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最高の医療かどうかは患者さんが判断すること

DOCTOR’S
STORIES

最高の医療かどうかは患者さんが判断すること

信念を貫き、手術と教育にすべての力を注ぐ河野道宏先生のストーリー

東京医科大学病院  脳卒中センター長、東京医科大学 脳神経外科学分野 主任教授
河野 道宏 先生

卓越した集中力とスピードが「脳神経外科医・河野道宏」を作りだす

私はこれまで脳神経外科医として約20年間、手術の第一線に立ち続けてきましたが、高い集中力と、手術のスピードの速さには強みがあると自負しています。過去には午前9時から翌朝の5時まで休まずに手術を行い続けたこともよくありました。

聴神経腫瘍の手術は、一般的には手術時間が丸一日かかることも珍しくないのですが、これでは患者さんへの負担が大きくなってしまいます。私はこれまで累積 約1100例を執刀してきましたが、現在ではわずか3時間半で聴神経腫瘍の手術を終えることも珍しくありません。

また、年間30件を超えれば全国でも指折りの症例数といわれる頭蓋底腫瘍の手術を、私は年間120〜150件のペースで行っています。

他の追随を許さないこの圧倒的な経験を、どのようにして得てきたのか? この問いに答えるならば、「私自身が一つのことに魂を注ぐ性格であったから」だと理解しています。

先が見えなかった若手から頭蓋底腫瘍手術のプロフェッショナルへ

最初から脳神経外科を目指していたわけではありませんが、浜松医科大学の植村教授の講義に魅せられ脳神経外科医になろうと決断し、卒業後、私は東京大学の医局に入局。同期の多くが東大生という劣等感の中、自分の進む先がみえずに苦しんでいた時期がありました。5年目ともなると、各自の強みや目標、研究テーマを発見し、それに向かって精力的に活動する頃です。周りが自分の道を切り開いていく中、私には自分の売り・自分の強みと言えるものが何もありませんでした。

そんな時期、佐々木富男先生(当時の東京大学講師、現・九州大学名誉教授)の聴神経腫瘍の手術を目の当たりにし感銘を受け、自分自身も耳鼻科医から聴神経腫瘍を紹介してもらえるような脳外科医になりたいと強く思うようになりました。

その後、静岡県の富士脳障害研究所附属病院に赴任してからは、脳血管障害の手術の場数を踏む毎日でしたが、聴神経腫瘍の方も、1人でも多くの患者さんを手術するために、静岡県内にいる先輩や同級生、友人たちの力を借り、県中の症例が富士脳障害研究所附属病院に紹介されるようなシステムを構築したり、個人のホームページを立ち上げて県外の患者さんにも情報発信をしたりと工夫を凝らしました。

この努力を礎として現在の私の経験と手術技能は培われたのだと考えています。

1990年代から地道に始めたホームページでしたが、疾患情報から私自身の経歴、病院へのアクセス、患者さんの声まで幅広く掲載されておりこのホームページをみれば私がどのような人間で、どれだけ手術を行ってきたか、その満足度は如何ほどかをすべて知ることができます。患者さんに私のことを知っていただくツールとしては評価されているのかもしれません。

河野道宏先生自ら創り、開設したHPのトップ画面

HPはこちらより:http://plaza.umin.ac.jp/KOHNO/

最高の医療かどうかは医者ではなく、患者が判断する

患者さんにとって最高の医療を提供することが私の信念です。しかし、医師にとって高いレベルの医療を提供できていることが前提の話で、いくら医師である私が満足しても、患者さんが喜んでいなければその医療には意味がありません。では、どうすれば患者さんに喜んでもらえるのか?

これは、医師が患者さんの目線に立てばおのずとわかることです。

最高の医療が何であるか。それは医師が決めることではなく、患者さんが決めることです。たとえば、手術だけして術後の管理は人にまかせっきり、という医師に対して、いくら手術の出来がよくても患者さんは良い印象を抱きません。術後管理を徹底し、退院後も支障なく生活ができるようにトータルでサポートして初めて「最高の医療」と感じるのではないでしょうか。私自身も手術後は必ず病院に泊まり、何度か直接、自分の目で患者さんの状況を確認するようにしています。また、自分で手術をした患者さん全員には、年に一度外来受診していただき、フォローアップは私自身が行っています。自分が患者さんであれば手術を担当した医師にずっと診てほしいと思うはずですから、途中で担当医を交代することはありません。

外来だけで1500人以上の患者さんを診ていることになりますが、わざわざ遠くから来てくださった患者さんの気持ちを考えればそれが当たり前の行動だと思っています。いずれ限界が来るかもしれませんが、それでも患者さんの診療を放棄することはしないつもりです。

例えば、手術を受ける前に、患者さんは主治医の情報を探したいと思うはずです。そのためには医師の情報開示が重要になります。

また、手術直前には執刀医として直接患者さんと話し、説明をする。手術後は患者さんが落ち着くまで定期的に様子を見にうかがい、何かあったときに患者さんが相談できる仕組みを整える。こうした医師であれば、患者さんは安心して治療を受けることができるでしょう。

毎日面白くて、毎日が達成感にあふれる

聴神経腫瘍・頭蓋底腫瘍を専門としてからは毎日が手術と臨床の日々で、患者さんに「ありがとう」という感謝の言葉をいただくたびに、自分の手術で患者さんが笑顔になることの喜びを感じ、それが毎日の原動力になっています。

自分自身の手技に関しては自信がありますし、手術時間も究極まで短縮することで患者さんの負担の最小化に成功しています。最近では、自分を追い越す若手医師を育てることに力を注いでいます。

教授としての4年間、若手医師に私自身の手術を見せてきました。現在では、中堅どころの医師に直接手術手技の伝授を開始しています。あと数年すれば我々はとても強いチームに成長していると確信しています。

外科医は患者さんに信頼されて初めて手術をさせてもらえる

若手医師の教育にあたり、意識しているのはその人の人に配慮する力です。手術を受けるかどうかは患者さんが決めることですから、どれだけ腕が良い医師でも患者さんに信頼されなければ手術はできません。患者さんに信頼されない医師には、いくら技術を教えても意味がないのです。

そのため若手医師には、コミュニケーションを重視した教育を行っています。患者さんに医師としてだけではなく一人の人間として向き合い、患者さんが安心して身を任せられるような雰囲気や接し方は、単なる知識や手技よりも大事なことと考えています。患者さんに対する優しさと心づかいを持てない外科医は、手術の土台にすら立つ資格はありません。

今まで数十年をかけて学び、経験し、培ってきた私自身の医師としての信念や技術を惜しみなく受け取ってもらいたい。今はこの思いを胸に抱き、後進の育成に励んでいます。

 

東京医科大学 脳神経外科学分野」のFBのページはこちらより

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