はくないしょう

白内障

最終更新日:
2021年12月27日
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2021/12/27
更新しました
2017/04/25
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概要

白内障とは、目の中でカメラのレンズの役割をしている水晶体(すいしょうたい)という部位が濁ってしまう状態のことです。

水晶体が濁ってしまうと、視界がぼやける、かすむ、二重に見える、まぶしさを感じるといった症状が起こり、徐々に視力低下が進行していきます。

加齢に伴い白内障の罹患率は増加し、70歳代では80%以上、80歳代はほぼ全ての人が罹患していると考えられ、誰もが発症する可能性のある目の老化現象と捉えることもできます。加齢による白内障の場合、数年単位で徐々に視力の低下やものの見え方の変化が起こるため症状に気付かず、ある程度進行してしまってから発見されることも少なくありません。

視力低下を引き起こす白内障ですが、近視遠視乱視などとは異なり、眼鏡やコンタクトレンズでは矯正できないことが特徴として挙げられます。しかし、現在ではその治療法が確立され、必要とされる場合には手術により視力は回復します。

原因

白内障の原因でもっとも多いのは加齢です。白内障の初期変化として、加齢により水晶体の弾力性がなくなってピントの調整が難しくなり、徐々に近くのものが見えにくくなる老視(老眼)を生じます。さらに加齢が進むと、レンズ自体がひずみを生じてしまい、乱視遠視といった屈折の異常が認められることもあります。ここからさらに水晶体が硬くなり白濁し、白内障と診断されます。さらに進行すると水晶体は黄色、褐色になり、放置した場合は失明に至ります。

加齢以外にも、リウマチ、喘息(ぜんそく)膠原病(こうげんびょう)などによって長期にわたり副腎皮質ホルモン(ステロイド)を服用している場合は、白内障発症のリスクとなります。また、糖尿病の人や多量の放射線を受けた人も白内障発症のリスクが高いといわれています。20歳代、30歳代ではアトピー性皮膚炎が白内障のリスクになります。

症状

白内障発症時の目の見え方は、患者の水晶体の濁り方によって異なります。水晶体全体に混濁がある場合には、視界全体がぼやける、かすむといった症状が認められます。

水晶体の中心のみに混濁が認められる場合は、水晶体の屈折力が強くなるため、近くが見やすくなります。一時的に老眼が治ったように感じるのが特徴ですが、進行すると近くも遠くも見えにくくなります。水晶体の一番奥の中心が濁るタイプはステロイド内服で生じやすく、比較的短期間に視力低下が進行します。いずれのタイプも混濁により眼球内で光が散乱してしまうため、明るい場所にいる場合や逆光になった場合にまぶしさを感じて対象物が見えにくくなります。また、対象物が二重に見えてしまうこともあります。夜間の運転など暗いところでものが見えにくいのも白内障でよくある症状です。

検査・診断

白内障の診断は、さまざまな検査を行い、白内障の病型と程度の確認、視力などの見え方の検査、視力低下の原因が白内障以外の目の病気によるものでないかといったことを確認するのが重要です。具体的に実施される検査としては以下が挙げられます。

視力検査

裸眼での視力と眼鏡やコンタクトレンズをした状態の視力を測定します。眼鏡やコンタクトレンズをしても、視力が(1.0)未満の場合には白内障が疑われます。

角膜屈折力(角膜の湾曲の程度)、屈折検査

眼内レンズの度数決定に角膜屈折力の検査が必要です。屈折検査では近視遠視乱視などの程度を確認します。

眼圧検査

目の大きさや形状を保つための圧力である眼圧を測定する検査です。眼圧が正常値よりも高い場合は緑内障が疑われることが一般的ですが、眼球の小さい遠視眼では白内障により急激に眼圧が高くなる急性緑内障を生じることがあります。

眼底検査

眼底カメラや光干渉断層計で、視神経や網膜などに異常がないか確認します。

細隙灯顕微鏡検査(散瞳)

細隙灯(さいげきとう)と呼ばれる拡大鏡を使い目に光を当て、角膜(黒目)、結膜(白目)、水晶体に異常がないかどうかを確認します。

角膜内皮細胞検査

角膜の一番内側にある一層の内皮細胞(ないひさいぼう)の大きさや密度を調べる検査です。内皮細胞密度の低い人では、白内障手術により角膜に浮腫みを生じ、角膜が濁ってしまうことがあるため事前にこの検査が必要です。

眼軸長検査

眼球の大きさを測定します。角膜屈折力検査とこの眼軸長検査により、眼内レンズの度数を決定します。

治療

白内障の治療には薬物療法と手術がありますが、点眼薬や内服治療では濁った水晶体を透明に戻すことはできません。白内障の進行を予防し、経過を観察するにとどまります。

一般的には、進行した白内障には手術が行われます。白内障の手術は、方法、所要時間、患者の負担など、さまざまな点において飛躍的な進歩を遂げ、現在では短時間の手術でその日のうちに帰宅できるほどになっています。

手術では、水晶体内部の濁りを取り除き、その代わりにアクリル製の眼内レンズという人工物を挿入します。

眼内レンズは半永久的に使用できるため、原則的には1回の手術で済みます。また、眼内レンズは大きく分けて1か所のみにピントが合う保険適用の単焦点眼内レンズと、2か所以上にピントが合う多焦点眼内レンズ(選定療養:レンズ費用は自費)があります。手術により近視遠視乱視も同時に治り、多焦点眼内レンズを使用すれば老眼も治ります。最近は保険適用の多焦点眼内レンズも登場しました。白内障手術により患者の生活の質は飛躍的に向上するので、少しでも症状があれば眼科を受診し手術について相談するとよいでしょう。

予防

白内障の主な原因は加齢ですが、発症と進行には紫外線、喫煙糖尿病などの要因も関与していることが分かっています。

紫外線から目を守るには、長いつばのついた帽子や紫外線を防ぐ効果のあるサングラスを使用するなどの対策をするとよいでしょう。

喫煙、暴飲暴食、過度な飲酒などの不摂生な生活は、続けていると目の病気以外にもさまざまな病気を引き起こす原因となります。気付かない間に病気になっていることも少なくありません。病気にならないためにも、禁煙や適度な飲酒を心がけ、日頃の食生活を見直すようにしましょう。

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