Le:self カウンセラー
藤本 志乃 さん
日本赤十字社医療センター 腎臓内科部長
石橋 由孝 先生
医療法人社団善仁会 中田駅前泉クリニック 院長、医療法人社団ときわ 理事、横浜市立大学腎臓高血...
上條 由佳 先生
腎不全などの慢性疾患とは、腰を据えて長く付き合っていく必要があります。これは時として精神的に辛いものであり、慢性疾患の治療における患者さんのこころのケアは非常に大切です。患者さんが慢性疾患を受け入れるまでの過程には、「喪失」「拒絶」「闘争」「折合」「受容」の5つの段階があります。本記事では、その5つのうちの「折合」について、日本赤十字医療センター腎臓内科の石橋由孝医師・上條由佳医師ご監修のもと、同科専任の臨床心理士である藤本志乃先生にお話しいただきました。
「折合」の段階までこころが到達すると、疾患に対する不安とも一緒に歩めるようになってきています。しかし、人間というのは癖・習慣というものから抜けられないことが多くあります。「折合」の段階にある方は、良くないと思っている習慣から抜けられないことで悩むことが多いようです。
それは例えば、「若い頃から仕事が忙しく、お昼は手が空いたときに急いで食べられるラーメンを食べることが多かった。そのせいか、お昼は今でも麺類になってしまう」というように、好んで食べているというより、なんとなく続けてしまうような状態です。しかし、慢性疾患と付き合っていくには、食生活のコントロールは必須です。糖分、塩分など疾患によって制限される食事もあるため、苦労することもあるのではないでしょうか。
上記のように、いわば「わかっちゃいるけど、やめられない」という折合段階のこころにはどのように対応していけば良いのでしょうか。
折合段階の場合には、こころの一部である「行動」に着目することをお勧めします。「ラーメンを食べる」「アイスを食べる」「ビールを飲む」など、自分が変えられたらいいなと思う行動に着目しましょう。そして、その行動について以下のことを記録していきます。
このように行動の前後の流れをチェックし分析する方法を、「行動分析」といいます。
分析をしたら、次はどのように対処するかを考えましょう。
「行動」を増やすには、「きっかけ」もしくは「結果」を増やすか、「行動」を練習することが重要だといわれています。逆に「行動」を減らすには、「きっかけ」もしくは「結果」を取り去るか、または「行動」の代わりの別の行動(代替行動)を見つけることになります。
今回の例の場合、ビールを飲む「行動」を減らしたいので、「きっかけ」か「結果」を取り去るか、代替行動を考え実践してみることが必要です。このケースでは、喉がすっきりする、おいしい、イライラが減るといった「結果」を取り去ることは少し難しそうなので、「きっかけ」を取り去ることが現実的かもしれません。
そうすると、
といったことが考えられます。
あとは、ビールを飲む「行動」の結果、つまり、すっきりしておいしくてイライラが減ればいいわけですから、代替行動として「炭酸水」「ノンアルコールビール」など、代わりの行動になりそうなものを試してみることも良いかもしれません。
ここではビールを例にとりましたが、行動を変化させるには以上のようなことに気をつけることが効果的です。
参考文献
*1竹田伸也(2010) 認知行動療法による対人援助スキルアップ・マニュアル,遠見書房
石橋 由孝 先生の所属医療機関
医療法人社団善仁会 中田駅前泉クリニック 院長、医療法人社団ときわ 理事、横浜市立大学腎臓高血圧内科 客員研究員
日本内科学会 総合内科専門医・内科指導医日本透析医学会 透析専門医・透析指導医日本腎臓学会 腎臓専門医・腎臓指導医日本高血圧学会 会員
全人的総合的腎不全医療(Total Renal Care:TRC)を推進・普及させるためにアウトリーチ活動を行っている。一人ひとりの腎不全患者が自己管理や行動変容を実現するための教育というミクロなアプローチから、腎不全患者自身がさまざまな治療の選択肢を持てるようにするための社会システム全体の構築というマクロなアプローチも積極的に行っている。
上條 由佳 先生の所属医療機関
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