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公開日 : 2016 年 12 月 26 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

胃食道逆流症という病気は、かつて逆流性食道炎と同義語でしたが、現在ではより多彩な病態、症状を示すことがわかってきました。テレビや雑誌などで一度はこの病名を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

胃食道逆流症とは、胃の内容物が食道に逆流することで生じる様々な病態の総称です。コマーシャルなどの情報から「生活習慣が乱れた大人の病気」とイメージする方が多いかもしれませんが、胃食道逆流症は赤ちゃんや子どもに、より頻繁に起こります。赤ちゃんの胃食道逆流症は基本的に自然治癒しますが、まれに乳幼児突発性危急事態(ALTE)という危険な状態に陥ることがあるので、慎重にみていく必要があるといいます。今回は2記事にわたり、名古屋大学医学部附属病院小児外科教授の内田広夫先生と、同院小児外科講師の田井中貴久先生に、赤ちゃんによく起こる胃食道逆流症についてお話しいただきます。

最初に胃食道逆流症によって引き起こされる可能性が指摘されている「命にかかわること」についてご説明いただき、そして原因、症状、治療についてもご解説いただきました。

胃食道逆流症によって起こる危険性が高い「乳幼児突発性危急事態(ALTE)」とは?

胃食道逆流症自体はすぐに命にかかわる病気ではありません。しかし、胃食道逆流症が原因となり、赤ちゃんが乳幼児突発性危急事態(ALTE)という重篤な状態に陥ることがまれにあります。これには注意が必要です。

厚生労働省SIDS研究班の乳幼児突発性危急事態(ALTE)診断ガイドラインによると、乳幼児突発性危急事態(ALTE)とは「呼吸の異常、皮膚色の変化、筋緊張の異常、意識状態の変化のうちの1つ以上が突然発症」した状態です。乳幼児突然死症候群(SIDS:何の前触れもなく、突然1歳未満の乳児が死亡すること)の一歩手前の状態と考えられています。

その症状は赤ちゃんが突然死亡するのではないかとすら思わせるほど激しく、20秒以上呼吸が停止したり、体の色が青色や蒼白(または赤色)になったり、窒息や空嘔吐が起こります。

乳幼児突発性危急事態(ALTE)診断ガイドライン
乳幼児突発性危急事態(ALTE)診断ガイドライン(厚生労働省より)

乳幼児突発性危急事態(ALTE)が起こった場合は上図の基準にのっとった検査で原因を追究し、原因がわかればそれに対する治療を行います。

胃食道逆流症の治療の際は乳幼児突発性危急事態(ALTE)の危険性を常に考える

乳幼児突発性危急事態(ALTE)は特定の疾患ではなく、乳幼児に突然起こる症状の一つとされていますが、これは胃食道逆流症が原因となって生じるケースが最も多いことがわかっています。

そのため、我々は胃食道逆流症の赤ちゃんを治療するにあたり、乳幼児突発性危急事態(ALTE)が起きることがないかを慎重にみていきます。

胃食道逆流症の病態、原因、症状、治療について

そもそも食べ物はどのようにして胃に運ばれるのか?

胃食道逆流症についてお話しするにあたり、まずは胃の逆流防止機能についてご説明します。

人が食べ物を飲み込むと、食物は食道を通って胃へ送られます。食物が胃へ送られた後は、下部食道括約筋(胃との結合部:LES)がしっかり閉じて、胃液や胃の内容物が食道へ逆流しないようになっています。逆立ちしても胃の内容物が戻ってこないのは、この下部食道括約筋が働いているためです。また胃が動くときには下部食道括約筋がしっかりと閉じ、胃が休んでいるときは少し開くような調節をすることで、食道への逆流が起きないようになっています。

下部食道括約筋の働き
下部食道括約筋の働き

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