院長インタビュー

診療の充実と職員教育によって、いかなるときもきめ細やかな医療を提供する山口県済生会下関総合病院

診療の充実と職員教育によって、いかなるときもきめ細やかな医療を提供する山口県済生会下関総合病院
津江 和成 先生

山口県済生会下関総合病院 院長

津江 和成 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年07月22日です。

山口県下関市に病院を構える山口県済生会下関総合病院は、地域医療の中核を担う病院です。同院は、診療内容や職員教育などを充実させ、救急時もそうでないときも地域の皆さんを支えることができる病院を目指しています。

地域の皆さんを支え、地域に貢献する同院の多様な取り組みについて、院長である津江和成先生にお話を伺いました。

山口県済生会下関総合病院 外観
山口県済生会下関総合病院 外観

当院は済生会病院のひとつとして、1924年に設立されました。済生会とは、経済的格差にかかわらず、いかなるときも地域の皆さんを医療と福祉によって救済することを使命とする組織です。

このような済生会の理念に基づき、当院は急性期の病気やけがに限らず、生活習慣病膠原病関節リウマチ認知症などの慢性期の病気にも対応できる診療体制を整えるため、増床や機能拡充などに取り組んできました。これらの実績が山口県から認められ、2011年に災害拠点病院の指定を受け、さらに地域医療支援病院として承認されました。また、2015年には、厚生労働省から地域がん診療連携拠点病院に指定されました。

地域の皆さんの医療ニーズは、多岐にわたります。それは、急性期の病気やけがをはじめ、生活習慣病膠原病関節リウマチ認知症などの慢性期の病気などさまざまです。

当院では、地域の皆さんの医療ニーズに可能な限り対応できるように、それぞれの診療科がさまざまな取り組みを行っています。

以下では、各診療科が行っている特徴的な取り組みについてご説明します。

山口県済生会下関総合病院 内観
山口県済生会下関総合病院 内観

呼吸器科では、呼吸器内科領域を中心に診療を行っています。呼吸器科が診療する呼吸器疾患は、肺がん呼吸器感染症肺炎COPD・気管支喘息アレルギー性肺疾患など、多岐にわたります。このような幅広い呼吸器疾患に対応できるように、常勤医の増員や地域連携パスの構築に尽力しています。

地域連携パスとは、患者さんを中心として、地域の医療機関やリハビリ施設などが患者さんの情報を共有し、地域全体で患者さんを支えるための仕組みです。地域連携パスでは、地域の医療機関の先生方と協力し、地域の皆さんの治療やリハビリを途切れさせることなく提供する体制を整えています。

山口県から地域周産期母子医療センターの指定を受けている当院は、NICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児集中治療室)とGCU(Growing Care Unit:継続保育室)を有する周産期母子医療センターを整備しています。そのため、合併症のある妊婦さんの出産や早産といったハイリスクな出産に対応可能です。

NICUの様子

NICUの様子

また産婦人科では、不妊治療に力を入れています。不妊治療に関する不安や悩みは、一人やご夫婦だけで抱え込んでしまってはいけません。当科では不妊相談掲示板を開設し、インターネット上で不妊治療に関する不安やお悩みなどにお答えしています。不妊相談掲示板は、当院で治療していない方でもご利用できます。主治医には直接質問しづらいことでも、匿名の掲示板の場合、質問しやすいと考えています。

不妊相談掲示板をご利用いただき、不安な気持ちが少しでも軽くなったり、悩んでいるのは自分だけではないことを知って安心したりしていただきたいと願っています。

当院は、地域小児救急医療拠点病院の認定施設として、輪番制で夜間や休日の救急診療に対応しています。小児科が扱う救急診療は、おもちゃの誤飲・熱性けいれん・アレルギーなど多岐にわたります。

小児科では、地域のかかりつけ医や下関市夜間急病診療所と連携し、当院では入院が必要となるような重症のお子さんを受け入れています。そのため、迅速かつ適切に診療できるよう、一人ひとりの職員が技術と知識を磨いています。

小児医療のニーズは、年々多様化しています。それら医療ニーズに対応するために、アレルギー・小児循環器・新生児などの専門知識を有する常勤医をそろえることによって、地域の基幹病院としての役割を担っています。

形成外科では、病気やけがなどで生じた見た目の変化を、手術によって改善することを目指しています。当科では、皮膚表面に現れる黒子(ほくろ)あざなどの皮膚軟部腫瘍に対する手術に注力しています。

皮膚軟部腫瘍は、適切な診断が難しい病気です。そのため、当科だけでなく、皮膚科や整形外科と協力し、それぞれの専門知識を活かして相談しながら診療にあたっています。

山口県済生会下関総合病院のスタッフたち

山口県済生会下関総合病院のスタッフたち

当院では、入職した看護師の皆さんが日々の看護業務を通して、知識や技術を向上させることができるよう、教育に積極的に取り組んでいます。その取り組みのひとつとして、認定看護師教育があります。看護部では、専門職としてキャリアアップできるシステムを構築し、認定看護師の資格取得を看護部全体でサポートしています。現在、日本看護協会認定の集中ケア認定看護師、透析看護認定看護師、救急看護認定看護師をはじめとする18種の認定看護師25名と認定看護管理者7名が在籍しています(2019年4月時点)。

当院では、専門知識を備えた看護師によるきめ細やかな看護を提供できるよう、これからも人材育成に力を入れてまいります。

当院では、地域の医療従事者の方々を対象に、地域医療支援研修会・緩和ケア研修会・緩和ケア講演会を実施しています。当院の職員に限らず、地域の医療従事者の方であれば、どなたでもご参加いただけます。

地域医療支援研修会で扱うテーマは、がん認知症・小児救急など多岐にわたります。これからも、さまざまな分野の研修会を実施し、地域の医療機関全体の医療レベルの向上に努めていきます。

津江先生

当院は、救急の対応が必要なときも、そうではないときも、地域の皆さんにきめ細やかな医療を提供してまいります。そして、下関市の医療の中核を担う病院として、地域の皆さんに医療で貢献していく存在でありたいと思っています。

そのために、診療内容および職員教育の充実を図り、さらに地域の医療従事者の方々とも技術と知識の向上に努め、地域全体で皆さんの生活をサポートしてまいります。

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