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インタビュー

公開日 : 2016 年 03 月 16 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

鼓室形成術とは何か。伝音難聴を治療するために行う手術

兵庫医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科 主任教授
阪上 雅史先生

外耳や中耳に問題があって聴こえなくなる「伝音難聴」を治療するために行われる手術が「鼓室形成術」です。代表的な鼓室形成術に「Ⅰ型」「Ⅲ-c型」「Ⅳ-c型」があります。また、耳硬化症に対する「アブミ骨手術」があります。4種類の中耳手術がどのような疾患、進行状況のときに行われるのか、兵庫医科大学病院副院長で耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室主任教授の阪上雅史先生にお話を伺いました。

難聴の種類

音は外耳道から入って鼓膜を震わせます。その振動が中耳にある「ツチ骨」「キヌタ骨」「アブミ骨」という3つの耳小骨で増幅された後、内耳にある「蝸牛(かぎゅう)」で電気信号に変えられ、聴神経を経て脳に伝わります。難聴には、音を伝える外耳や中耳に何らかの問題があって聴こえなくなる「伝音難聴」と、音を感じる内耳の聴神経・聴覚中枢の機能に問題があって聴こえなくなる「感音難聴」があります。また、伝音難聴と感音難聴の両方が組み合わさって起こる「混合難聴」もあります。

伝音難聴の手術

伝音難聴の治療で行われる手術は「鼓室形成術とアブミ骨手術」です。対象となる疾患は「慢性中耳炎」と「真珠腫性中耳炎」であり、これらでほぼ8〜9割を占めます。次に多いのが「耳硬化症」です。耳硬化症は3つの耳小骨のうち最も奥に位置し、内耳に振動を伝えているアブミ骨が動きにくくなる病気です。

まれですが、耳小骨の先天奇形、外耳道狭窄症・閉鎖症、外傷性耳小骨離断などが原因で「鼓室形成術」を行う場合があります。ただし、外耳道閉鎖症については手術の効果があまり認められず、近年は手術をしない傾向にあります。「鼓室形成術」で聴覚を回復できない場合には埋込型骨動補聴器(BAHA)を用います。また重度の「感音難聴」の場合は人工内耳を埋め込む手術を行います。

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