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インタビュー

下肢静脈瘤の種類と検査・診断―何科を受診する?

下肢静脈瘤の種類と検査・診断―何科を受診する?
阿保 義久 先生

北青山Dクリニック 院長、東京大学 医学部腫瘍外科・血管外科非常勤講師

阿保 義久 先生

下肢静脈瘤にはいくつかの種類があり、個人差による症状のバリエーションも多い病気です。同じような症状がみられる他の病気と混同してしまう可能性もあります。下肢静脈瘤の種類とその検査・診断について、北青山Dクリニック院長の阿保義久先生にお話をうかがいました。

下肢の静脈は深部静脈系と表在静脈系に分けられ、下肢の血流のほとんどは深部静脈を介して心臓に戻ります。静脈瘤ができるのは下肢の血行の約一割を担う表在静脈です。表在静脈のうち最も高い頻度で静脈瘤ができるのが大伏在静脈です。大伏在静脈は足首の内側から下腿・大腿の内側を通って脚のつけ根で深部静脈に合流する表在静脈で、その本幹や枝分かれしている血管に発生するのが大伏在静脈瘤です。発生部位は下腿から大腿部内側、下腿の外側、大腿部の背側になります。

小伏在静脈瘤は、大伏在静脈瘤の次によく見られる静脈瘤です。小伏在静脈はアキレス腱の外側から上行して膝の裏で深部静脈合流する表在静脈です。発生部位は大伏在静脈瘤と同様ですが、足首の後ろや膝の後ろになります。

伏在静脈の本幹から枝分かれした静脈が拡張してできたものをいいます。主に膝から下の部分に見られ、伏在静脈瘤よりやや細いのが特徴です。

卵巣や子宮の周囲の静脈から逆流してきた血液によってできる静脈瘤です。月経時などに卵巣や子宮への血行が増えると症状が強くなります。ボコボコとした蛇行血管が脚のつけ根から大腿の裏側を斜めに走って下腿まで広がる場合は、陰部静脈瘤が疑われます。

網目状静脈瘤は細い皮下静脈(径2~3㎜)が網目状に広がっている静脈瘤です。クモの巣状静脈瘤は、網目状のものより細い真皮内静脈瘤(径0.1~1㎜)です。網目状静脈瘤・クモの巣状静脈瘤のいずれも、伏在静脈瘤のようにボコボコと盛り上がることはありません。

ドプラー血流計は、赤血球に超音波をあてて、血液の流速の変化を音としてあらわし、その音の変化によって、血管内で逆流が起きているかどうかを調べるものです。探触子(プローブ)という器具を皮膚の上からあて、ふくらはぎを手でつかむように圧迫すると、血液が上に押し上げられてザッという短い音がします。次に手を離して圧迫を解いたとき、血液が逆流していなければ音はしませんが、逆流があったときはザーッという長い音がします。

カラードプラー検査は、エコー(超音波検査)と同様に超音波を利用して血液の流れをカラー画像で表示するもので、異常が視覚的にわかります。探触子(プローブ)と呼ばれる器具を皮膚の上からあて、画面に映し出された映像で判断します。

画像で血管の短軸像(輪切りの状態)と長軸像(血管の走っている方向に切った状態)を観察します。血液の流れを色分けして表示するだけでなく、音や波形でも逆流の有無を確認できます。他にも、血管の内径を測ったり、血流の流速を測定することもできます。画像で記録に残すことができ、ほぼすべての下肢静脈瘤の診断はこの検査のみで可能です。

ドプラー血流計やカラードプラー検査が血液の逆流を調べるのに対し、容積脈波検査は、静脈の機能をくわしく調べる検査です。脚にマンシェットという空気で膨らませるカバーを巻いてつま先立ち運動をします。運動による静脈の容積変化を調べることで、筋肉のポンプ機能や血液の逆流の有無がわかります。短時間でできる簡易な検査ですが、下肢静脈瘤が発生している部位などを詳しく調べる目的には向いていません。

足が疲れる・つりやすい・むくみ・しびれ・痛みなどは下肢静脈瘤の典型的な症状ですが、以下のような他の病気が原因となって起こる場合があります。医療機関を受診してきちんと診断してもらうことが大切です。

下肢静脈瘤は、一般的には「血管外科」「心臓血管外科」「外科」が対応します。もし血管外科が近くにない場合は、まずは「外科」を受診しましょう。また、レーザー治療が普及し始めてから、形成外科や放射線科、皮膚科でも治療を行う場合があるそうですが、一般的ではありません。

たとえば、上記で挙げたような疾患は、「下肢静脈瘤だと思ったら椎間板ヘルニアだった」ということはあまりなく、しびれや潰瘍があってほかの診療科を受診したら「本当は下肢静脈瘤だった」というパターンも非常に多く見られます。その時に訪れた医療機関が正しく診断できれば問題ありませんが、下肢静脈瘤の可能性を知っておくだけで、患者さん自身がセカンドオピニオンを選択することも可能になります。

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