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公開日 : 2017 年 02 月 16 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

糖尿病(2型糖尿病)を予防しよう!日々の食事にマグネシウムを取り入れるべき理由とは?

東京慈恵会医科大学客員教授 糖尿病・代謝・内分泌内科客員診療医長
横田 邦信先生

生活習慣病のひとつ、2型糖尿病の発症の原因は長らく、戦後の高脂肪・高蛋白の食生活への移行および肥満にあるとされてきました。しかし、日本における糖尿病有病率と食環境の推移をみてみると、平均エネルギー摂取量はむしろ減少し続けており、脂肪摂取量も近年ではほぼ横ばいになっています。実は、糖尿病の原因はこれだけでは説明しきれません。マグネシウムという特定の栄養素(ミネラル)の摂取不足が大きく関わっているのです。

東京慈恵会医科大学教授の横田邦信先生は、糖尿病の原因として長年「新型栄養失調」を提唱してこられました。新型栄養失調とは、カロリーは十分にとれているにもかかわらず、健康な体の維持に欠かせない栄養素が慢性的に不足している状態を指します。とくに糖尿病を予防するためには、食事からマグネシウムをしっかりと摂取する必要があります。マグネシウムが不足すると、食事から取り入れたエネルギー(糖質、脂質、たんぱく質)の源を効率よく正常に代謝すること(特に糖質の分解)が難しくなるとともに、インスリン抵抗性が生じるので、糖尿病やメタボリックシンドロームといった生活習慣病のリスクが高まってしまうからです。食事でマグネシウムを十分摂取するには、食事の内容を雑穀米中心(全粒穀物中心)にした日本の伝統的な食生活に戻していく必要があります。今回は「食事」という観点から、横田邦信先生に糖尿病の予防と治療についてお話しいただきます。

※本記事の「糖尿病」はすべて「2型糖尿病」のことを指しています。

食事をしていても栄養失調?糖尿病になる本当の理由「新型栄養失調」とは

現代人は栄養失調になる方が増えている―。このように聞くと驚かれる方は多いのではないでしょうか。実際に、食糧不足による摂取エネルギーの減少で起こる栄養失調状態に陥る日本人は今やほとんどいません。しかしその一方で、カロリーは十分にとれていても、人体に必要な栄養素がバランスよく十分にとれていないという方が増えています。このような状態を「新型栄養失調」と呼びます。実はこの新型栄養失調は、糖尿病の発症に深く関係していることがわかっているのです。

そもそも糖尿病とは、血糖を下げる唯一のホルモンであるインスリンの作用不足により血糖値が慢性的に高い状態を指します。従来、糖尿病を発症するのに関わる要因は「戦後の食生活の欧米化」、すなわち高脂肪・高蛋白食の摂取と運動不足による肥満に基づくインスリン抵抗性であるとされてきました。しかし日本人の場合、それほど肥満でなくても糖尿病になる患者さんが多くいらっしゃいます。

感染症やストレス、喫煙、ステロイドなどの薬剤の服用などによってもインスリン抵抗性をきたして血糖値が上がることが知られていますが、それだけでは説明が困難です。このことからかねてより、肥満、運動不足、ストレス、睡眠障害、感染症、薬剤以外にも何らかの原因があるのではないかと考えていました。

マグネシウム不足で糖尿病になるメカニズム―食事の質に目を向ける

食物繊維とマグネシウムが十分に摂取されない状態が続くと、インスリンの効きが悪くなります(インスリン抵抗性の増悪)。また、マグネシウム不足は膵臓のベータ細胞の機能低下を来しインスリン分泌も低下します。

数千年来の農耕民族である日本人は、遺伝的に糖尿病になりやすいことが知られています。

欧米人の場合は遺伝的にインスリン分泌が活発であり、抵抗性が増悪しても代償性にインスリンを出すことができます。一方、日本人は欧米人のようにはインスリンを分泌できません。さらにマグネシウム摂取不足によってもインスリン抵抗性が増悪するため、日本人はインスリン作用不足に陥りやすく、肥満度が低くても糖尿病になる危険性が高いといえます。

インスリン抵抗性と分泌に及ぼす諸因子
資料提供:横田邦信先生

かつて、糖尿病は「贅沢で大食いな人がかかる病気」と考えられていました。下図のように1965年後半から糖尿病有病率、すなわち糖尿病の患者数と予備軍は徐々に増えはじめ、現在も増加傾向にあります。

一方で、一人あたりの平均エネルギー摂取量は1970年代以降年々減少し、脂肪摂取量は1980年以降ほぼ横ばいになっています。これでは、糖尿病の原因が肥満と脂肪の過剰摂取にあるという定説に合致しません。

実際のところ戦後の食生活の欧米化の特徴は、穀物(特に、大麦・雑穀等)の摂取の激減が最も著しいのです。

糖尿病推定有病率と生活環境の推移
MAG21研究会より引用

戦後、食生活の欧米化に伴って日本人の食卓は麦飯・雑穀米中心から、白米中心に移行しました。しかし白米は、ミネラルや微量栄養素が豊富な大部分が抜き取られてしまっているので、従来人々が主食から補っていた栄養素をとることができなくなってしまいます。

実は、この大麦・雑穀にはマグネシウムが非常に豊富に含まれています。つまりかつての日本人は主食からマグネシウムをしっかり摂取していたのです。ところが現代は雑穀米を食べなくなったため、当時と比べてマグネシウム摂取量が減少してしまっています。

このことから私は、マグネシウムが体内に不足することで「新型栄養失調」をきたし、新型栄養失調に陥った方の多くが糖尿病を発症するという仮説を立てました。実際に現在は、マグネシウムを補うことで糖尿病の症状は改善することが証明されています。

※詳細は過去記事「マグネシウム不足で糖尿病リスクが上がる。マグネシウムと糖尿病の深い関係」を参照

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