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子どもの頭痛:医師が考える原因と対処法|症状辞典

子どもの頭痛

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 強く頭をぶつけたなどきっかけがはっきりしている
  • 高熱、嘔吐、泣き止まない、ぐったりしているなどの症状がある
  • 眠れないほどの頭痛がある

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 頭痛が続いている

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 短時間でよくなり、その後繰り返さない

あいち小児保健医療総合センター 救急科 医長

伊藤 友弥 先生【監修】

子どもに生じうる症状は多々ありますが、中でも“頭痛”は発生頻度の高い症状といえます。子どもの頭痛を引き起こす原因は多岐にわたり、重症度も原因によって異なります。

  • 発熱や鼻水、咳、咽頭痛などとともに頭痛を生じる
  • 起床時に頭痛を生じることが多く、嘔吐を伴うときがある
  • 発表会や遠足などのイベントの前になると頭痛や吐き気を訴えてぐったりする

これらの症状が見られた場合、原因としてどのようなものが考えられるでしょうか。

子どもはさまざまな体調の変化を生じることがありますが、“頭痛”は発生頻度の高い症状のひとつです。特に心配のない頭痛の場合もありますが、中には重篤な病気が原因のこともあります。子どもの頭痛を引き起こす病気には以下のようなものが挙げられます。

子どもの頭痛は何らかの感染症や炎症を引き起こす病気によって生じることがあります。原因となる主な病気は以下のとおりです。

急性上気道炎、インフルエンザなど

上気道にウイルスや細菌などが感染することによって炎症が引き起こされる病気です。急性上気道炎はいわゆる“風邪”と呼ばれるもので、特にインフルエンザウイルスに感染して引き起こされるものを“インフルエンザ”と呼びます。

いずれも発熱や咳、咽頭痛、鼻水などの症状が見られ、熱が高くなると頭痛が引き起こされることがあります。

インフルエンザ
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中耳炎、副鼻腔炎など

上気道炎の発症が引き金となって、鼻腔や咽頭内の病原体が中耳や副鼻腔内にまで波及して炎症を引き起こす病気です。中耳炎の場合は高熱や耳痛、耳垂れ、副鼻腔炎の場合は鼻づまりやドロドロとした鼻水、頭重感などの症状を引き起こします。また、痛みが放散して頭痛として感知されることも少なくありません。

中耳炎
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副鼻腔炎
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髄膜炎、脳炎

髄膜や脳にウイルスや細菌感染が生じる病気です。髄膜炎は、脳や脊髄を覆っている髄膜で細菌やウイルスによる炎症が起きている感染症です。脳炎には細菌やウイルスによって脳が直接ダメージを受ける感染症や感染症にかかった後に生じる免疫反応によるものなどがあります。高熱や強い頭痛、頚部痛などを引き起こし、さらに重症化するとけいれんや意識障害を引き起こし、生命の危機に陥ることも少なくありません。

髄膜炎
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脳炎
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子どもの頭痛は、脳内に生じる病気によって引き起こされることがあります。原因となる主な病気は以下のとおりです。

脳腫瘍

脳内に発生する腫瘍で、さまざまなタイプのものがあります。子どもには髄芽腫や上衣腫、星細胞腫が好発し、小児がんで2番目に多いのは脳腫瘍とされています。

早期の段階では無症状のことが多いですが、進行して腫瘍が大きくなると脳を圧排して神経症状が生じたり、脳圧が高まることで頭痛や吐き気・嘔吐を引き起こしたりします。また、頭痛や吐き気などの症状は起床時に強くなるのが特徴です。

脳腫瘍
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脳出血、硬膜外血腫など

子どもの頭蓋骨は成人に比べて脆弱なため、頭部外傷によって脳内に出血を引き起こすことがあります。重度の出血の場合には受傷時から意識障害などの症状を引き起こしますが、軽度の場合には頭痛や嘔吐などの症状が見られ、時間の経過とともに症状が強くなるのが特徴です。

激しい頭痛と嘔吐、意識障害が急に発症した場合、脳内の血管からの出血の可能性があります。状態によっては急速に意識障害が生じることもあります。大人の場合は脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血が多いですが、子どもの場合は血管の異常による出血のほうが多いです。

脳出血
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子どもの頭痛は体内の代謝の異常によって引き起こされることがあります。原因となる主な病気は以下のとおりです。

自家中毒症

2~10歳頃までの子どもに多く見られる病気で、著しい緊張や興奮、ストレスが原因となって体内の脂肪が多く分解され、血液中にアセトンが増えることが原因と考えられています。

発熱を伴わない嘔吐や腹痛などの症状が突然現れ、顔色が悪くなってぐったりするのが特徴です。また、これらの症状が現れる前後に頭痛を訴えることも少なくありません。

脱水症

水分摂取量の不足や多量の発汗・下痢・嘔吐などによって体内の水分が不足する病気です。子どもは水分保持能力が低いため、些細な原因で脱水症に陥る場合があります。

発症初期には喉や口の渇きなどを自覚するのみですが、脱水が進行するとめまいや動悸、嘔気、頭痛などの症状を引き起こします。

子どもの頭痛はよく見られる症状であるため軽く考えられがちですが、思わぬ病気が原因の場合もあります。早急な治療が必要なこともあるので、痛みが続く場合は病院を受診するようにしましょう。

特に、高熱や嘔吐などの症状を伴う場合、頭部外傷後に強い頭痛を訴える場合、頭痛を訴えてぐったりしている場合などは、早急に病院へ行くようにしましょう。

受診に適した診療科はかかりつけの小児科ですが、休日・夜間などにぐったりして呼びかけに応じない、けいれんが見られるといった場合には救急外来を受診しましょう。

受診の際には、いつから頭痛がするのか、誘因の有無、随伴する症状、今までにかかったことのある病気などを詳しく医師に説明することが大切です。

子どもの頭痛は日常生活上の好ましくない習慣によって引き起こされることがあります。原因となる主な習慣とそれぞれの対処法は以下のとおりです。

子どもはゲームや読書などに熱中しやすく、長時間目を使うことで眼精疲労や肩こりを引き起こすことがあります。その結果、頭痛を引き起こすことも少なくありません。

目の疲れや肩こりを防ぐには

ゲームや読書などは時間を決めて行うようにし、長時間同じ姿勢で目を使うのは控えるようにしましょう。また、目を酷使した後は外に出て遊ぶなど、適度に体を動かすことも大切です。

強い疲労を感じるような過度な運動を続けることで、血圧が上昇したり脈拍が速くなったりして、頭痛を生じることがあります。

適度な運動を行うには

適した運動強度には個人差がありますが、強い疲れが生じたり、息が上がったりするような運動を長時間続けるのは控えましょう。また、運動後はしっかり休息を取ることも大切です。

子どももストレスを感じることが多々あります。ストレスによって交感神経が刺激されると脳の血管が収縮し、その後過度な拡張を引き起こすことで血管周辺の神経が圧迫されて頭痛を引き起こすことがあります。

ストレスをためないためには

子どもとはいえ社会生活を送る以上、ストレスを完全に排除することはできませんが、適度にストレスを発散できる趣味を見つけ、十分な休息・睡眠を確保してストレスがたまりにくい生活を心がけるようにしましょう。

日常生活上の対処法を講じても頭痛が改善しない場合や再発を繰り返す場合には、思わぬ病気が潜んでいることがあります。軽く考えず、早めに病院を受診して適切な検査・治療を受けるようにしましょう。 

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。