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口の中が痛い:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

口の中が痛い

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 我慢できない痛みがある
  • 舌や粘膜の変色、しみる、腫れなどの症状がある
  • 食事などに支障がある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 短時間でよくなり、その後繰り返さない

[医師監修] メディカルノート編集部【監修】

口や唾液の中にはさまざまな細菌が常に生息しています。毎日の歯磨きで清潔な状態を維持していれば細菌のバランスは保たれますが、不衛生な状態が続くと細菌のバランスがくずれトラブルが生じます。また口は、舌や歯茎、頬の粘膜などの軟らかい組織と歯のような硬い組織、また義歯入れ歯)を使用している方は義歯材料や金属などの人工物が共存し、食物を食べたり話したりするときにそれらが同時に機能するため、粘膜を傷つけるなどの事象が比較的起こりやすい器官でもあります。

特に、「口の中が痛い」といったトラブルは日常的にみられる症状です。

  • 特定の飲食物を口にすると口の中が痛くなったり腫れたりする
  • 口の中に痛みを伴うできものがある
  • 口の中が乾きやすく、ヒリヒリとした痛みを生じる

このような症状が見られた場合、原因としてどのようなものが考えられるでしょうか。

口の中の粘膜に生じる病気や、他部位に発症する病気の一症状として口の中の痛みを生じることがあります。原因となる主な病気は以下の通りです。

口の中の痛みは、以下のような口腔粘膜に生じる病気によって引き起こされることがあります。

口内炎

口腔粘膜や歯茎、舌などに起こる炎症のことをいいます。一過性もしくは慢性的に経過しますが、いずれも多くの場合痛みを伴います。原因は多岐に渡り、義歯入れ歯)やむし歯・尖った歯などによる粘膜への慢性的な刺激、細菌・ウイルス感染症などが挙げられます。口内炎は悪化すると粘膜のびらんや、出血を引き起こすことも少なくありません。

口内炎
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接触性口内炎

いわゆる「かぶれ」といわれる病気のことで、特定の物質に触れると、その部位に発赤や腫れ、発疹などを生じ、痛みやかゆみを伴う病気です。口の中に発症することもあり、特定の飲食物や金属製食器などに触れると口の中が赤く腫れ、痛みを引き起こすことがあります。

口腔カンジダ症

口腔内に常在しているカビの一種であるカンジダが、疲れや体調不良などによって免疫力が低下した際に、菌のバランスがくずれて優位になり、口腔粘膜に白く硬い膜を形成する病気です。悪化すると、口の中にヒリヒリとした痛みや灼熱感(しゃくねつかん)を引き起こし、病変が剥離(はくり)した部位の粘膜にただれが生じて出血を引き起こすことがあります。

口腔カンジダ症
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口腔がん

口腔粘膜に発生するがんで、発症頻度は低いですが口の中の痛みの原因になります。早期の段階では、粘膜内にしこりが触れるのみで自覚症状はほとんどありません。しかし、進行して病変が大きくなると、病変部に潰瘍(かいよう)を形成して痛みや出血を引き起こすことがあります。また、病変部に痛みを生じたり、頚部(けいぶ)リンパ節転移によるしこりを触れたりするようになります。

口腔がん
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口の中の痛みは、以下のような病気の一症状として現れることがあります。

口腔乾燥症

加齢や慢性的な脱水、自己免疫疾患シェーグレン症候群などのため、唾液そのものの減少や唾液を分泌するための管の狭窄(きょうさく)が生じ、口が乾いた状態になることをいいます。通常、口の粘膜は唾液に一層覆われていますが、口腔水分量が低下するとそのコーティングがなされず、弱い刺激などでも痛みを感じるようになります。また、唾液に含まれる抗菌作用が低下するため、虫歯や歯周病のリスクも高まります。

ドライマウス
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扁平苔癬(へんぺいたいせん)

皮膚や粘膜にできる炎症を伴う病変で、食物がしみたり、触れると痛みを生じたりすることがあります。歯科材料(金属)によるアレルギー自己免疫疾患、遺伝的要因が関わっているとされていますが、はっきりとした原因は不明です。口のなかでは頬の粘膜での発生頻度が高く、角化した粘膜は白色に見え、その周囲に発赤を伴います。

天疱瘡(てんぽうそう)類天疱瘡(るいてんぽうそう)

全身の皮膚や粘膜に水泡(すいほう)を生じる疾患で、水泡が破れると皮膚や粘膜にただれを引き起こします。口腔内にも痛みを伴う水疱を形成することがあります。

ベーチェット病

自己免疫の異常によって発症する病気で、口腔粘膜潰瘍()外陰部潰瘍()・皮膚症状・眼症状が4徴とされる病気です。口腔粘膜の潰瘍()は、初期症状としてもっとも頻度が高く、痛みを伴い再発を繰り返すのが特徴です。

ベーチェット病
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痛みが強く飲食がままならない場合、口の中の潰瘍()やびらん、しこりなどの病変が徐々に大きくなる場合、口の中だけでなく全身に何らかの症状がある場合は早めに病院を受診するようにしましょう。

受診に適した診療科は口腔外科や歯科ですが、何らかの全身症状がある場合は、皮膚科や内科で相談するのも一つの方法です。受診の際には、いつから痛みがあるのか、痛みの誘因、随伴症状、現在患っている病気などを詳しく医師に説明しましょう。

口の中の痛みは、好ましくない日常生活上の習慣が原因となっていることがあります。主な原因とそれぞれの対処法は以下の通りです。

口の中は繊細な粘膜で覆われているため、香辛料や温度の高い飲食物を頻繁(ひんぱん)に摂ると粘膜にダメージを与えて痛みを引き起こすことがあります。

口の粘膜に優しい食生活を送るには

香辛料や熱い飲食物を完全に排除する必要はありませんが、ほどほどに控え、口の中に痛みがある場合は、治るまで摂取を控えるようにしましょう。

力を入れすぎたり、研磨剤などを使用しすぎる歯磨きは、口の中の粘膜を傷つけることがあり、痛みの引き金になり得ます。

口の中を傷つけない歯磨きとは

先端の大きさが自身の口のサイズに合った歯ブラシを選ぶようにし、適量の歯磨き粉を使用して、弱い力で歯の隙間や溝に溜まった汚れを掻きだすように行いましょう。

日常生活上の好ましくない習慣を改善しても、口の中の痛みが改善しない場合は、思わぬ病気が潜んでいる可能性があります。軽く考えずに、それぞれの症状に合った診療科を早めに受診しましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。