呼吸困難の原因は、循環器の病気、呼吸器の病気、血液の病気、ホルモンの病気など非常に多岐にわたります。また呼吸困難は非常によくみられる症状でありながら、生命に関わるような重要な病気が原因となっていることがあります。呼吸困難の患者さんをどのように診断していくのか、総合診療医である片岡仁美先生に教えてもらいました。
呼吸困難に限らず、患者さんが来た場合は一般的に、
「問診」 → 「身体診察」 → 「検査」という順序で、診断を進めていきます。
問診では呼吸困難が生じた時間的な経過や、呼吸困難にともなう症状を確認します。
たとえば時間的な経過で、
また症状に関しては、下記のようなことを確認します。
病気の重症度をみるために、まずバイタルサイン(生きていく上で、もっとも重要な検査指標。たとえば血圧や脈拍など)を確認します。
呼吸困難で特に重要なバイタルサインは、呼吸数とSpO2(動脈血酸素飽和度、体の動脈中でどれだけ酸素があるかを示す指標)です。呼吸数が大きくなっていたり、SpO2が大幅に下がっていたりする場合は注意が必要です。
多くの場合は、問診と身体所見でおおよその病気候補は絞られます。最終的な確定診断を行うために、下記のような検査が行われます。
レントゲンだけでは十分に分からない場合には、胸部CT検査などが行われることもあります。
記事1:「呼吸困難(息切れ・息苦しさ)」とはどのような状態? 呼吸が苦しくなった時、何科を受診すればよい?
記事2:「呼吸困難(息切れ・息苦しさ)」の原因は何か?
記事3:すぐに病院に行かなければならない、緊急性の高い呼吸困難・息切れとはどのようなものか?
記事4:呼吸困難・息切れはどのように診断するのでしょうか?
京都大学医学研究科 医学教育・国際化推進センター 教授
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