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陰毛がかゆい:医師が考える原因と対処法|症状辞典

陰毛がかゆい

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 何らかの感染のおそれのある性的接触に心当たりがある
  • 皮膚に赤み、痛み、発疹、傷などがある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 短時間でよくなり、その後繰り返さない

[医師監修] メディカルノート編集部【監修】

陰毛のかゆみは、下着による蒸れや肌の乾燥で起こることの多い症状ですが、他にもさまざまな原因によって起こりえます。身近な人に移す可能性がある感染症など、中には注意が必要なものもあります。

  • 陰毛のかゆい部分に赤い湿疹がある
  • 性行為をした数日~1か月後くらいに陰部や陰毛部分にかゆみが出た
  • 陰毛を剃った後にヒリヒリ感やかゆみが出てきた

このような症状がある場合、どのような原因が考えられるでしょうか。

陰毛のかゆみは、何らかの病気によって引き起こされることもあります。考えられる病気には以下のようなものがあります。

毛じらみ症

毛じらみ症とは、シラミの仲間であるケジラミが寄生することで発症する感染症です。主に陰毛に寄生し、皮膚から吸血されることによってかゆみが起こります。

ケジラミの体長は2mm程度で、よく観察すれば肉眼で確認することができます。また、吸血した血液が最終的に便となって排出されるために、下着に茶色い粉末のようなものが付くようになります。陰毛の直接接触による感染が原因なので、性行為を介することが多いです。また、接触の密な母子間でも感染することがあります。

疥癬(かいせん)

疥癬とは、疥癬虫(ヒゼンダニ)が皮膚の角質層に寄生することで発症する感染症です。0.4mm程の大きさで、約1か月の潜伏期間を経て、かゆみと赤い発疹が現れるようになります。かゆみは夜間に強くなるのが特徴です。

通常疥癬とノルウェー疥癬があり、ノルウェー疥癬は大量の疥癬虫を有し非常に感染力が強いため、隔離が必要になる場合があります。性行為や寝具、便座などを介して接触感染するため、高齢者施設や家庭内で感染することが多いです。

カンジダ症

皮膚や口の中、消化器などに常在するカンジダ菌が、免疫力の低下などによって異常に増殖することで発症する感染症がカンジダ症です。

発症すると、女性の場合は外陰や腟、陰毛部分のかゆみ、おりものの増加、白いおりものが出るなどの症状がみられるようになります。男性の場合は症状が現れることは少ないですが、かゆみの他に、亀頭部(きとうぶ)包皮(ほうひ)に白いカスを認めたり、湿疹が現れたりする場合もあります。

性器ヘルペス

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスが性器に感染して起こる病気で、性行為などを介して感染します。感染しても無症状のことが多いですが、痛みやかゆみを伴う水疱(すいほう)やびらんが現れる場合があるほか、熱が出たり足の付け根のリンパ節が腫れたりすることもあります。性行為感染症のひとつでもあります。

(ちつ)トリコモナス

腟トリコモナス原虫が腟内に定着して起こる感染症を腟トリコモナスといいます。性行為以外でも感染するために、性交経験のない女性や幼児にみられることもあります。

主な症状は、外陰、腟、陰毛部分などへの強い刺激感、かゆみ、熱感、おりものの異常(泡状で黄白色のおりものが増える)です。ただし、およそ10~20%は無症状であるといわれています。

性器クラミジア

性器クラミジアは、細菌の一種であるクラミジア・トラコマティスを原因とする性感染症です。発症者は性活動の盛んな10~20歳代に多く、感染しても男性で約50%、女性で約80%が無症状であるために、早期発見が難しいといわれています。

主な症状には、女性の場合で下腹部の痛みや排尿時、性交時の痛み、おりものの増加、不正出血など、男性の場合でかゆみや排尿時痛、尿道からの白濁した分泌液などが挙げられます。不妊症の原因となりえる疾患です。

体部白癬(たいぶはくせん)

