足の裏の乾燥:医師が考える原因と対処法|症状辞典

足の裏の乾燥

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 赤み、かゆみ、粉ふき、発疹(ほっしん)、痛み、ヒリヒリした刺激感などがある

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 保湿などですぐに改善する
門野 岳史 先生

[監修] 門野 岳史 先生

聖マリアンナ医科大学皮膚科 教授

足の裏は多くの汗腺が発達しており、比較的汗をかきやすい部位といえます。また、靴や靴下で覆われる足は汗で蒸れやすく、不快な臭いの原因になることも少なくありません。足の裏の汗は多くの方を悩ませることがありますが、中には乾燥が生じて不快な随伴症状を引き起こすことも多々あります。

  • かかと部分が乾燥してひび割れ、痛みを伴う
  • 足の裏の一部が乾燥して皮膚が厚くなる
  • 足の裏だけでなく体が全体的に乾燥して、ぽろぽろと皮が落ちるようになった

これらの症状がみられた場合、原因としてどのようなものが考えられるでしょうか。

足の裏は本来、汗をかきやすい部位ですが、さまざまな原因から乾燥を引き起こすことがあります。中には以下のような病気が原因のこともあるため、注意しましょう。

足の裏の乾燥は、足の裏の皮膚に生じる病気が原因のことがあります。原因となる主な病気は以下の通りです。

乾皮症(かんぴしょう)

皮膚の水分保持量が低下することで生じる病気です。加齢や空気の乾燥などが原因のことが多く、皮膚の乾燥によるかゆみや痛みを引き起こし、重症な場合には湿疹(しっしん)が形成されることもあります。足の裏を含め、全身のどこにでも発症しうる病気です。

乾皮症
関連記事数: 0記事

掌蹠角化症(しょうせきかくかしょう)

足の裏や手の平の皮膚の角質層が分厚くなり、かさかさと乾燥した状態になる病気です。発症原因は、遺伝によるものと悪性腫瘍などの病気によるものに分けられます。

足の裏に発症した場合は、皮膚が分厚く硬くなることで歩行時などの外力によってひび割れが生じ、痛みや出血を引き起こすことがあります。

白癬症(はくせんしょう)

いわゆる水虫と呼ばれるもので、カビの一種である白癬菌が足の裏の皮膚に感染することで発症する病気です。趾間にジュクジュクしたかゆみを伴う湿疹ができるタイプと、足の裏の皮膚が肥厚して硬くなるタイプがあります。後者のタイプでは、かゆみなどは伴いませんが、皮膚が過度に乾燥した状態となり、ひび割れを引き起こしやすくなるのが特徴です。

水虫
関連記事数: 8記事

魚鱗癬(ぎょりんせん)

角質層の形成異常によって皮膚が過度に乾燥し、表面が魚のうろこのようにぼろぽろと剥がれ落ちるようになる病気です。生まれつきの遺伝によるものと、悪性リンパ腫などの病気が発症の引き金になっているものがあります。

症状の現れ方や重症度は発症原因によって大きく異なりますが、多くは全身の皮膚に高度な乾燥による皮膚の肥厚や発赤を生じるのが特徴です。

足の裏の乾燥は、足の裏以外の部位の病気が原因のことがあります。原因となる主な病気は以下の通りです。

栄養障害、脱水症

正常なターンオーバー(皮膚の新陳代謝)を維持するには、新たな皮膚を形成するためのタンパク質をはじめとした栄養素や水分が必要です。しかし、これらの成分が不足した状態が続くと、ターンオーバーが乱れて乾燥を引き起こすことがあります。

特に、栄養障害は胃や腸の病気による栄養吸収障害、神経性食思不振症などによる摂食量の極端な減少が原因になることがあります。

栄養失調
関連記事数: 0記事

甲状腺機能低下症

全身の新陳代謝を活発にするための甲状腺ホルモンの分泌が減少する病気です。症状は全身におよび、むくみや脱毛、倦怠感(けんたいかん)などの身体症状ばかりでなく、抑うつ状態や不眠症など精神的な変調をきたしやすいのが特徴です。また、発汗量が低下することで皮膚の乾燥が引き起こされ、足の裏の乾燥の原因になることがあります。

甲状腺機能低下症
関連記事数: 8記事

糖尿病

血糖値が下がりにくくなる病気です。発症初期には自覚症状はほとんど現れませんが、進行すると全身に動脈硬化を引き起こし、視力障害や腎不全、末梢神経障害などの合併症を引き起こします。このため、発汗を調整する自律神経にダメージが加わることがあり、結果として汗の分泌が低下して全身のさまざまな部位に乾燥を引き起こすことがあります。

糖尿病
関連記事数: 62記事

足の裏の乾燥は日常的によく起こりうる症状のため、市販の保湿剤などを使用してやり過ごしている方も多いでしょう。しかし、中には思わぬ病気が原因となっていることもありますので注意が必要です。

特に、足の裏の痛みやかゆみなどを伴う場合、乾燥によるひび割れが生じて出血や痛みがある場合、足の裏以外の皮膚にも乾燥がみられる場合、何らかの全身症状を伴う場合などは、なるべく早く病院を受診することがすすめられます。

受診に適した診療科は皮膚科ですが、何らかの全身症状を伴う場合には、かかりつけの内科などで相談することもひとつの方法です。受診の際には、いつから乾燥が強くなったのか、乾燥の誘因、随伴する症状、現在罹患している病気などを詳しく医師に説明するようにしましょう。

足の裏の乾燥は、日常生活上の好ましくない習慣が原因のことがあります。原因となる主な習慣とそれぞれの対処法は以下の通りです。

外気が乾燥しやすい秋から冬にかけては、皮膚も同時に乾燥しやすくなり、足の裏の乾燥を引き起こすことがあります。

足の裏に潤いを保つには

空気が乾燥しやすい時期には厚手の靴下を着用したり、室内を適度に加湿したりすることで皮膚の乾燥を防ぐようにしましょう。特に、暖房器具を使用している場合は、裸足のまま過ごすと皮膚の乾燥を促すことがあるため注意しましょう。

また、市販のクリームやローションなどを活用することもひとつの方法です。

足の幅やヒールの高さなどが合っていない靴を長時間にわたって着用すると足の裏の皮膚に過度な負担がかかって、角質層の肥厚を促し、乾燥した状態になることがあります。

足の裏にやさしい靴とは

足にしっかりフィットするサイズの靴を選び、長時間着用する際やある程度の距離を歩くような場合にはヒールのある靴は避けるようにしましょう。

かかとなどは角質が硬くなりやすいため、市販のケア用品で角質を除去する方も多いでしょう。適度な角質ケアは美容上の観点からも推奨されていますが、やりすぎると皮膚にダメージを与え、かえって角質を厚くする原因になることがあります。

適度な角質ケアを行うには

頻度は月に1~2回程度にし、軽石などで軽くこする程度にしましょう。痛みを感じた場合には、ケアを中断して保湿効果のあるクリームなどを塗るとよいでしょう。

日常生活上の好ましくない習慣を改善しても症状がよくならない場合には、思わぬ病気が原因のこともあります。軽く考えずに、それぞれの症状に合った診療科を受診しましょう。