種類です。

前嚢下白内障
前嚢下白内障(提供:永原先生)
皮質白内障
皮質白内障(提供:永原先生)
核白内障
核白内障(提供:永原先生)
後嚢下白内障
後嚢下白内障(提供:永原先生)

加齢が原因で発症する白内障は、皮質が白く濁る皮質白内障や核の硬化する核白内障が進行していることが多いといわれています。また、それぞれが単独で生じることは少なく、複合していることが多いです。

白内障の症状

先にも述べたように、白内障になると物がかすんで二重にみえる、まぶしくみえるなどの症状が現れます。白内障は徐々に進行していくため、最初は「なんとなく目がかすむ」といった曖昧な自覚症状しかなく、視力が落ちていることに気がつかない患者さんもいます。しかし、進行すると水晶体全体が濁っていき失明することもあります。

白内障の症状と似ている病気

白内障の症状と似ている病気として、眼瞼けいれんがあります。眼瞼けいれんとは、眼輪筋(眼の周囲を囲む筋肉)が過度に収縮することにより、不随意的な閉瞼を起こす病気です。眼瞼けいれんの症状として、ものがまぶしくみえることがあり、白内障の症状と間違われることがあります。

白内障を診断するための検査

「目がかすむ」や「視力が落ちた気がする」、「像がまぶしくみえる」といった症状がある場合は、眼科で検査をする必要があります。白内障を診断するための検査では、主に以下の2つの検査を実施します。その他には、屈折の度合いを測定する屈折検査、眼底の血管を観察する眼底検査、角膜内皮細胞を観察する角膜内皮細胞検査などがあります。

通常、白内障の検査は痛みなどの身体的負担を伴わない非接触型の検査です。しかし、白内障の原因として緑内障を発症していることが疑われる場合は、正確な眼圧を測定するため麻酔を使用した目に直接触れながらの眼圧測定を行うことがあります。

視力検査

白内障により低下した視力は、メガネやコンタクトレンズ等で視力矯正をしても向上しません。そのため、裸眼での視力と視力矯正器具を付けた場合での視力を測定し、その差を比較します。両方の視力にあまり差が出ない場合は、白内障である可能性があります。

細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査

細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査とは、細隙灯という拡大鏡を使いながら、目に光をあてる検査です。水晶体の濁っている部分や濁りの度合いから白内障の有無、進行度を調べます。

白内障の治療方法

白内障の治療は、薬物療法、手術の2種類です。

白内障の薬物治療

初期の白内障の場合、薬物治療という選択肢があります。2018年時点では、白内障の薬物治療として化学的根拠が証明されている薬は点眼薬で、白内障の進行を遅らせる効果があります。

キノイドとたんぱく質の結合を抑制する点眼薬

水晶体のなかでアミノ酸代謝の経路に異常が起こるとキノイドという成分が生成されます。キノイドが水晶体の成分であるたんぱく質と結合すると水晶体が濁っていくため、キノイドとたんぱく質の結合を抑制するはたらきがある点眼薬を処方します。

グルタチオン(抗酸化作用)を補う点眼薬

水晶体のなかでグルタチオン(抗酸化作用)が減少することも白内障の原因の1つです。そのため、グルタチオンを補うための点眼薬も処方します。

点眼薬の合併症

白内障の点眼薬による治療の合併症としては、充血やアレルギー反応で目が痒くなるといったものが挙げられます。

点眼薬の付け忘れは、白内障を進行させる大きな原因です。毎日忘れずにつけることを心掛けてください。なお、薬物治療の目的はあくまでも水晶体の濁りを抑制することです。濁ってしまった水晶体を元の状態に戻すことはできません。

白内障の手術

水晶体の濁りの進行抑制が難しいと判断された患者さんや、日常生活に支障がでるほど白内障が進行している患者さんに対しては、手術を実施します。

白内障の手術は局所麻酔をかけて行います。まず、超音波で振動する吸引器を使いながら、嚢以外の水晶体の濁った部分を取り除く、水晶体超音波乳化吸引術を実施します。

水晶体超音波乳化吸収術のイメージ

水晶体超音波乳化吸引術のイメージ

その後、残した嚢のなかに人口のレンズを挿入する眼内レンズ挿入術を行う方法が一般的です。

眼内レンズのイメージ

眼内レンズ挿入術のイメージ

眼内レンズの種類も多様化

眼内レンズの多くは、アクリルやシリコーンなどの柔らかい素材でつくられています。また、近年では医療技術が発達し、さまざまな種類の眼内レンズが開発されています。たとえば、眼内レンズを挿入した際に青みがかってみえることを防止するための着色レンズや、正乱視を矯正するレンズなどがあります。主治医と相談しながら、適した眼内レンズを選択しましょう。

白内障手術の合併症

白内障手術の合併症のなかで、術後早期に現れる可能性のあるものとしては

  • 角膜浮腫
  • 虹彩炎
  • 眼圧上昇

などが挙げられます。軽度のものであれば、おおよそ1週間程度で治まります。その他には

  • 充血
  • 異物感

などもあります。

術後1年から2年程度経過すると、眼内レンズの後側にある後嚢が濁ってくる後発白内障を発症することがあります。後発白内障を発症すると、白内障と同様に視力が低下していきます。後発白内障は、後嚢をレーザーで切る治療で改善します。

後発白内障のイメージ

後発白内障のイメージ

白内障手術の非常に重い合併症は、細菌感染が原因の眼内炎です。適切な処置をしなかった場合、失明する危険性もあります。

術後は目を清潔に保つために、汚れた手で目をこすらないようにしてください。白内障の術後に違和感がある場合は、速やかに受診しましょう。

高齢化と共に白内障の手術を受ける患者さんは増加

高齢化が進む2018年現在、白内障はありふれた病気となり、白内障の手術を受ける患者さんも増加傾向にあります。そして、患者数増加と共に白内障手術の技術も進歩してきました。しかし、先に述べたように手術には合併症を発症するリスクもあります。白内障の手術を受ける際は、主治医とよくコミュニケーションをとり、手術内容についてしっかりと理解したうえで受けることをお勧めします。

白内障は早期に発見し治療をすることで、症状の進行を緩やかにできることがあります。最近目がかすむ、視力が落ちてきたと感じる方は、早めに眼科へいき検査を受けてみてください。

 

眼科の医師として、主に東京大学医学部附属病院で研鑽を積み、小児(未熟児)から高齢者まで難症例の手術治療に携わってきた。2015年より緑内障関連(細胞外マトリックス)の研究プロジェクトを進めているが、2018年からは活動拠点を国立国際医療研究センター病院に変えて業務を継続している。

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