新型コロナウイルス感染症特設サイトはこちら
インタビュー

障害児の栄養方法への取り組み 具体的な検査

障害児の栄養方法への取り組み 具体的な検査

東京都立小児総合医療センター 消化器科 部長

村越 孝次 先生

立花 奈緒 先生

東京都立小児総合医療センター 小児消化器科 

立花 奈緒 先生

東京都立小児総合医療センターは年間300~400件近くの小児消化器内視鏡検査を行っている国内有数の小児専門医療施設です。ここでは日常生活面で重要となる栄養方法から術後の定期点検としての消化器内視鏡検査まで、多角的に障害を持つ患者さんをサポートしています。今回は東京都立小児総合医療センターが行っている、栄養の問題を持つ障害児への検査方法について、都立小児総合医療センター消化器科の村越孝次先生/立花奈緒先生にお話を伺いました。

ここでお話しする内容はあくまで東京都立小児総合医療センター小児消化器科でのやり方ですが、ご説明します。

障害児の栄養方法に関連する消化管問題に関しては、消化器内視鏡検査を含めた消化機能検査を行いますので、入院が必要になります。具体的には、上部消化管造影検査という胃や食道の形・食べ物の流れを診る検査、食道pHモニターという胃から胃液の逆流がないか診る検査、食道内圧検査という食道と胃の境目にあたる圧を診る検査(幅や力の程度を計ることでその後の予測や治療方針が立てやすくなる)、消化器内視鏡検査という直接胃や食道の内部を診る検査などを行い、消化器の現状を総合判断します。

内視鏡検査は記事1『小児消化器疾患の展望 小児消化器内視鏡検査を通して』のように、我々の施設は小児麻酔が行えるということもあり、全身麻酔下で行うことにしています。この際、麻酔覚醒時の呼吸の様子から呼吸機能を評価することができます。

これらの検査を行って入院中に子どもの客観的なデータをそろえることで、親御さんも医者も今の子どもの全体像を把握することができます。障害を持つ子どもの医療では、何を先に介入するか優先順位をつけることが重要です。栄養について考えることで、親御さんが「この子にどのような人生を送ってもらうか」考えるきっかけにもなるのです。

また、入院中の様子を観察することで、その患者さんが抱えている他の特徴が見えることもあります。たとえば「ストレスなどで身体をこわばらせやすく、ごはんが胃から食道に逆流してしまうため、このこわばりのほうを先に解決してあげるべきだ」「呼吸の機能が悪いので、先に呼吸の問題を解決してあげる必要がある」などです。

障害を持つお子さん、特に重症心身障害児の方(詳細は記事4『障害児の栄養問題。経鼻栄養や胃ろうの造設、手術が必要になることも』)は、栄養維持のために胃や腸の手術をされていることが多くあります。例えば、直接胃に栄養を入れる胃ろうや、腸に栄養を入れる腸ろう、胃液の逆流を防ぐ噴門形成手術(Nissen手術)などが有名です。

身体の手術をした後は、メンテナンスをしっかりとしてあげることが手術の効力を判定し、生活の質を維持するうえで重要です。重症心身障害児の方々は、その後の状態を自分で確認したり訴えたりすることができない場合が多くあります。手術後何年か経って、急に胃ろうの調子が悪くなったと訴える方がいますが、メンテナンスの検査をしていれば、もっと早く手を打てたかもしれません。ですから私たちは、手術後の定期的な検査も必要と考えています。何か栄養方法や消化管の問題があって手術をしたとしても、そこで終了ではありません。むしろそこからが、その患者さんの生き方を考えるスタートとなります。

東京都立小児総合医療センターでは「栄養」という観点から患者さんのサポートを行っていますが、消化器科・小児外科の専門家、呼吸器や神経の専門家、リハビリテーションの専門家、心の専門家、看護面の専門家、社会的サポートの専門家などあらゆる仲間たちが協力しあってチームを組んでおり、その子にとって一番いいことは何か、親御さんと一緒に考えていきたいという思いで活動しています。

都立小児総合医療センター 消化器科ホームページはこちら

 

受診について相談する
  • 東京都立小児総合医療センター 消化器科 部長

    村越 孝次 先生

  • 東京都立小児総合医療センター 小児消化器科 

    立花 奈緒 先生

「メディカルノート受診相談サービス」とは、メディカルノートにご協力いただいている医師への受診をサポートするサービスです。
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。
  • 受診予約の代行は含まれません。
  • 希望される医師の受診及び記事どおりの治療を保証するものではありません。

    「受診について相談する」とは?

    まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
    現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。

    • お客様がご相談される疾患について、クリニック/診療所など他の医療機関をすでに受診されていることを前提とします。
    • 受診の際には原則、紹介状をご用意ください。