唇が腫れる:医師が考える原因と対処法|症状辞典
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どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
唇は角質層が薄いため、水分保持力が低く、紫外線や乾燥などさまざまな外的刺激のダメージを受けやすい部位です。そのため、何らかの刺激によって腫れを生じることが多いです。
また、唇表面から毛細血管を走行する真皮までの距離が短いため、炎症による色調の変化も目立ちやすくなります。
このような症状がみられた場合、原因として考えられるものにはどのようなものがあるのでしょうか。
唇の腫れの中には、何らかの病気が原因となって起こっているものがあります。主な原因は以下の通りです。
何らかのアレルゲンに晒されることによって生じるアレルギー反応が原因で唇の腫れが引き起こされることがあります。アレルギー反応が生じると、真皮内を走行する毛細血管が拡張して水分が血管外に漏れ出ることでむくみが引き起こされます。唇は表層から真皮までの距離が近いため、むくみが赤く腫れたように目立ちやすいことが特徴です。
中には、呼吸困難や血圧低下など、重度なアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。
唇に痛みを伴わないしこりが形成され、再発を繰り返す病気です。顔面神経麻痺や溝状舌を同時に発症することも少なくなく、Melkersson-Rosenthal症候群の一症状として現れることがあります。
全身のさまざまな器官に肉芽腫(炎症細胞の塊)ができる病気です。比較的若年の20~40歳によくみられます。 肺への病変が多いですが、唇に肉芽腫によるしこりを形成することがあります。しこりは痛みを伴うことが一般的で、進行すると病変部(病気による変化が起きている箇所)の変色がみられることもあります。
血管性浮腫とは、何らかの原因で皮膚が腫れることをいいます。蕁麻疹にも似ていますが、蕁麻疹が赤みやかゆみを伴い数時間で消失してしまうのに対し、血管性浮腫は赤みやかゆみがないことが一般的で、腫れが治まるまでに1~3日程度かかったり、しばしば症状を繰り返したりすることなどが特徴です。また、血管性浮腫と蕁麻疹が併発することもあります。
血管性浮腫には、治療薬の服用による薬剤性血管性浮腫やアレルギーによるアレルギー性血管性浮腫、寒さや日光など物理的な刺激による血管性浮腫などさまざまな種類があります。
さらに、頻度は低いものの先天性の遺伝子変異が原因で起こる遺伝性血管性浮腫(HAE)や自己抗体などが生じることによって起こる後天性血管性浮腫(AAE)などもあります。
唇の腫れは、日焼けや乾燥などによって日常的に生じうる症状のひとつです。特に思い当たる原因がある場合には、唇が腫れたからといって病院を受診する方は少ないでしょう。しかし、唇の腫れは何らかの病気によって引き起こされている場合もあります。唇の腫れ以外にも痛みなどの症状がある場合、唇以外の部位にも何らかの症状がある場合などは、早めに病院を受診することがすすめられます。
また、全身の蕁麻疹や呼吸困難、意識が朦朧とするような場合には早急に病院を受診しましょう。そこまで強い症状ではない場合であっても、腫れが続く、腫れを繰り返す、様子を見ていてもよくならないなどの場合には、血管性浮腫などの思わぬ病気が隠れている可能性があるため、一度最寄りの医療機関を受診しましょう。
受診する診療科は皮膚科がよいですが、全身にほかの症状がある場合は、内科やかかりつけの医師に相談することも1つの方法です。
また、受診した際には唇の腫れが生じた時期や期間、誘因、ほかの症状などを詳しく医師に伝えるようにしましょう。
唇は角質層が薄いため、さまざまなダメージを受けやすく、日常生活上の原因によって腫れが生じやすい部位です。唇の腫れを引き起こす日常生活上の原因には、以下のようなものが挙げられます。
唇は日焼けによって表皮が荒れるのはもちろんのこと、水分が奪われやすく、炎症を引き起こす原因になることがあります。
唇が日焼けして痛みがある場合は氷などでしっかりと冷やし、保湿効果のあるリップクリームなどでケアするようにしましょう。また、日焼け予防として、外出時には日焼け止めが含まれたリップクリームを塗ることがおすすめです。
唇は乾燥しやすく、乾燥によって表皮が荒れやすい部位です。また、悪化すると表皮にびらん(ただれ)や亀裂、出血などを伴うことも少なくありません。その結果、唇が全体的に荒れることがあります。
唇は角質層が薄いため、水分保持能が低く乾燥しやすい部位です。このため、リップクリームや唇専用のローションなどで適度に保湿をすることが大切です。また、乾燥したからといって唇を頻繁に舐めると、炎症を引き起こすことがあるため注意しましょう。
日常生活上の習慣を見直し、適切なセルフケアを行っても唇の腫れが引かない場合は何らかの病気が潜んでいる可能性があります。軽く考えずに、症状に適した診療科を受診して治療を受けることをおすすめします。