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顔の乾燥:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典

顔の乾燥

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 赤み、かゆみ、粉ふき、発疹、痛み、ヒリヒリした刺激感などがある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 保湿などですぐに改善する

聖マリアンナ医科大学皮膚科 教授

門野 岳史 先生【監修】

顔は常に外気や紫外線などの刺激に晒され、皮脂分泌も多い部位であるため、さまざまな皮膚()トラブルを起こします。中でも、顔の乾燥はよくみられるトラブルのひとつであり、身近な症状です。

顔が乾燥する原因は、間違ったスキンケアなどの生活習慣や病気など多岐に渡ります。

  • 顔に強いかゆみを伴う乾燥が生じて、湿疹ができる
  • 顔が高度に乾燥して肥厚()した角質層がボロボロと崩れる
  • 春になると、くしゃみや鼻水などの症状と共に顔も乾燥する

これらの症状がみられた場合、どのような原因が考えられるでしょうか。

顔の皮膚()に乾燥を引き起こす原因は多岐に渡ります。多くは生活習慣が関与していると考えられますが、中には以下のような病気が原因のこともあります。原因となる主な病気には以下のようなものが挙げられます。

顔の乾燥は、顔の皮膚に生じる病気が原因のことがあります。原因となる主な病気は以下の通りです。

乾燥性皮膚炎、皮脂欠乏症

皮脂の分泌量が減少することで皮膚のバリア機能が低下し、皮膚の水分保持量が減少する病気です。その結果、些細な刺激でかゆみやヒリヒリとした痛みなどを引き起こし、悪化するとびらんや湿疹などの皮膚病変がみられるようになります。冬の乾燥しやすい時期に症状が生じやすいです。

乾皮症
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接触皮膚炎

特定の物質が皮膚に触れることで、炎症を引き起こす病気です。一般的には、かぶれと呼ばれるもので、かゆみや痛み、発赤などの症状を引き起こします。また、重症な場合には皮膚の強い乾燥やびらん、水疱(すいほう)などの病変を形成することも少なくありません。

かぶれ
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アトピー性皮膚炎

皮膚に慢性的な炎症が生じる病気で、乳幼児に多く発症します。皮膚のバリア機能の低下やアレルギー体質などが発症に関与すると考えられており、皮膚のかゆみや乾燥、ジュクジュクとした湿疹が現れます。また、皮膚を掻きむしることで角質層が肥厚し、将来的に色素沈着を起こすことも多々あります。

アトピー性皮膚炎
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魚鱗癬(ぎょりんせん)

皮膚に重度な乾燥を引き起こす病気で、皮膚に魚のうろこのような鱗屑()を生じるのが特徴です。遺伝や薬物の副作用などが発症に関与していると考えられており、重症度や病変が生じる範囲は病気のタイプによって異なります。

顔にも発症するタイプがあり、皮膚の表面が硬くザラザラして、厚くなった角質層がボロボロと崩れるように()がれ落ちます。また、皮膚のバリア機能が著しく低下するため、さまざまな皮膚感染症にかかりやすくなるのも特徴です。

顔の乾燥は、皮膚以外の部位に生じる病気によって引き起こされることがあります。原因となる主な病気は以下の通りです。

脱水症

水分摂取量の不足や大量の発汗、嘔吐、下痢などによって体内の水分が減少する病気です。脱水症では発汗量の減少によって皮膚の乾燥を引き起こすことがあります。その他にも、唇や舌の乾燥、めまい、脱力感などの症状が現れ、重症化すると体温の上昇や吐き気、けいれん、意識消失などを引き起こすことも少なくありません。

甲状腺機能低下症

自己免疫の異常や甲状腺の炎症などによって甲状腺の機能が低下し、全身の新陳代謝を()る甲状腺ホルモンの分泌が減少する病気です。女性に多くみられ、甲状腺ホルモンが減少することによって、むくみや体重増加、便秘などの身体症状、抑うつ気分や過眠などの精神的な変調を引き起こすのが特徴です。また、皮膚の新陳代謝も低下することでカサカサとした乾燥肌を生じやすくなるとされています。

甲状腺機能低下症
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顔の乾燥はよくみられるトラブルですが、思わぬ病気が潜んでいる場合もあり、症状が長引く場合は病院を受診することがすすめられます。

特に、顔に湿疹や発赤など何らかの皮膚()症状がある場合、セルフケアを行っても乾燥が一向に改善しない場合、何らかの全身症状を伴う場合には、早めに病院を受診するようにしましょう。

受診に適した診療科は皮膚科ですが、何らかの全身症状がある場合は内科などで相談するのもひとつの方法です。また、美容的な変調が強く気になる場合には美容外科などを受診してもよいでしょう。

受診の際には、いつから乾燥が気になっているのか、乾燥の誘因、随伴する症状、現在罹患()している病気などを詳しく医師に説明するようにしましょう。

顔の乾燥は、日常生活上の好ましくない習慣が原因のことが多々あります。原因となる主な習慣とそれぞれの対処法は以下の通りです。

顔の皮膚は環境の影響を受けやすいため、非常に乾燥しやすい部位です。このため、入浴後などには保湿効果のある化粧水などでセルフケアを行う必要があり、ケアが不足した状態が続くと乾燥を引き起こすことがあります。

十分なセルフケアをするには

入浴後や洗顔後など皮脂を洗い流した状態のときには、乾燥が悪化することがありますので速やかに保湿効果の高い化粧品を使用しましょう。また、空気が乾燥しやすい冬場や冷房の効いた夏場などはこまめにミスト式の化粧水などを使用して皮膚に水分補給するのも効果的です。

顔は常に外界に露出しているため、外界の環境の影響を受けやすい部位です。このため、秋から春にかけての乾燥しやすい時期や冷房による風に当たりやすい夏には顔が乾燥しやすい傾向があります。

空気の乾燥を防ぐには

空気が乾燥しやすい季節には、加湿器や濡れタオルなどを用いて室内の湿度を適度に保つようにしましょう。また、外出時にはマスクを着用するのも有用です。

一方、夏には冷房の風が直接当たらないように注意しましょう。

肌質に合っていない化粧品を長期間使用すると、皮膚に慢性的な炎症を引き起こして乾燥しやすくなることがあります。

肌に優しいケアを行うには

化粧品は肌に刺激が少ないものを選び、初めて使用するものは少量を手の甲などにつけて刺激がないか確かめてから顔に使用するようにしましょう。また、万が一顔に刺激がある場合には速やかに化粧品を洗い流し、ヒリヒリとした痛みが続く場合には病院を受診することが大切です。

日常生活上の対処法を講じても症状が改善しない場合は、思わぬ病気が潜んでいる可能性もあります。早急な治療を要する場合もありますので、看過せずに早めにそれぞれの症状に適した診療科を受診するようにしましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。