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視神経脊髄炎の予後
視神経脊髄炎とは、短期間に視力が低下する、手足が動かなくなるなどの症状があらわれる自己免疫性疾患です。治療後に再発することが多く完治の難しい病気ではありますが、近年では診断方法・治療薬の進歩によ...
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視神経脊髄炎の予後

公開日 2018 年 02 月 02 日 | 更新日 2018 年 10 月 23 日

視神経脊髄炎の予後
楠 進 先生

近畿大学医学部神経内科 主任教授

楠 進 先生

視神経脊髄炎とは、短期間に視力が低下する、手足が動かなくなるなどの症状があらわれる自己免疫性疾患です。治療後に再発することが多く完治の難しい病気ではありますが、近年では診断方法・治療薬の進歩によって、徐々に再発が減少しています。視神経脊髄炎の予後について、近畿大学医学部の楠進(くすのき すすむ)先生にお話を伺いました。

視神経脊髄炎は治療によって完治するのか?

再発によって後遺症が残ることが多く完治は難しいが、寛解する症例もある

記事2『視神経脊髄炎の治療』でご説明したように、視神経脊髄炎は治療後に再発することが多く、完治が難しい病気です。視力低下や手足の麻痺などが後遺症として残る可能性があります。しかしながら、治療によって寛解(治癒したわけではないものの、症状が落ち着いて安定した状態)する症例もあります。

視神経脊髄炎が再発する際の傾向

再発するたびに症状改善の程度が低下することが多い

視神経脊髄炎は、再発するたびに症状改善の程度が低下することが多いです。たとえば視力低下の症状であれば、最初は治療によって従来の視力の90%まで回復しても、再発した際には80%の回復、次の再発では70%の回復といったように、徐々に症状改善の程度が落ちていく傾向にあります。よって、発症からの時間が長い患者さんほど、何らかの後遺症が残っていることが多いです。

再発時に特徴的な症状はなく、どの症状も起こりうる

再発時の症状として特徴的なものはありません。最初に視神経症状だけだった患者さんが再発時には脊髄症状を起こす、あるいは視神経症状と脊髄症状の両方があらわれるということはあります。つまり、いつ、どの症状があらわれてもおかしくはないのです。

視神経脊髄炎が再発する確率は高いといえる

記事1『視神経脊髄炎の症状』でお話しした、2011年に行った視神経脊髄炎の疫学調査では、16.2%の患者さんには一度も再発がみられませんでした。1)しかしながら、その時点で再発のなかった患者さんが将来的に再発する可能性はあります。視神経脊髄炎は、治療後に再発しないケースはまれであり、再発する確率は高いといえるでしょう。

視神経脊髄炎はなぜ再発するの?

感染症、過度のストレス、過労などがきっかけとなる可能性がある

なぜ視神経脊髄炎が再発するのかは詳しくは解明されていませんが、何らかの要因で自己免疫が活性化することで、抗アクアポリン4抗体が産生されると考えられます。自己免疫が活性化するきっかけとして、感染症、過度のストレス、過労などの可能性が示されています。つまり、感染症、過度のストレス、過労などをきっかけとして体のバランスが崩れることで、自己免疫が活性化するのだと考えられます。

サラリーマン:過度のストレス:悩む姿

視神経脊髄炎の再発を予防するために

感染症、過度のストレス、過労を回避することが重要

前項でお話ししたように、感染症、過度のストレス、過労は視神経脊髄炎の再発のきっかけになりえます。再発を予防するためには、なるべく風邪をひかない(感染症を防ぐ)、過度のストレスがかかる環境を避ける、休息をきちんととって疲れをとる(過労を防ぐ)ことが重要です。

視神経脊髄炎の予後の視点から患者さんへメッセージ

楠進(くすのき すすむ)先生

視神経脊髄炎はこれまでお話しした通り、再発しやすく完治の難しい病気です。しかし近年では、ステロイドの少量維持療法が導入されたことで再発の予防に効果を示しており、以前よりも再発が減っています。また、視神経脊髄炎の新たな治療薬も導入されようとしています。視神経脊髄炎の患者さんには、希望を持って治療を続けていただきたいと考えます。

 

出典

1)Miyamoto K, Fujihara K, Kira JI, Kuriyama N, Matsui M, Tamakoshi A, Kusunoki S. Nationwide epidemiological study of neuromyelitis optica in Japan. J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2018 Jan 11. pii: jnnp-2017-317321. doi: 10.1136/jnnp-2017-317321. [Epub ahead of print]

 

視神経脊髄炎(楠進先生)の連載記事

1978年に東京大学医学部医学科を卒業後、東京大学医学部附属病院に勤める。1985年に医学博士を取得し、米国エール大学へ留学。帰国後は東京大学医学部神経内科へ。2003年より現職。

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