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インタビュー

公開日 : 2016 年 01 月 10 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

マグネシウム不足で糖尿病リスクが上がる。マグネシウムと糖尿病の深い関係

東京慈恵会医科大学客員教授 糖尿病・代謝・内分泌内科客員診療医長
横田 邦信先生

マグネシウムが人体に欠かせない栄養素(ミネラル)であることを『マグネシウムが不足するとどうなる? マグネシウムは健康維持・増進に欠かせない栄養素』で述べました。また、マグネシウムが不足することで、近年増加している2型糖尿病のリスクが増すという研究結果が出ました。今回は東京慈恵会医科大学教授 /糖尿病・代謝・内分泌内科 診療医長の横田邦信先生のご研究に基づき、これまで触れられていなかった糖尿病とマグネシウムの関係についてお話していただきました。

2型糖尿病患者数の推移

糖尿病とは、インスリン作用不足で高血糖状態が慢性的に続いてしまう代謝性疾患のことをいいます。糖尿病有病者の割合は、2013年度に行われた厚労省の調査結果によると、男性16.2%、女性9.2%です。また、50歳以降でその割合が増えていることもわかっています。

2006年以降、男性の有病率はおよそ4%増となっていますが、女性は20代を中心にやせ化が進んでいるため、全国統計としては大きな動きを見せていません。

糖尿病が強く疑われる者の割合 年次推移

 

新型栄養失調―マグネシウムの摂取不足で糖尿病リスクが上昇する

私は、マグネシウムが不足している現代人の栄養状態を「新型栄養失調」と呼んでいます。食生活の欧米化に伴って、戦後から穀物、特に大麦・雑穀の摂取量が激減しました。雑穀米を代表とする伝統的な日本食を摂取しなくなったことにより、慢性的に食物繊維とともにマグネシウムが不足している栄養状態に陥り、2型糖尿病のリスクが高まったと考えられます。

その他、肥満、運動不足、ストレス、喫煙、睡眠障害、加齢なども勿論インスリン抵抗性を惹起して糖尿病のリスクを高めます。

 

MAG21研究会HP 引用改変

 

『マグネシウムが不足するとどうなる? マグネシウムは健康維持・増進に欠かせない栄養素』で述べた通り、食生活の“半欧米化”により、伝統的な和食という食習慣が大きく変化し、全粒穀物の摂取が著しく低下しました。つまり、マグネシウムを多く含む食材を食べる機会が減っているのです。そのため、マグネシウム摂取量が全体的に不足しています。

穀物の摂取量が、上記の図のようにここまで激減しているのに、なぜ糖尿病患者数は増え続けているのでしょうか。脂肪摂取量が増えたからではないかと考えることもできますが、実は脂肪摂取量は1980年以降はほぼ横ばいにとどまっているのです。ここに、マグネシウム不足というヒントが隠されています。

 

 

上記の図は日本人のカルシウム・マグネシウム摂取量とその比率の推移です。マグネシウムの摂取量は特に1990年以降徐々に減少し、カルシウムとマグネシウムの摂取比率は上昇し、その比率(カルシウム/マグネシウム比)は現在2を超えています。カルシウムはテレビなどのメディアでたびたび取り上げられ、意識されるようになってきました(それでもまだ不足していますが)が、マグネシウムはカルシウムのように脚光を浴びることはこれまでありませんでした。そのため、無意識のうちに、徐々に摂取量が減少し、このような事態に発展してしまったと考えられます。

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