舌が白い:医師が考える原因と対処法|症状辞典

舌が白い

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 痛み、ひび割れなどがある
  • 味がわかりにくい
  • 舌だけでなく頬の粘膜などにも白い部分があり時間がたってもなくならない

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • うがいや舌磨きなどでよくなり、その後繰り返さない

[医師監修] メディカルノート編集部

舌は筋肉で形成されており、多様な動きをすることで円滑な咀嚼(そしゃく)や発声を可能にします。また、舌には味覚を感知する「味蕾(みらい)」が分布しており、飲食物を味わう器官でもあります。健康的な舌の色調は淡紅色ですが、舌は体調の変化によって色が変化しやすく、東洋医学では「舌色」は体調を示す重要な指標として視診の項目とされています。

  • 舌が白く、口臭を伴う
  • 舌の一部に白く、痛みを伴う潰瘍(かいよう)のような病変がある
  • 舌だけでなく口腔粘膜も白くなっている

こういった場合、どのような原因が考えられるでしょうか。

舌の表面には多くの「舌乳頭(ぜつにゅうとう)」と呼ばれる突起があり、体調によって色調に変化がみられます。特に多くみられるのは白色舌ですが、中には病気が原因になっているものがあります。

舌が白くなる病気の中には、舌自体の病気が潜んでいる可能性があります。

舌がん

舌の前側3分の2と舌の縁にできるがんです。50代以降の男性に多くみられ、虫歯や歯並びの乱れ、合わない入れ歯、飲酒や喫煙などによる物理的な刺激が発症に関与していると考えられています。

発症初期は舌にしこりが形成されるのみで、痛みや出血などは伴いません。一方、進行するとがんの病変部に表面が白い潰瘍が形成されて痛みや出血が生じやすくなり、腐敗臭を放つようになります。また、頚部(けいぶ)リンパ節転移によるしこりがみられることも少なくありません。

舌がん
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アフタ性口内炎

一般的な口内炎であり、5mm程度の白い偽膜(ぎまく)を形成します。原因はさまざまですが、口腔内環境の不衛生さや偏った食事、ストレスなどが挙げられます。

舌だけでなく、口腔粘膜や歯肉などにも形成され、強い痛みを伴うことがあります。また、悪化すると潰瘍化して瘢痕(はんこん)(あと)を残すこともあります。

アフタ性口内炎
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白板症(はくばんしょう)

ビタミン不足、虫歯や歯並びの乱れ、喫煙などの刺激によって舌の表面が角化したり肥厚(ひこう)したりすることで白い板が付着したようになる病気です。舌がんの前兆とも考えられており、舌の縁や下面にできた白板症は約10%ががん化するとされています。

白くなった部位は擦っても取り除くことはできませんが、痛みなどの随伴(ずいはん)症状はみられないため、病変に気づかないケースも多いとされています。

白板症
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口腔カンジダ

カビの一種であるカンジダが口腔内に感染する病気です。重度な糖尿病や抗がん剤治療中など免疫力が低下した方がなりやすく、特に乳児で発症するものを「鵞口瘡(がこうそう)」と呼びます。

白い変色は口腔粘膜に広がることが多く、固く乾燥した塊を形成します。無理にはがそうとすると出血や痛みを伴うことがあり、乳幼児では哺乳力の低下による体重減少につながることも少なくありません。

口腔カンジダ症
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舌が白くなる病気には、全身性の病気が潜んでいる可能性もあります。

ベーチェット病

自己免疫の異常による病気のひとつです。口腔内のアフタ性潰瘍、皮疹、ぶどう膜炎、外陰部潰瘍が主な症状であり、その他にも消化管出血や関節炎など全身にさまざまな病変を引き起こします。口腔内のアフタ性潰瘍は表面に白い偽膜を形成し、強い痛みを伴うのが特徴です。このため、十分な飲食ができず体重減少や脱水を招くことがあります。

ベーチェット病
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シェーグレン症候群

自己免疫の異常による病気のひとつです。慢性唾液腺炎による唾液の減少、角結膜炎による目の乾燥が主な症状です。舌の表面には飲食物や唾液による汚れなどが蓄積しやすく、唾液量が減少することで汚れがさらに蓄積しやすくなって舌が白くなることがあります。

シェーグレン症候群では、このほかにも、関節炎や甲状腺炎、胃炎、皮疹、血管炎などさまざまな症状が引き起こされます。

シェーグレン症候群
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舌は表面に細かい突起が多く存在しており、飲食物などで汚れが蓄積すると白くなることがあります。舌が白くなったり、口内炎など痛みを伴う白い変色がみられたりすることはよくあるため、軽く考えてしまいがちです。しかし、何らかの病気が潜んでいる可能性もあり、症状が長引く場合や再発を繰り返す場合は病院を受診することがすすめられます。

受診に適した診療科は口腔外科ですが、まずは一般的な歯科医院を受診してもよいでしょう。また、舌の症状以外に全身に何らかの症状がある場合は内科や総合診療科を受診するのもひとつの方法です。

受診した際には、舌が白くなった時期や期間、舌の変色以外の症状、舌ブラシなどの対処法を行っても改善しないかなどを詳しく医師に伝えるようにしましょう。

舌は日常生活上の習慣によって白くなることがあります。主な原因は以下の通りです。

口腔内の衛生が保たれていない状態が続くと、舌乳頭に飲食物や粘膜のカスが蓄積して「舌苔(ぜったい)」を形成するようになります。舌苔は口臭や炎症の原因になることもあります。

舌苔が溜まったときには

舌苔が目立つ場合には、舌ブラシなどで除去することができます。しかし、舌乳頭に張り付いた舌苔は時間が経過するほど取りづらくなり、無理に擦ると舌の粘膜を傷つけることがあります。舌苔を予防するためにも、日頃から丁寧な歯磨きなどの口腔ケアを心がけるようにしましょう。

口腔内が乾燥していると舌乳頭に付着した汚れが流れにくくなり、舌が白くなる原因になることがあります。特に、口呼吸やいびきを指摘されたことがある方は注意が必要です。

口腔内が乾燥しているときには

口腔内の乾燥を防ぐには、適度な水分補給と室内の加湿が必要です。また、外出時などはマスクを着用したり、ガムや飴などをこまめに口に入れたりするのもおすすめです。

日常生活での習慣を改善しても症状がよくならない場合には、何らかの病気が潜んでいる可能性もあります。中には、がんなど重篤な病気が原因のこともありますので放置せずにそれぞれの症状に合った診療科を受診して、診察・治療を受けるようにしましょう。