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第57回日本癌治療学会学術集会 会長企画シンポジウム13“ロボット手術の現状と未来”

第57回日本癌治療学会学術集会 会長企画シンポジウム13“ロボット手術の現状と未来”
角田 茂 先生

京都大学消化管外科 講師

角田 茂 先生

古家 琢也 先生

岐阜大学大学院医学系研究科病態制御学講座泌尿器科学分野 教授

古家 琢也 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年12月11日です。

2019年10月24日(木)〜10月26日(土)の3日間にわたり、福岡国際会議場・福岡サンパレス・マリンメッセ福岡にて、第57回日本癌治療学会学術集会(以下、本学術集会)が開催されました。本学術集会では、“社会と医療のニーズに応える−TACKLING THE NEEDS OF SOCIETY AND MEDICINE−”をテーマに、多数の講演やシンポジウムが行われ、明日のがん治療について、活発な学術的議論が繰り広げられました。

本記事では、2日目に第10会場にて行われた会長企画シンポジウム13【ロボット手術の現状と未来】の概要をお届けします。

司会:

渡邊昌彦先生(北里大学北里研究所病院)

野々村祝夫先生(大阪大学・器官制御外科(泌尿器科))

会長企画シンポジウム13では、“ロボット手術”をテーマにして、6名の演者による講演が行われました。

演者1、角田 茂先生による講演

はじめに、角田茂先生(京都大学 消化管外科)からは、2018年に保険収載された、ロボット支援下食道悪性腫瘍手術における現状と今後の展望についてお話がありました。

講演内では、京都大学消化管外科におけるロボット支援下手術の方法と実績について紹介がなされました。

演者2、Dr. Woo Jin Hyungによる講演

続いて、Dr. Woo Jin Hyung(Department of Surgery, Yonsei University College of Medicine, Korea)からは、韓国における胃がんロボット支援下切除術の導入と今後の展望についてお話がありました。Dr. Woo Jin Hyungは、韓国のハイボリュームセンターにロボット手術を導入することによって変わったこと、変わらなかったこと、そして今後、どのような技術(システム)がロボットに追加されてほしいかについて解説されました。

演者3、宇山一朗先生による講演

次に、宇山一朗先生(藤田医科大学 総合消化器外科)からは、胃がんに対するロボット支援手術の有用性と、藤田医科大学におけるロボット支援下手術の現状と課題についてお話がありました。さらに、今後は食道がんに対してロボット手術の導入を進めることで、合併症や医療費の削減、QOL向上を目指していきたいと話しました。

演者4、絹笠祐介先生による講演

次に、絹笠祐介先生(東京医科歯科大学 消化管外科)からは、直腸がんにおけるロボット手術の課題と展望、東京医科歯科大学における同手術の実績などについてお話がありました。絹笠先生は、直腸がんにおける腹腔鏡手術の実績が施設間によって差があることを課題点として挙げ、さらに、デュアルコンソールを活用することで、外科医へのロボット支援下手術の技術指導・教育を推進していきたいと述べました。

演者5、古家琢也先生による講演

次に、古家琢也先生(岐阜大学 泌尿器科)からは、ロボット支援膀胱全摘除術および体腔内回腸新膀胱造設術について解説がありました。古家先生は、膀胱がんにおいては播種の取り扱いに注意が必要であることについて触れたうえで、体腔内での尿路変更法の可能性について述べました。さらに、体腔内回腸新膀胱造設が実施可能な施設をハイボリュームセンターに限定せず、幅広く展開させていきたいと話しました。

演者6、小林裕明先生による講演

最後に小林 裕明先生(鹿児島大学 産科・婦人科)からは、婦人科がんロボット手術の現状と未来についてお話がありました。小林先生は、ハイリスクの子宮体がんに対するロボット支援下手術の有用性と今後の展望について話されました。今後はハイリスク子宮体がん患者さんの受け入れに向けて、さまざまなロボット技術を応用していく必要があると述べ、現在実施中の臨床試験について解説がありました。

このようにして、【ロボット手術の現状と未来】は、大きな拍手に包まれて終了しました。

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  • 岐阜大学大学院医学系研究科病態制御学講座泌尿器科学分野 教授

    古家 琢也 先生

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