いびき:医師が考える原因と対処法|症状辞典

いびき

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 呼んだり、強く叩いても目が覚めない

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 日中の眠気が強く、熟眠感がない
  • 夜間、呼吸が一時的に止まっていることがあると指摘された
  • パートナーと寝室を共にすることができないほどのいびきがある
  • 普段から口呼吸である

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 飲酒時や疲れているときだけで、普段はかかない
三代 康雄 先生

[監修] 三代 康雄 先生

兵庫医科大学病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

睡眠時の症状であるいびきは、本人が知らないうちに同居の家族などの睡眠を妨げたりしてしまうこともある厄介な症状です。通常、疲れているときや飲酒したときに出やすいといわれていますが、伴う症状によっては病気が隠れていることがあります。

  • 適切な睡眠時間をとっても眠くて仕方がない
  • いつも鼻がつまっているので口で呼吸している
  • 最近、なぜか集中力が落ちて仕事の効率が落ちている

このような症状が見られる場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。

いびきは「上気道」という鼻から喉頭までの空気の通り道が狭くなり、その狭窄部を空気が通るときに空気抵抗が大きくなり、粘膜が振動して生じる音です。

いびきが出るときに考えられる病気には次のようなものがあります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠時に極端に呼吸回数が減る、または呼吸が一時的に停止してしまう病気です。症状にはいびきのほか、日中の眠気や夜間頻尿、睡眠時の低酸素状態の影響による頭痛、集中力・記憶力の低下・高血圧・不整脈などが挙げられます。

この病気の原因として肥満やあごが小さい・首が短い・歯並びが悪い・扁桃肥大・アデノイド増殖症などがあります。

治療は原因や程度によってマウスピース、CPAP療法、手術などがあります。睡眠時無呼吸を放置すると、自動車運転中の事故や循環器系の疾患など命に関わる事態を招く事もあるため、病院での検査・治療が必要です。

アデノイド増殖症・扁桃肥大

鼻の奥にあるアデノイドとよばれる扁桃組織や、口蓋垂(のどちんこ)の両側の扁桃の肥大がいびきの原因になることがあります。特に子どものいびきの原因として最も多いのがアデノイド増殖症や扁桃肥大です。

年齢とともに小さくなりますが、先にあげた睡眠時無呼吸症候群や滲出性中耳炎の原因になる場合は手術で摘出します。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは、花粉やダニなどのアレルギー物質によって鼻粘膜にアレルギーが生じる疾患です。鼻粘膜にアレルギーが生じると、くしゃみや鼻水が頻繁に出るほか、粘膜の腫れで鼻の通りが悪くなり、いびきをかきやすくなります。さらに、頭痛や食欲不振、目・耳・のどのかゆみの随伴症状が現れることもあります。

鼻中隔湾曲

鼻中隔湾曲とは、左右の鼻の穴を隔てている仕切りの部分(鼻中隔)が強く曲がっている状態のことを指します。通常、多少曲がっていても何ら支障がないことがほとんどですが、強く曲がっている場合は鼻の通りが悪くなることで、いびきをかきやすくなります。

このほか、嗅覚障害や頭痛、鼻血が出やすくなるなどの症状が現れることもあります。

治療を行う場合は、鼻の通りをよくするために骨の一部を切除する手術を行うのが一般的です。       

いびきがひどいと家族などから指摘された、睡眠時間は足りているのに眠気が取れないなどの場合には受診しましょう。特に睡眠時無呼吸症候群は放置すると危険です。睡眠検査を行っている医療機関(耳鼻咽喉科や内科など)を受診しましょう。検査には入院しないで行う簡易検査と入院して行う精密検査があります。

また、いびきに伴って鼻づまりなどの症状がある場合にも一度受診しておくとよいでしょう。

受診科目は耳鼻咽喉科で、受診時にはいびきの程度や頻度、眠気や鼻づまりなど他の症状があるかどうかを伝えるようにしましょう。いびきは自分ではわかりづらい症状ですので、可能であれば夜間の様子を知っている家族などと一緒に受診できるとよいでしょう。またスマホなどで睡眠時の状態を録画したり、いびきの音を録音したりして受診するのもよいでしょう。

いびきをかく原因は、日々の生活に存在していることもあります。

肥満で喉に脂肪がついたことで気道が狭くなると、いびきをかきやすくなります。

健康的なダイエットのために

食事や運動、生活サイクルなど、生活習慣全般の改善を目指しましょう。

食事の内容を見直す、外食の機会を減らす、なるべく運動する時間をつくる、早寝早起きを心がけるなどが例です。また、減量がうまくいかない場合は医師に相談することも選択肢のひとつです。

仰向けで寝ると首や喉あたりに重力がかかり、気道が狭くなります。そうすると息が通りにくくなり、いびきをかきやすくなってしまいます。

眠る時の姿勢の工夫

横向きで寝るなどの工夫をしましょう。抱き枕などを使って横向きで寝ると体勢が楽になります。

また、気道がふさがらないように枕の高さを調節するのもよいでしょう。

アルコールと喫煙はそれぞれ舌や喉の筋肉を緩めるため気道を狭めてしまい、結果的にいびきをかきやすくしてしまいます。

飲酒や睡眠薬が原因かなと思ったら

過度な飲酒はしないように心がけることが大切です。また、飲酒する場合も、寝る直前は控えた方がよいでしょう。

また、睡眠薬を使っている人でいびきのために熟眠感があまりないなどの場合には、処方を受けている医師に相談しましょう。

口呼吸をするために口が開いていると、喉や舌の位置が奥に落ちるため、気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。

口呼吸を改善するには

なるべく鼻で呼吸するようにしてみましょう。鼻づまりなどで鼻呼吸が難しい場合は耳鼻咽喉科での治療が必要な場合もあります。

また、歯科や耳鼻科によっては鼻呼吸のトレーニングについての相談を受け付けていることもあります。

以上の対処法を行っても症状の改善が見られない場合は、思いもよらぬ原因が隠れている場合もあります。一度病院で相談してみましょう。