体部白癬とは、白癬菌という真菌が原因で起こる皮膚の感染症で、別名“ゼニたむし”とも呼ばれています。体のどこにでも生じる可能性があり、陰毛に生じる場合もあります。発症すると感染部位の皮膚が赤くなるほか、かゆみを伴うこともあります。

接触皮膚炎

何らかの物質が皮膚に接触することによって炎症が起こる病気を接触皮膚炎といい、一般的には“かぶれ”と呼ばれています。原因物質が接触した部分にのみ湿疹を認めるのが特徴で、かゆみやみずぶくれ、痛みを伴う場合もあります。

毛嚢炎(もうのうえん)

毛嚢炎毛包炎)とは、毛穴の奥にある毛を産生する部分(毛包)に炎症が起きた状態のことです。赤い丘疹(ぶつぶつ)や、中央に(うみ)を持った丘疹が現れるのが特徴で、時にかゆみや圧痛(押したときの痛み)が起こることもあります。

発熱や痛み、おりものの異常など他の症状が伴う場合、見た目に変化が現れている場合、かゆみが強く掻きむしってしまう場合には早めの受診がすすめられます。

また、原因として性感染症も多いことから、パートナーに自覚症状がなくても一緒に病院に行き検査を受けることも考慮しましょう。

受診先としては皮膚科が適しています。性感染症が疑われる場合は婦人科でもよいでしょう。かゆみが現れ始めた時期や状況、かゆみの程度、他の症状、直近の性行為の有無などについて、できる限り詳しく医師に伝えると診断の助けになります。

蒸れや乾燥など日常生活上のさまざまな原因によって、陰毛がかゆくなることもあります。

陰毛のある部分は、下着や衣類に覆われていることから蒸れやすく、汗による刺激や雑菌の繁殖などによってかゆみが引き起こされる場合があります。季節では夏、女性においては生理中が特に蒸れやすくなります。下着の化学繊維や成分によっては相性が悪く、かぶれる場合もあるため、自分に合った成分の下着を身に着けるようにしましょう。

蒸れを防ぐには

蒸れやすい夏場は特に、綿など通気性・吸湿性のよい素材の下着や衣類を身に着けるようにしましょう。下着やナプキンなどをこまめに替えることも大切です。蒸れてしまった場合は軽く洗浄し、清潔を保つようにしましょう。

カミソリを使用して陰毛を剃る場合、カミソリによる刺激で肌に炎症が起こることがあります。一般的にこれを“カミソリ負け”といい、炎症によって赤いブツブツがみられたり、ヒリヒリとした痛みやかゆみが現れたりすることが多くあります。

カミソリ負けを防ぐには

肌が乾燥しているときや蒸れているとき、生理中などは肌が敏感になっているために、カミソリ負けを起こしやすくなります。なるべく肌の状態がよいときに剃るようにしましょう。

また、剃る際には乳液やクリームを塗布し、毛の流れに沿って剃ると肌への刺激を軽減できます。剃った後に刺激の少ない保湿クリームなどでアフターケアをすることも、カミソリ負けの予防に効果的です。

肌の乾燥は、加齢や女性ホルモンの減少、ボディーソープによる刺激など、さまざまな原因によって起こります。肌が乾燥すると刺激に対して弱くなることから、ちょっとした刺激で炎症が起こったり、かゆみが誘発されやすくなったりします。

乾燥を防ぐには

乾燥を防ぐためには、正しい入浴とスキンケアが大切です。入浴時に硬いタオルなどを使って強くこすると乾燥の原因になるので、肌への刺激が少ないボディーソープと柔らかいタオルなどを使用して優しく洗うようにしましょう。入浴後は、乾燥が気になるときに、ボディーミルクなどの保湿剤を使って保湿しましょう。

また、十分な睡眠をとること、バランスのよい食事をとることも乾燥の予防につながります。できることから始めていきましょう。

かゆみが続くと日常生活に支障をきたすほか、掻きむしったりして感染症を発症する可能性もあります。蒸れや乾燥を予防するなど、日常生活上の取り組みを行ってもかゆみが引かない場合には、一度病院を受診することを検討しましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。