顔が痛い:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
顔は常に外気に晒
されていることから、寒さや日焼けなどによって痛みを感じることも比較的多いのではないでしょうか。
こういった場合に考えられる原因には、どのようなものがあるでしょうか。
外からの刺激などによって、日常的に顔に痛みを感じることもありますが、中には、痛みの原因が以下のような病気であることがあります。
鼻の穴の中のことを鼻腔といい、その周りにある骨で囲まれている空洞を副鼻腔と呼びます。副鼻腔は目頭や目の下、額に伸びていて、左右それぞれ4つの空洞で構成されています。4つ空洞のうちのいずれかが細菌やウイルスに感染して炎症が起こる病気が副鼻腔炎です。主な症状は鼻づまり、粘り気のある鼻水、後鼻漏(喉に鼻水が流れる)、痰、咳などで、炎症が進むと額や目の下、額など炎症部分に痛みを伴うこともあります。
顔の感覚を脳に伝える三叉神経に痛みが生じる病気です。
電流が走ったような、あるいは、突き刺されるような強い痛みを感じます。痛みは、何らかの刺激が引き金となって生じ、数秒から数十秒ほど続くのが特徴です。
痛む部位は前頭部や頬、顎のあたりなど人によって異なりますが、特に片側の頬や顎のあたりに多く現れるとされています。
三叉神経や顔面神経の支配する顔の領域に帯状疱疹が起こると、はじめはピリピリ、チクチクしたような痛みが起こります。時間経過と共に赤い発疹、水疱が出てきます。
眼の付近に帯状疱疹が起こると、角膜炎、ぶどう膜炎を起こすことがあるので迅速な治療が必要です。左右どちらかの片側性に起こり、両側性に起こることはまれです。
歯や歯茎など口の中、顎、首、顔などの口腔顔面領域に現れる痛みの総称です。痛みはピリッとした感じや鈍い感じなどさまざまで、多くは歯を中心に起こります。
原因は、虫歯や歯周病などの歯科的なものではなく、口腔顔面領域の神経痛、帯状疱疹、片頭痛・群発頭痛、側頭動脈炎、精神疾患、悪性腫瘍などであるとされています。
蜂窩織炎は細菌感染などによって皮膚の深部から皮下の脂肪組織にかけて炎症を起こす病気です。丹毒は化膿性レンサ球菌によって皮膚の表面、真皮など少し浅い部位に炎症を起こします。
両者ともに顔に発症することもあり、炎症した部分が赤く腫れて、触ると痛みを感じます。また、炎症範囲が広いと発熱や寒気、体のだるさ、関節痛などの全身症状を伴う場合もあります。
顔の毛細血管が拡張することで、皮膚が赤くなる病気です。
症状は、鼻を中心に頬や額、口周りなどに現れ、腫れたような皮膚の盛り上がり、ヒリヒリとした痛み、ほてり感などを伴うこともあります。
また、酒さのような症状が現れる病気に「酒さ様皮膚炎」があります。ステロイド軟膏の長期使用が主な原因で、薬剤を塗る部位に一致して皮膚症状が現れます。
顔の痛みが強い場合、弱くても長く続いている場合、他の症状がある場合には、一度病院を受診するのが望ましいでしょう。
原因によって専門科目が異なりますが、初めに受診する診療科としては、顔の痛みが主な症状であれば内科、顔の痛みのほかに痛みや赤みなどの皮膚症状があれば皮膚科がよいでしょう。
受診の際には、顔の痛みが出始めた時期、痛み方(ピリピリ・チクチク・鈍いなど)、他の症状などについて、分かる範囲で医師に詳しく伝えるとよいでしょう。