足が太くなる:医師が考える原因と対処法|症状辞典

足が太くなる

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 足が腫れて痛みがあり、発熱などの症状を伴う
  • 息切れなどの症状が強く、通常の生活ができない
  • 意識がもうろうとしており、おかしな言動を繰り返している
  • 薬を内服したら突然発症した

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 足のむくみが続いている
  • 足の軽度な痛みや熱感などが続いている
  • 倦怠感や食欲不振が続いている
  • 転びやすく、ふくらはぎだけが太くなっている

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 思い当たる原因がないのに足が太くなってきた
  • 夕方に足が太くなりやすい

東北医科薬科大学病院 総合診療科 科長、東北医科薬科大学病院 認知症疾患医療センター センター長、東北医科薬科大学病院 福祉部 部長(認知症疾患医療センター)、東北医科薬科大学病院 地域医療総合支援センター センター長、東北医科薬科大学 地域医療学 教授

古川 勝敏 先生【監修】

“足が太くなる”という症状は、肥満など好ましくない生活習慣によって引き起こされることもあります。そのため、単なる“体形の変化”と考えられがちですが、中には思わぬ病気が原因のことも少なくありません。

  • 運動不足が続いて体重が増えるとともに足も太くなった
  • 筋トレなどをしているわけではないのにふくらはぎだけが太くなっている
  • 息切れや倦怠感などの症状があり、足がむくんで太くなった

これらの症状があるとき、原因としてどのようなことが考えられるのでしょうか。

足が太くなるという症状は、筋肉の病気やむくみを引き起こす病気が原因で生じている可能性があります。具体的には以下のような病気が挙げられます。

足が太くなるという症状は、筋肉や皮下組織に異常を引き起こす病気によって生じることがあります。

筋ジストロフィー

筋肉が正常に機能するのに必要なタンパク質が作られなくなる遺伝性の病気です。

発症すると、筋肉の萎縮や筋力の低下が生じます。また、進行すると呼吸のために必要な筋肉や心臓の筋肉の機能が低下するケースも少なくありません。

筋ジストロフィーにはいくつかのタイプがありますが、小児期に発症してもっとも症状が重くなるとされるデュシェンヌ型筋ジストロフィーでは太ももは細くなる一方で、ふくらはぎが太くなる“仮性肥大”という症状がみられることがあります。

筋ジストロフィー
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蜂窩織炎

皮膚とその下にある組織に細菌感染が生じて炎症が引き起こされる病気です。

かき傷などの小さな傷から皮膚の中に感染が生じると考えられていて、発症すると皮膚の痛みや熱感、発赤、腫れなどの症状が引き起こされます。感染が重度な場合は発熱や頭痛などの症状を伴うことも少なくありません。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)はふくらはぎなど下肢に発症することが多く、片方の足が太くなる原因になります。

蜂窩織炎
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足が太くなるという症状は、体にむくみが生じることによって引き起こされることがあります。足のむくみを起こしうる病気として以下のものが挙げられます。

心不全

心臓の機能が低下することで血液がスムーズに循環しなくなる病気です。

心筋梗塞(しんきんこうそく)などの冠動脈疾患、心臓弁膜症不整脈などの心臓の病気のほか、加齢や薬の副作用などが原因で発症します。

息切れや倦怠感などの症状が現れ、足や肺などに水分がたまりやすくなります。その結果として、足が太くなることがあります。

心不全
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心筋梗塞
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心臓弁膜症
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不整脈
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肝機能異常

肝機能が著しく低下すると、血液の浸透圧を整えるタンパク質の産生が上手くできなくなり、血管内の水分が血管の外に移動しやすくなります。そのため、むくみが生じやすくなり、足が太くなることも少なくありません。

また、黄疸(おうだん)や腹水、出血のしやすさなどの症状がみられ、倦怠感や食欲不振を伴うこともあります。進行すると体内にアンモニアが多くたまるようになり、肝性脳症を引き起こすことがあります。

主な原因として、アルコールの多飲や肝炎ウイルスへの感染などが挙げられます。

肝炎
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ネフローゼ症候群

腎臓の機能に異常が生じて、尿の中に多くのタンパク質が排出されるようになる病気です。そのため、血液の浸透圧が乱れ、血管の内側から外側へ水分が移動してむくみを引き起こしやすくなります。疲労感や食欲不振などの症状を伴うことも特徴の1つです。

このような状態を引き起こす主な原因としては、糖尿病全身性エリテマトーデスなどの病気、薬の副作用などが考えられます。

ネフローゼ症候群
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足が太くなるという症状は、運動不足や過食など好ましくない生活習慣によって引き起こされるものです。そのため、軽く考えられがちですが、中には上述したような病気が原因になっていることもあります。

特に、急激に足が太くなった場合や足の痛みを伴う場合、そのほかの随伴症状がある場合はできるだけ早めに病院に相談するようにしましょう。

受診に適した診療科は原因となる病気によって大きく異なりますが、ふくらはぎだけが太くなり歩行障害などがある場合は神経内科、足の痛みを伴う場合は整形外科や外科、息切れや倦怠感などの全身の随伴症状がある場合は内科が適しています。ただし、どの診療科を受診すればよいか迷ったときは、かかりつけの内科などで相談するのも1つの方法です。

受診した際は、いつから症状があるのか、症状はひどくなっているのか、そのほかの随伴症状はあるのかについて詳しく説明し、過去の病歴や現在服用中の薬剤名なども伝えるようにしましょう。

足が太くなるという症状は、日常生活上の好ましくない習慣が原因で引き起こされることがあります。

具体的には以下のような習慣が挙げられます。対処法も併せてみてみましょう。

運動不足は肥満を引き起こして足を太くする原因となります。また、筋力が低下することでむくみが起こりやすくなるため、肥満と相まってさらに足が太く見えることも少なくありません。

運動不足を避けるには

無理のない範囲で運動習慣を身に付けることが大切です。

ただし、過度な筋トレを行うと足の筋肉が肥大化して太く見えるようになることがあります。

高カロリーな食事は肥満を引き起こし、塩分やアルコールの取りすぎはむくみを引き起こして足が太くなりやすくなります。

食生活を整えるには

肥満を予防するために適正カロリーを守り、栄養バランスのよい食事を取るようにしましょう。また、塩分の取りすぎには注意し、健康な大人の場合、男性であれば1日あたり7.5g未満、女性であれば6.5g未満を目安にしましょう。

日常生活上の好ましくない生活習慣を改善しても症状がよくならないときは、思わぬ病気が背景にある可能性もあります。軽く考えず、できるだけ早めに医療機関に相談するようにしましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。