喉が渇く:医師が考える原因と対処法|症状辞典

喉が渇く

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 大量に水分を摂っても喉の渇きが取れない
  • 喉の痛み、腫れなどで水分を摂ることができない
  • 高熱、尿があまり出ないなどの症状がある

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 以前と比べ、ジュースや炭酸飲料の摂取量が増えている
  • 水分や氷を常に摂っている

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 一時的なもので、水分補給すればおさまる

メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】

食事に含まれる水分を除き、平均的な人でおよそ1日に約1000mL以上の水分を摂取しているといわれています。この量を大きく超えて水分を摂っても喉が乾く場合、何らかの病気である可能性も考える必要があります。

  • 最近よく喉が乾いて、気づいたら日にジュースや水を何本も飲んでいる
  • 十分水分を摂ったのに、喉の渇きがとれない
  • 唾液があまり出ず、口が乾いて仕方ない

このような症状があるとき、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか。

喉の渇きを引き起こす主な病気としては次のようなものがあります。

脱水症

体の水分が汗などで失われ、不足している状態です。血圧が低下したり、だるさ、立ちくらみ、皮膚や口の乾燥、脱力などの症状が現れます。熱中症などによって引き起こされている可能性もあるため、意識がもうろうとしているような様子や、自力で水分があまり取れないような様子があれば、すぐ受診しましょう。

熱中症
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発熱

一般的に35℃~37℃程度が平熱といわれる事が多いですが、これよりも体温が高くなった状態のことです。ウイルス、細菌への感染の他、何らかの炎症が原因となっていることもあります。

喉の渇きの他、食欲不振、ふるえ、頭痛、腹痛などの症状が見られることもあります。  

糖尿病

インスリンの不足により血糖値が慢性的に高くなる病気です。遺伝的な影響もありますが、食生活、運動不足、肥満などによって起きる生活習慣病でもあります。

ほとんどの場合、初期はこれといった症状はありませんが、進行するに従って喉の渇きや多飲多尿、夜間の頻尿、疲労感などが出現することがあります。

糖尿病
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更年期障害

年齢によるホルモンバランスの変化を原因とした、様々な不快な症状を起こす状態です。

のぼせ、ほてり、発汗、不眠、抑うつが5大症状といわれていますが、ほかにも喉の渇き、イライラなどが見られることもあります。

病院で検査をしてもとくに異常が出ないことも特徴ですが、心当たりがあれば婦人科で相談してみるとよいでしょう。

更年期障害
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上記の病気に比べるとまれですが、次のような原因で喉が渇くこともあります。

シェーグレン症候群

自己免疫疾患のひとつで、涙腺と唾液腺に異常を引き起こします。口や目の乾き、関節痛、筋肉痛などが特徴です。

主に50代で発病し、男女比は1:14と女性に多い病気です。気になる症状があれば病院で相談してみても良いでしょう。

シェーグレン症候群
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尿崩症

ホルモンの異常により、大量の尿が排出されるようになる病気です。

尿が多いことにより喉の渇きが強くなります。尿の量に飲水量が追いつかないと脱水状態となり、血圧低下や頻脈、吐き気などの原因となることもあります。

尿崩症
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薬の副作用

アレルギー剤や高血圧の薬、胃薬などの一部で口が渇く副作用が出る事があります。また、抗不安薬や抗うつ薬などでも起こる事があります。

口が渇く副作用を起こす可能性のある薬は幅が広いため、もしなんらかの薬を飲んでいる時に口や喉が渇くという症状が現れたら、自分で薬を中止する前に処方された病院で相談するようにしましょう。自己判断で薬を中止することは元の病気を悪化させてしまう事もあるため注意が必要です。

水分をこまめに摂っているのに喉の乾きが取れない状態が続いているならば、一度病院を受診してみた方が良いでしょう。

受診の際には、「1日にどれぐらいの水分を摂っているか」「水、お茶、ジュースなどどんなものを飲んでいるか」「喉の渇き以外にどんな症状があるか」なども医師に伝えるようにすると診断の手がかりになる事があります。

日常生活の中にも喉の渇きの原因が潜んでいる事があります。

ストレスや緊張を強く感じる時にも喉が渇くことがあるといわれています。

ストレスや緊張で喉が渇くときは

注目を浴びたり、恥ずかしい思いをしたりといった一時的な緊張やストレスの場合には、深呼吸をしたり、目を閉じて気持ちを落ち着けるとよいでしょう。また、我慢せず水分をとりましょう。

空気の乾燥も喉の渇きを引き起こします。とくに乾燥の強い季節は注意した方が良いでしょう。

空気が乾燥しているときは

暖房で室内の空気が乾燥しやすい冬場は、加湿器などを導入するのもひとつの方法です。こまめな水分補給や、のど飴、マスクなども乾燥予防に効果的です。

カラオケ、スポーツ観戦などで声を出し続けた後も、喉の渇きを感じやすくなります。

よく喉を使ったときは

水分補給も大事ですが、無理に声を出そうとせず、喉をゆっくり休ませるようにしましょう。

塩分を取りすぎると血液中のナトリウム濃度が上昇して喉が渇きます。

塩分を取りすぎたときは

日頃から塩分の濃い食事や、外食やスナック菓子を控えるようにしましょう。また、カリウムには塩分を排出させる働きがあるため、カリウムの多い果物などを心がけてとるとよいでしょう。

日常生活で思い当たるところを改善しても、喉の渇きが良くならない時は何らかの病気が隠れている可能性もあります。そのような時には一度病院で相談してみましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。