顔のむくみ:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
美容上の理由から顔のむくみを気にする人も多いかもしれません。しかし、場合によっては何らかの病気が原因となっていることもあります。
こういった症状がみられるとき、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか。
顔のむくみは何らかの病気によって引き起こされることもあります。
顔のむくみを起こす病気のうち、頻度の高いものには次のようなものがあります。
生理前になると不快症状が現れる病気です。顔のむくみ、頭痛、肩こり、肌のトラブル、お腹のハリ、イライラ、注意力低下、不眠、過眠といった幅広い症状が現れます。
生理前の3~10日続き、生理開始とともに症状が軽くなることも特徴です。
全身の細胞を活性化する「やる気ホルモン」と呼ばれる甲状腺ホルモンが少なくなる病気です。顔のむくみ、まぶたの腫れ、声がかすれる・低くなる、皮膚がカサカサするといった症状が見られます。物忘れ、疲労感、月経異常などを伴うこともあります。また、食欲が低下しているのに体重が増えている場合なども注意が必要です。
顔のむくみの原因となる皮膚の病気にはさまざまなものがあります。アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、蕁麻疹、蜂窩織炎・丹毒などが代表的です。
顔がむくむだけではなく、赤み、腫れ、発疹などを伴うことも少なくありません。
ほかにも以下のような病気によって顔がむくむこともあります。
血液を全身へ送り出す、心臓のポンプ機能が低下している状態です。階段の途中で息切れをしたり、疲れやすくなったりします。腎臓への血流が少なくなり、尿が減って水分が体内に貯まることで顔や足の甲などにむくみが出て体重が増えることも特徴です。
腎臓の機能が低下する腎不全、肝臓の機能が低下する肝不全も顔のむくみの原因です。いずれも顔のむくみ、だるさ、吐き気、手足のむくみ、体重の増加などが起きることがあります。
薬の副作用によって顔がむくむこともあります。代表的なものは副腎皮質ステロイド剤ですが、非ステロイド鎮痛剤でも尿の排出が少なくなることで顔にむくみが起きる場合もあります。また、血圧を下げる薬や漢方薬などでむくみが起こることもあります。
新しく薬を使用してむくみが出たときは、処方された病院にできるだけ早く相談しましょう。
コルチゾールというホルモンが過剰に分泌される病気です。コルチゾールはストレスがかかったときに心身を守る役目がありますが、多すぎると顔のむくみ、ニキビなどを引き起こします。
まぶたや唇などの顔面、のど、手足、胃腸などが発作的に腫れる病気です。唇やのどが腫れると息が苦しくなり窒息することもあります。原因には、薬や食物などのアレルギーによるものが多いといわれています。多くの場合には、蕁麻疹のようなかゆみや赤みを伴います。顔が腫れて息が苦しくなるような場合には急いで病院を受診しましょう。
顔のむくみが続いたり、手足のむくみや体重の増加、息苦しさなど、ほかの症状もあるような場合には受診した方がよいでしょう。どの病気が原因なのかによって適切な診療科は異なりますが、体の症状がある場合にはまずは内科、顔の皮膚の症状だけがある場合には皮膚科への受診がよいでしょう。医師にはいつからどの程度の顔のむくみがあるのか、ほかに気になる症状はいつから、どんなものがあるのかなどを伝えるようにしましょう。
日常生活に原因があって顔がむくむこともあります。顔のむくみがあるときには、手足などのほかの場所のむくみの様子と毎日の体重の変化をみておきましょう。
水分やアルコールを摂取しすぎても顔がむくみます。
水分を補給するときは一度に大量に飲むのではなく、こまめに飲むようにしましょう。とくに就寝前は翌朝のむくみの原因となるので、控えめにするとよいでしょう。
また、アルコールの飲み過ぎにも注意しましょう。自分にとっての適量を知り、飲みすぎないことも大事です。
塩分の取り過ぎもまた、むくみの大きな原因です。
毎日の食生活を見直しましょう。減塩しょうゆ、減塩みそなどを使うと効率的に塩分を控えることができるといわれています。また、味つけを塩分だけに頼らず、お酢や香辛料などで工夫するのもよいでしょう。カルシウム、マグネシウムなどのミネラルをバランスよく取るように努めてください。
日常生活でできる対処法を試しても症状がよくならない場合は、一度病院で相談するようにしましょう。