インタビュー

下肢静脈瘤の治療(1)

下肢静脈瘤の治療(1)
阿保 義久 先生

北青山Dクリニック 院長

阿保 義久 先生

この記事の最終更新は2015年11月03日です。

下肢静脈瘤の根治的治療の中心であったストリッピング手術の他にも、これまでいくつかの治療が行われてきました。高周波やレーザーによる治療が主流となった現在でも、ケース・バイ・ケースでさまざまな治療を組み合わせて行なうことがあります。下肢静脈瘤治療の第一人者である北青山Dクリニック院長の阿保義久先生にそれぞれの治療法についてうかがいました。

弾性包帯や弾性ストッキングなど、医療用の弾性着衣で脚全体を圧迫することで静脈の還流を助け、血液の循環をスムーズにします。医療機関を受診のうえ、適切なサイズ・着圧の弾性ストッキングを着用することで、より高い効果を得ることができます。

ただし根本的な原因である血管の治療ではありませんので、弾性ストッキングの着用によって下肢静脈瘤が完治することはありません。あくまでも予防や進行の防止、術後の再発防止を目的として使用します。

静脈の中に硬化剤を注射した後、皮膚の上から圧迫して血管の内側の壁をくっつけます。閉塞して固くなった血管はやがて組織に吸収されて消えてしまいます。注射による施術のため治療時間も短時間で済み、手術のような傷を残さず身体への負担が少ないというメリットがあります。ただし、治療後も硬化するまで圧迫を続ける必要があります。

硬化療法は、軽症で細い静脈瘤の場合にはさほど問題はありませんが、重症および大きな静脈瘤の場合にはいくつかの問題があります。まず治療後に血栓ができて炎症を引き起こすことが多く、その後色素沈着が残ります。また、できた血栓が肺に飛ぶ可能性もあります。

鼠径部(そけいぶ・脚のつけ根)にある深部静脈と表在静脈の合流部分を縛り、血管を部分的に切除して断端を結紮(けっさつ・縛ること)、血液の逆流を止める治療方法です。

局所麻酔下で鼠径部を切開し、患部である静脈を5cmほど切除、断端を縛って静脈瘤を作っている血管を切り離します。切開部分の傷も数cmと小さく、局所麻酔下で行うため日帰りによる治療が可能であるというメリットがあります。

しかしながら、高位結紮術はそれ単独では治療効果が十分高いとはいえません。静脈を縛る箇所を増やし、硬化療法と併用しても再発率がかなり高いというデメリットがあります。

脚のつけ根と足首の2か所を切開し、血管の中に通した手術用ワイヤーを用いて、弁不全を起こした静脈を引き抜く手術です。下肢静脈瘤の根治的治療として、100年以上も前から行われてきました。最も太い静脈瘤を形成する伏在型静脈瘤に対してよく行われた治療方法です。

ストリッピング手術は伏在型静脈瘤に対する根治治療と定義され、血管内レーザー治療で対応できない大きな静脈瘤にも対応できる有効な治療方法です。しかし、術後の痛みや出血、神経障害などの合併症が起きるリスクがかなりあります。最近では手術でできた傷の修復反応で血管新生(血管が新しく作られること)が起き、そこに静脈瘤が新たに発生するという形での再発が注目されています。

北青山Dクリニック 下肢静脈瘤レーザー治療センターのHPはこちら

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