院長インタビュー

卓越した専門性とチーム医療で地域を支える西宮協立脳神経外科病院

卓越した専門性とチーム医療で地域を支える西宮協立脳神経外科病院
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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兵庫県西宮市にある社会医療法人 甲友会 西宮協立脳神経外科病院(以下、西宮協立脳神経外科病院)は、脳神経外科を中心とした救急医療のほか、整形外科の中でも特に専門性の高い整形疾患などに対応している専門病院です。同院の特徴について、病院長である辻 雅夫(つじ まさお)先生にお話を伺いました。

2023年に開院35周年を迎えた当院は、これまで脳神経外科を中心とした救急医療に全力で取り組んできました。診療の対象となる疾患は、脳卒中のように緊急を要する場合が多く、夜間、休日を問わず24時間体制で医療活動に取り組んでいます。ご自身で来院される患者さんについては、JR西宮駅を含む四つの駅から送迎バスも用意しています。

日本脳卒中協会からは2022年に一次脳卒中センター(PSC)コア施設として認定されており、脳卒中治療における地域の中核施設としての役割も担っています。例えば、血栓回収療法に対応できない病院から患者さんを受け入れたり、脳卒中の相談窓口を設けて専門的な立場からアドバイスしています。

また当院では、脳梗塞(のうこうそく)のような頭蓋内疾患のほか、頸椎や腰椎などの脊椎・脊髄疾患にも対応しています。

臨床で経験を積むことは大切ですが、若い医師には学会発表や論文作成を積極的に勧めています。きちんとしたかたちで発表した内容を文字に残すことは、自己研鑽や医療の発展にもつながります。

全国規模の学会主催についても、名誉院長である立花 久大(たちばな ひさお)先生は2018年の第46回日本頭痛学会総会の会長を務められ、当法人の理事長である大村武久先生は2022年の第25回日本臨床脳神経外科学会の会長を務めました。

このような学術的な取り組みの成果として、当院の医師や看護師は2022年に40本の論文を発表し、院外の講演は44回、学会での発表回数は88回となりました。今後も積極的に学術的な足跡を残し、若手職員の教育や医療の発展に貢献していきたいと思います。

骨折に関する医療活動を国際骨粗鬆症財団(IOF)によって認められ、2020年に最高位となる金賞に認定されています。整形外科の中でも特に骨粗しょう症の予防にも力を入れてきたので、関係した職員にとっても大きな喜びでした。

このように金賞を獲得できた一番の理由は“骨粗鬆症リエゾンサービス”だと思います。これは医師や看護師だけでなく理学療法士、薬剤師、管理栄養士、放射線技師や社会福祉士など、多くの専門職が連携して骨折を抑制する活動を指します。当院の骨粗鬆症リエゾンサービスとして、骨折後の患者さんに骨粗しょう症の治療を行い、治療後の様子をお伺いする“骨リボン運動”を展開しています。この活動により骨粗しょう症の治療継続率は増加し、再骨折率はしっかりの減少しており、高齢化が進む日本において、二次骨折予防という観点からも有意義な取り組みであると思います。

“地域との連携を大切にし、皆さまの健康な暮らしと救急医療に貢献します”という病院理念のもと、地域の方々に向けて健康に関する市民講座を開催しています。

地域における取組の中では、日本栄養士会から“機能強化型認定栄養ケア・ステーション”に認定され、地域の方々が栄養ケアの支援や相談を受けられる拠点施設であると評価されました。これは、一般的な栄養ケア・ステーションよりも複雑で困難な栄養管理を担えることを認めていただけました。口から栄養を摂取することの喜びや大切さを説くため、栄養士や歯科技工士とも協力し、院内外で患者さんに適切な栄養管理や医療情報をお伝えしています。

また、西宮市が発行している小学校のキャリア教育をサポートするための教材『小学生のためのお仕事ノート』の2023年度版では、当院の医療、福祉に関する仕事内容をご紹介頂きました。これから地域を担っていく子どもたち一人ひとりが、医療・介護の将来のことを考えるきっかけになればと願っています。

こうした院内外のさまざまな活動を通じて広義の地域医療を実践し、これからも患者さんに満足して頂ける病院を目指して取り組んで参ります。

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