慶應義塾 常任理事、慶應義塾大学医学部 外科学 教授、国立がん研究センター 理事(がん対策担当...
北川 雄光 先生
福島県立医科大学 消化管外科学講座 主任教授
河野 浩二 先生
岐阜大学大学院腫瘍制御学講座腫瘍外科学分野 教授
吉田 和弘 先生
2019年10月24日(木)〜10月26日(土)の3日間にわたり、福岡国際会議場・福岡サンパレス・マリンメッセ福岡にて、第57回日本癌治療学会学術集会(以下、本学術集会)が開催されました。本学術集会では、“社会と医療のニーズに応える−TACKLING THE NEEDS OF SOCIETY AND MEDICINE−”をテーマに、多数の講演やシンポジウムが行われ、明日のがん治療について、活発な学術的議論が繰り広げられました。
本記事では、2日目に第1会場(福岡サンパレス1階大ホール)にて行われた【がん治療国際化 AOS設立記念講演】の概要をお届けします。
司会:
北川 雄光先生(慶應義塾大学 外科)
河野 浩二先生(福島県立医科大学・消化管外科)
Dr, Han-Kwang Yang(Department of Surgery, Seoul National University Hospital, Seoul National University College of Medicine, Korea)
※同時通訳
がん治療国際化AOS設立記念講演では、Asian Oncology society(AOS)設立を記念して、4名の演者による講演が行われました。
はじめに、本学術集会会長である吉田和弘先生(岐阜大学 腫瘍外科)より、“アジア臨床腫瘍学会(ACOS)の歴史”というテーマで、ACOSの歴史からAOSに向けたお話がありました。ACOSは1991年に、日本、中国、韓国、台湾を含むアジア諸国ならびに地域の医師たちによって設立されました。1991年に開催された最初の会議以来、ACOS会議は2年ごとに開催され、第9回のACOS2010が岐阜で開催されたことなども紹介がありました。
続けて、赤座 英之先生(東京大学 情報学環・学際情報学府/アジア・太平洋癌会議)からは、“APFOCC(APCC)とAOSの将来”というテーマのもと、日本政府がリードするアジア健康構想についてお話がありました。赤座先生は、この構想において“がん”が項目として含まれたことについて述べ、AOSでは将来的な予算を安定化する方法、ハンドリングオフィスを修正する方法、メンバーシップを確立する方法などについて深い議論が必要であると話しました。さらに、アジアは多様性に富んだ地域であることから、ASCOやAACR、ESMOを模倣するにとどまらない組織の確立が必要であると訴えました。
Dr, Jin Li(Department of Medical Oncology, Tongji University Shanghai East Hospital, China)からは、“The Perspective of Global Early Phase Clinical Trial”というテーマのもと、がん治療薬における国際的な初期臨床試験の展望について講演がありました。Dr, Jinは、今後はアジアでフェーズ1から臨床試験を行い、プラットフォームを形成することで、世界的に新薬開発をリードしていきたいと述べました。そしてそのためには、国際的に早期段階での拡大戦略を立てて協力することが重要だと説明しました。
最後に、Dr, Yeul Hong Kim(Division of Medical Oncology, Department of Internal Medicine, Korea University College of Medicine, Korea)からは、“Future perspective of AOS”というテーマのもと、AOSの将来の展望について講演が行われました。
Dr, Yeul Hongは、AOSがアジア地域における科学者共通のプラットフォームとして形成されたこと、そこには6つの目的があることについて解説しました。そして、アジア各国における医療の質の向上を目指し、各国政府のサポートを得ていけるように1つ1つの組織が力をつけることが重要だと述べました。そしてそのために、アジア各国のAOSへの積極的な参加を求めました。
このようにして、【がん治療国際化 AOS設立記念講演】は、大きな拍手に包まれて幕を閉じました。
北川 雄光 先生の所属医療機関
福島県立医科大学 消化管外科学講座 主任教授
日本外科学会 外科専門医・指導医日本消化器外科学会 消化器がん外科治療認定医・消化器外科専門医・消化器外科指導医日本消化器病学会 消化器病専門医・消化器病指導医日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医・消化器内視鏡指導医日本食道学会 食道科認定医・食道外科専門医日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
消化器外科、特に食道外科を専門としており、2018年には再建を含む47例の食道がん切除などの手術を手がけた(2018年1月1日~2018年12月31日まで)。外科臨床に加えて、がん免疫療法の開発にも携わっており、がんワクチン療法の全国他施設共同臨床研究などの主任研究者を務めた。論文業績のIFは491(2017年時点)。
河野 浩二 先生の所属医療機関
岐阜大学大学院腫瘍制御学講座腫瘍外科学分野 教授
日本外科学会 外科認定医・外科専門医・指導医日本消化器外科学会 消化器外科認定医・消化器外科専門医・消化器外科指導医日本内視鏡外科学会 技術認定取得者(消化器・一般外科領域)日本食道学会 食道科認定医・食道外科専門医日本乳癌学会 乳腺認定医日本消化管学会 胃腸科専門医・胃腸科認定医日本胸部外科学会 会員日本肝胆膵外科学会 会員
1958年、広島市生まれ。1984年より腫瘍外科医としてキャリアを開始し、分子病理学の研究や、英国オックスフォード大学留学を経て、2007年岐阜大学大学院腫瘍制御学講座 腫瘍外科学分野教授に就任。鏡視下手術などの低侵襲外科手術をこなすのみならず、集学的治療を駆使し、初診時に手術が難しいと診断された患者さんにも根治手術の施行に尽力している。2017年にJDDW2017第15回日本消化器外科学会大会大会長を務めた。2019年には第57回日本癌治療学会学術集会会長を務め、我が国のがん医療・消化器外科医療をリードする一人である。2018年から岐阜大学医学部附属病院・病院長に就任している。
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