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第57回日本癌治療学会学術集会 ASCO/JSCO Joint Symposium“Precision Medicine”

第57回日本癌治療学会学術集会 ASCO/JSCO Joint Symposium“Precision Medicine”
吉田 和弘 先生

岐阜大学大学院腫瘍制御学講座腫瘍外科学分野 教授

吉田 和弘 先生

間野 博行 先生

国立がん研究センター 理事・研究所長・がんゲノム情報管理センター長

間野 博行 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年12月11日です。

2019年10月24日(木)〜10月26日(土)の3日間にわたり、福岡国際会議場・福岡サンパレス・マリンメッセ福岡にて、第57回日本癌治療学会学術集会(以下、本学術集会)が開催されました。本学術集会では、“社会と医療のニーズに応える−TACKLING THE NEEDS OF SOCIETY AND MEDICINE−”をテーマに、多数の講演やシンポジウムが行われ、明日のがん治療について、活発な学術的議論が繰り広げられました。

本記事では、2日目に福岡サンパレスにて行われた【ASCO/JSCO Joint Symposium:Precision Medicine】の概要をお届けします。

司会:

森正樹先生(九州大学 第二外科)

吉田和弘先生(岐阜大学 腫瘍外科)

Dr. Bruce E. Johnson(Harvard Medical School/Lowe Center for Thoracic Oncology, Dana-Farber Cancer Institute, USA)

ASCO/JSCOのジョイントシンポジウム1では、“Precision Medicine”をテーマに、4名の演者による講演が行われました。

Dr. Bruce E. Johnsonによる講演

はじめに、Dr. Bruce E. Johnson(Harvard Medical School/Lowe Center for Thoracic Oncology, Dana-Farber Cancer Institute, USA)より、肺がんに対するプレシジョンメディシンの応用として、免疫チェックポイント阻害薬の進歩に関するお話がありました。その内容は、免疫チェックポイント阻害薬の効果予測に対して、ゲノムシークエンス、PD-L1、EGFR遺伝子変異など、さまざまなマーカーを組み合わせながらプレシジョンメディシンを実現しようとするものでした。

Dr. Apostolia M. Tsimberidouによる講演

次に、Dr. Apostolia M. Tsimberidou(The University of Texas M. D. Anderson Cancer Center, USA)は、遺伝子解析、遺伝子変異の種類、分子プロファイリングをもとにしたプレシジョンメディシンの臨床試験に関して紹介しました。さらに、このような臨床試験の結果を活用するためには、診断の時点から、最先端かつ包括的な分子プロファイリングを行う必要があると述べ、今後は、人工知能を用いてアルゴリズムをもとにデータ解析を進めることで、がんの治療法と患者さんのマッチングを見出したいと話しました。

間野博行先生による講演

続いて、間野博行先生(国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター)からは、日本におけるがんゲノム医療の体制についてお話がありました。間野先生は、国民皆保険制度を採用する日本において、がんゲノム医療を行うためのプラットフォームを構築する必要があると語り、さらに、そのようながんゲノム医療の拠点となりうるがんゲノム情報管理センター(C-CAT:Center for Cancer Genomics and Advanced Therapeutics)の発足と活動について紹介しました。

若井俊文先生による講演

最後には、若井俊文先生(新潟大学 消化器・一般外科)より、固形がんにおける包括的ゲノム解析に基づくプレシジョンメディシンに関してお話がありました。若井先生は、化学療法が有効な例に対する手術(コンバージョンサージェリー)と遺伝子タイプの関連性を例に挙げ、包括的なゲノムシークエンスはプレシジョンメディシンの世界に革命をもたらす可能性があると語りました。

集合写真

プログラムの最後には、4名の演者が集まり、記念写真の撮影が行われました。このようにして、【ASCO/JSCO Joint Symposium:Precision Medicine】は、大きな拍手に包まれて終了しました。

  • 岐阜大学大学院腫瘍制御学講座腫瘍外科学分野 教授

    日本外科学会 外科認定医・外科専門医・指導医日本消化器外科学会 消化器外科認定医・消化器外科専門医・消化器外科指導医日本内視鏡外科学会 技術認定取得者(消化器・一般外科領域)日本食道学会 食道科認定医・食道外科専門医日本乳癌学会 乳腺認定医日本消化管学会 胃腸科専門医・胃腸科認定医日本胸部外科学会 会員日本肝胆膵外科学会 会員

    吉田 和弘 先生

    1958年、広島市生まれ。1984年より腫瘍外科医としてキャリアを開始し、分子病理学の研究や、英国オックスフォード大学留学を経て、2007年岐阜大学大学院腫瘍制御学講座 腫瘍外科学分野教授に就任。鏡視下手術などの低侵襲外科手術をこなすのみならず、集学的治療を駆使し、初診時に手術が難しいと診断された患者さんにも根治手術の施行に尽力している。2017年にJDDW2017第15回日本消化器外科学会大会大会長を務めた。2019年には第57回日本癌治療学会学術集会会長を務め、我が国のがん医療・消化器外科医療をリードする一人である。2018年から岐阜大学医学部附属病院・病院長に就任している。

  • 国立がん研究センター 理事・研究所長・がんゲノム情報管理センター長

    間野 博行 先生

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